ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】
ー久秀の屋敷:敷地内ー
悠「くっ……」
目が見えない。音を聞くにも奴の声だけでなく周りが騒がしすぎてハッキリと把握できない。耳に意識を集中しているとズドッと胸に棒状の物が突き当てられた。無茶苦茶ではないにしろ突然の痛みにおれは後ずさった。
刺さってるものを弾き落とそうと手を振ったがその物体は突然消えてしまった。さっきの様子から砂に帰したのだろう。
啄朴「次は右足」
悠「くっ」
耳に届いた啄朴の声に右足を下げたが、左の太ももの辺りに刺されたような痛みが走った。今度はさっきよりも痛い。目に見えないが実剣で刺しやがったに違いない。刃引きしているといっても刀剣の先は鋭く尖っている太ももの肉くらいは容易く刺す。トマトにナイフを突き立てるようにたやすいことだ。ただし……おれの足はトマトじゃない。
啄朴「あ……れ?」
悠「引き抜けないか?そうだよな、筋肉を絞ってやったんだ。抜けやしな……」
目を開けて殴ってやろうとした瞬間、おれは左肩を断たれた。突き刺しているのは啄朴でなく黒装束。奴は側面に居てニタリと笑って痛めてる肩を狙ってきたのだった。歯を食いしばってその痛みに耐えて、まず前に居る黒装束を蹴り飛ばした。続けて啄朴をぶん殴ろうと右手を振るったがグンッと何かに引っ張られた。
啄朴「おっとっと……。」
悠「くっ、なんだこりゃ」
余裕を持って逃げる啄朴にではなく、おれは自分の腕を見て驚愕した。黒い泥、それとも砂か?どちらにしろ地面から生えた黒いそれがおれの腕を掴んでいたのだ。
啄朴「アケボシ。僕の剣魂だよ」
悠「泥……じゃないな。本当の姿はなんだ?」
啄木「はははっ~この子だよ~」
アケボシ『きゅ!』
リス型の剣魂が啄木の持つ刀の唾の辺りで小さく鳴いた。目立つのは尾だ。とても細くて長い尾は地面にまで届いている。それでおれは気がついた……この剣魂の正体。
悠「電気……いや、電磁か」
啄木「良く気がついたねぇ。そう、僕の刀、「一握りの砂」は通電力が高い造りをしている。それにアケボシの特殊電磁力を与えることで砂鉄を纏わせて……」
悠「刀を振るう。勢いよく放たれた砂鉄は流体的挙動変化で刃と言わないにしろ鋭い穂先をもつ物になる。しかし、特殊電磁力といえどそれを発している剣魂から離れ過ぎたらもとの砂鉄に戻る。剣魂も凄いが……本当にすごいのはその攻撃に対しちょうどおれに当たって砂に戻る位置を図ってるお前だな」
そして、ゼロ距離でおれの手を掴んだ仕掛けは直接電磁界をおれの右手に集中させて地面から砂鉄を集めた。あの尾の長さはアースとして、時には巻きつけて磁力を誘導させるためのもの。
啄朴「僕とアケボシの力さ。」
やつは目のまえで刀を揺らした。今度は目に見えて砂鉄が集まってきた。その振りがゆっくり、ゆっくりと大きく振りだしていき刀から黒い反物でもひっかけているように伸ばしだした。額に汗が流れた。やばい、何か分からないがアレを当てられるのはヤバい。おれは踏み込んだ。間合いを詰め本体を叩く。
悠「このおぉっ!!」
啄朴「遅いっ!!」
奴は刀を振り上げて、一気に振り下ろす。すると舞いあがった砂鉄の反物は氷柱のように姿を変えて降り注いできた。垂直に落ちるなら途中で電磁力は最後の一瞬まで散りはしない。おれはポケットから取り出した物を投げた。片手で操作できる発火装置……ライターだ。奴はなにをしたのかと目を見開いくが、おれはそれを両手で叩き潰した。次の瞬間、炎が飛散した。
悠「ぐぅッ……!!」
啄朴「うわっ?!」
空気の壁で押しつぶしたライターは粉々になってライターオイルを撒き散らす。着火石からちる火花で引火して酸素と融合して炎の壁となり辺りを飲み込む。当然直撃したら大火傷、おれは燃やしつくされていく酸素を上に押しあげた。ジュジュっと服の一部を焦がしつつも火ははるか上空で霧散した。呆然とする啄朴の鳩尾を打った。
悠「覚えときな電気の天敵は熱だ……磁石を熱するとその磁力が弱くなる実験したことあるだろ」
磁力はある一定温度(キュリー)温度に達すると磁力を消失するこれを熱消磁という。熱せられたことによって原子核の振動が活発なり自由電子の動きを妨げ電流が慣れにくくなるのだ
悠「くっ……」
目が見えない。音を聞くにも奴の声だけでなく周りが騒がしすぎてハッキリと把握できない。耳に意識を集中しているとズドッと胸に棒状の物が突き当てられた。無茶苦茶ではないにしろ突然の痛みにおれは後ずさった。
刺さってるものを弾き落とそうと手を振ったがその物体は突然消えてしまった。さっきの様子から砂に帰したのだろう。
啄朴「次は右足」
悠「くっ」
耳に届いた啄朴の声に右足を下げたが、左の太ももの辺りに刺されたような痛みが走った。今度はさっきよりも痛い。目に見えないが実剣で刺しやがったに違いない。刃引きしているといっても刀剣の先は鋭く尖っている太ももの肉くらいは容易く刺す。トマトにナイフを突き立てるようにたやすいことだ。ただし……おれの足はトマトじゃない。
啄朴「あ……れ?」
悠「引き抜けないか?そうだよな、筋肉を絞ってやったんだ。抜けやしな……」
目を開けて殴ってやろうとした瞬間、おれは左肩を断たれた。突き刺しているのは啄朴でなく黒装束。奴は側面に居てニタリと笑って痛めてる肩を狙ってきたのだった。歯を食いしばってその痛みに耐えて、まず前に居る黒装束を蹴り飛ばした。続けて啄朴をぶん殴ろうと右手を振るったがグンッと何かに引っ張られた。
啄朴「おっとっと……。」
悠「くっ、なんだこりゃ」
余裕を持って逃げる啄朴にではなく、おれは自分の腕を見て驚愕した。黒い泥、それとも砂か?どちらにしろ地面から生えた黒いそれがおれの腕を掴んでいたのだ。
啄朴「アケボシ。僕の剣魂だよ」
悠「泥……じゃないな。本当の姿はなんだ?」
啄木「はははっ~この子だよ~」
アケボシ『きゅ!』
リス型の剣魂が啄木の持つ刀の唾の辺りで小さく鳴いた。目立つのは尾だ。とても細くて長い尾は地面にまで届いている。それでおれは気がついた……この剣魂の正体。
悠「電気……いや、電磁か」
啄木「良く気がついたねぇ。そう、僕の刀、「一握りの砂」は通電力が高い造りをしている。それにアケボシの特殊電磁力を与えることで砂鉄を纏わせて……」
悠「刀を振るう。勢いよく放たれた砂鉄は流体的挙動変化で刃と言わないにしろ鋭い穂先をもつ物になる。しかし、特殊電磁力といえどそれを発している剣魂から離れ過ぎたらもとの砂鉄に戻る。剣魂も凄いが……本当にすごいのはその攻撃に対しちょうどおれに当たって砂に戻る位置を図ってるお前だな」
そして、ゼロ距離でおれの手を掴んだ仕掛けは直接電磁界をおれの右手に集中させて地面から砂鉄を集めた。あの尾の長さはアースとして、時には巻きつけて磁力を誘導させるためのもの。
啄朴「僕とアケボシの力さ。」
やつは目のまえで刀を揺らした。今度は目に見えて砂鉄が集まってきた。その振りがゆっくり、ゆっくりと大きく振りだしていき刀から黒い反物でもひっかけているように伸ばしだした。額に汗が流れた。やばい、何か分からないがアレを当てられるのはヤバい。おれは踏み込んだ。間合いを詰め本体を叩く。
悠「このおぉっ!!」
啄朴「遅いっ!!」
奴は刀を振り上げて、一気に振り下ろす。すると舞いあがった砂鉄の反物は氷柱のように姿を変えて降り注いできた。垂直に落ちるなら途中で電磁力は最後の一瞬まで散りはしない。おれはポケットから取り出した物を投げた。片手で操作できる発火装置……ライターだ。奴はなにをしたのかと目を見開いくが、おれはそれを両手で叩き潰した。次の瞬間、炎が飛散した。
悠「ぐぅッ……!!」
啄朴「うわっ?!」
空気の壁で押しつぶしたライターは粉々になってライターオイルを撒き散らす。着火石からちる火花で引火して酸素と融合して炎の壁となり辺りを飲み込む。当然直撃したら大火傷、おれは燃やしつくされていく酸素を上に押しあげた。ジュジュっと服の一部を焦がしつつも火ははるか上空で霧散した。呆然とする啄朴の鳩尾を打った。
悠「覚えときな電気の天敵は熱だ……磁石を熱するとその磁力が弱くなる実験したことあるだろ」
磁力はある一定温度(キュリー)温度に達すると磁力を消失するこれを熱消磁という。熱せられたことによって原子核の振動が活発なり自由電子の動きを妨げ電流が慣れにくくなるのだ