ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】

ー松永の屋敷ー

久秀「あら……どういう意味かしら」

悠「さー、どういう意味だろうな」

左近「……」

悠「嘘には三種類ある。自分を守るウソ、他人を欺くウソ、他人をかばうウソ……アンタからは他人を欺く嘘の匂いが半端なくする。それに……いろいろ胡散臭くて信用ならん。ということで……お邪魔しました。二度と妙なのをうちに寄越さないでくれ。」

久秀「そう……久秀がこんなに下手に出てあげてるのにそういう態度をとるの。」

左近「まぁまぁ、悠さんもう少し言い方を……」

悠「おれは帰るがお前はどうする?(ウチの店に修理屋の手配ちゃんとしないと殺すぞ)」

左近「はははっー……私も帰りましょうかね。聞こえちゃいけない副音声が聞こえそうでしたし……」

久秀「そう。まぁいいわ、無事に帰れるならどうぞ。」

悠「あー?」

バタン!ガラララ!
ドタタッ!ガラララッ!

顔色の悪い男「……」
黒装束A「……」
黒装束B「……」
黒装束C「……」

偉そうな顔の男「……」
黒装束D「……」
黒装束F「……」
黒装束G「……」

童顔の男「……」
黒装束H「……」
黒装束I「……」
黒装束J「……」

悠「……」

左近「あちゃ……」

悠「御伽ヶ島さん……あのお方がたは?」

左近「えーと……右から芥河竜之介(あくたがわりゅうのすけ)さん、毛利鷗外(もりおうがい)さん、石河啄朴(いしかわたくぼく)さんです……皆さん名の知れた剣徒の方々です。」

悠「……文豪だったりするか?」

左近「おぉ、よくご存じですね皆さん素晴らしい文豪家ですよ……。」

悠「そら……名前的にな……。」

久秀「ふふっ、三人の剣徒相手に無事に帰られるかしら。あ、四人だったわね。左近」

左近「は、はい?」

久秀「アナタは……こっち側よね?」

左近「えーと……」

久秀「ふふっ。」

竜之介「ごほごほ……。」

鴎外「ふーーっ……。」

啄朴「にこにこ……。」

悠「……さっさと決めろよ左近」

左近「そりゃ……まぁ、どー考えても御嬢さん側に着くのが得策でしょうし安泰でしょう」

久秀「ふふっ、そうよねぇ。」

左近「ですが……立場上、お役人でしてねぇ。リンチしてるのを目の当たりにしてほっておく訳にはいかないでしょう」

悠「まだ、リンチはされてないけどな」

左近「アンタ……味方無くしますぜ?」

悠「冗談だ。とりあえず……逃げるぞ!!」

左近「了解ですっ!!」

久秀「ふふっ。さぁ、追って捉えなさい」

竜之介「ごほごほ……ラショウモン」

ズゾゾゾッ!!

悠「おい、なんか黒いのが追ってきてるぞ!!」

左近「芥河さんの剣魂はラショウモン!影に入る剣魂です。影でしか移動できない分、あらゆるところに入りこめます。」

悠「冷静に解説してんな!!対処法は!」

左近「言ったでしょう。影でしか行動できないんです。外にでさえすれば平気です。幸い、ここは二階です。そして、階段より窓が近い」

悠「……それって飛び降りるってことか」

左近「それとも闘いますか?」

悠「逃げる。」

がっしゃーーーん!!

竜之介「むっ……逃がしましたか、ごほっ。」

鴎外「儂らも追うぞ」

竜之介「僕(やつがれ)は階段で行くのでお二人はどうぞ飛び降りて追ってください……っと、啄朴はもういったようですがね」
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