ｰ新宿:小鳥遊堂(半壊)ｰ

悠「着いたぁーー!」

左近「はぁー……疲れましたねぇ。すいません。お茶となにか甘いものを」

悠「口のなかを鉄の味のする赤い液体で溢れさせてやろうか?」

左近「私に吸血趣味は無いですよ」

悠「もうツッコム気も失せたわ……。」

左近「はっはは、もともとツッコミキャラじゃありませんもんね」

悠「っーか、こんな状態で茶なんか出せるかよ」

左近「そんな意地悪しないでくださいよ。ちゃんと手配したしたんだから……あ、ほらきましたよ」

鷹屋「まさかと思ってきてみたらやっぱり小鳥遊さんのお店だったんですか」

悠「あ、鷹屋さん」

鷹屋「その説はどうもです。しかし、何があったんです?」

悠「どっかのバカが暴れたんだよ。どっかのバカがな」

左近「えー……」

鷹屋「それになんか怪我してるようですけど」

悠「これもどっかのバカが原因だ。どっかのバカがな!」

左近「仲間割れはやめましょうって」

悠「お前と仲間になったおぼえはねぇーー!!」

鷹屋「えっと……」

悠「気にせず手っ取り早く直してくれ。金はいくらでも払うから」

左近「できるだけ安くお願いしますよ」

鷹屋「前にお世話になったし出来る限りの迅速に仕上げます。」

悠「はー……」

吉音「あっ、悠!!」

悠「うぶっ?!」

吉音「よかったー……無事だったんだね。来たらお店が潰れてていないんだもん心配したよもぉ～!」

悠「むぐぐっ!ぐむっ!」

左近「お嬢さん、そのまんまだと小鳥遊さんは呼吸困難で落ちますぜ」

吉音「おっと!」

悠「ぷはっ……乳で圧死とか幸せな死に方と思ってたけど違うなコレ。かなりの拷問だ」

左近「贅沢ですねぇ」

悠「やかましい」

吉音「でも、悠どうしたの?なんか焦げ臭いし泥臭いし、あせくしゃいよ?」

悠「なら、はなれろ。こっちは襲われて来たばっかりなんだ」

吉音「襲われたの?誰に?!」

悠「平気だとりあえずぶん殴ってきたから」

左近「力づく」

悠「お前は本当にさっきからこそこそと五月蠅いな!」

左近「あっはは。悠さん、それより休みましょうや。足だって痛いでしょう?」

悠「むしろ肩だな」

吉音「ねぇねぇ、悠そのひとは?」

悠「赤の他人だ無視しろ無視」

左近「本当にツレない人ですねぇ……まぁいいや、とりあえず部屋で話しましょう。ここだと作業の邪魔ンなりますし」

悠「こいつどうあがいても休んでく気だな……」

吉音「追い返す?」

悠「……いや、いいからお前も離れろって、いつまで抱きついてる」

吉音「だってー、悠はすぐにどっかいくんだもん」

悠「こんな状態でどっこもいかねぇし。」

左近「ほら、お二人さん。いちゃいちゃしてないで中にはいってくださいよ。暑苦しいし」

悠「よーし、まずはアイツをぶん殴る。絶対にぶん殴る。」

吉音「えへへ」

悠「お前も喜んでんじゃねーよ」

竜之介「……」

悠「っ!」

吉音「どしたの、怖い顔して?」

悠「……いや、なんでもない」