ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

例の事件から一夜明けた。大江戸学園は昨日の事件の話で持ちきりだった。

うちの店にも輝の瓦版が挟まっていた(この場所を教えてないし、購読も頼んでないけど)。

中を見てみると大々的に取り上げられていたのは但馬屋と田ノ上の悪事、逢岡さんの活躍と新の活躍が少々。

幸いなことにおれの情けない末路については書かれていなかった。
そして、何事もなく店を開いていた。

悠「ありがとうございました。ふぅ…新の活躍がすこしでも載ったから客が増えたな。これで昨日みたいな客が一組だけはまのがれる…ん?」

パカラ、パカラ、パカラ…

新「やほー、悠」

悠「重役出勤だな」

新「てへへ、補習がね」

悠「補習の時間減らさないと給料半減な」

新「えぇ!それは困る」

悠「あと、馬に乗るのはいいけど、少しはおしとやかにしろよ。見えてるぞ。」

新「なにが?」

悠「だから…足開いてるから丸見え。」

新「だから、なにが?」

悠「あーもーパンツだよ。パンツ。その水色のパンツ」

新「あぁ、悠になら見られても平気だよ。仲良しだし」

悠「マジか…じゃなくて、馬に乗って大股開きだとすれ違う人全員に丸見えになるだろ。」

新「ありゃ、そっか。気を付ける」

悠「そうしろ。」

新「じゃあ、銀シャリ号止めてくるね」

悠「おぅ…。見られても平気だよっか……。いやいや何考えてる。」

王「こんにちわん。」

悠「あ、いらっしゃ……わ、王狐文!?」

王「王でいいよお。」

悠「な、なにをしにきた。」

王「やだなぁ。昨日いったじゃない。改めてお店に行くって。はい、これプレゼント」

悠「なんのプレゼント…っか、なんすかこれ」

王「うまい棒の詰め合わせだわん。そこに露店の駄菓子屋があったの。」

悠「は、はぁ…アリガトウゴザイマス」

王「いいよん。それより~…」

漆原「王さん、そろそろお時間です」

王「え~めんどくさいわん」

漆原「いきますよ」

王「えーん、ウルたんが怖い~。しかたにゃいなぁ、ユウたん。このお団子全部もらえる?」

悠「え、あーはい。全部お持ち帰りで?」

王「うん。」

悠「少々お待ちください。…………はい、どうぞ」

王「ありがと。お金は置いとくねん。おつりはいいから。」

パサッ

悠「いやいや、こんなにはいらないですよ!」

王「それじゃあ、またねん」

漆原「失礼する」

悠「えぇ…」

新「どうかしたの?」

悠「いや、ちょっと寒くなっただけだ…」

新「ギュってしてあげようか?」

悠「乳が背中に当たって気持ち良さそうだけど…いまはげんきない……ちょっと店番頼む。奥にいるから、客来たらよんでくれ…」

新「本当に大丈夫?」

悠「平気だよ。少ししたら回復するから…」
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