ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー田ノ上の屋敷ー

王「いやぁ、悠たん。いい瞳(め)だにゃあ♪その瞳、超かわいい♪王ちゃん、気に入った。あ、ガム食べる?」

悠「あ、あんた…なんも感じてないのか?」

王「んん?あ、反撃されたのもビックリしたよ。殴っちゃってゴメンね。立てれる?」

悠「あ、あぁ…」

王「ほんとにゴメンねん。ゆっくりお話ししたいけど、今日はもう帰るからまたちゃんとお店に行くから、じゃね~」

悠「……はは、マジか。」

新「悠、平気!」

想「小鳥遊君無事ですか!」

悠「あ、逢岡さんと、新。えっと、うん、取り合えず元気です。(左手が逝っちゃってるけど、心配かけてもなんだし)」

想「よかった。もっと早く駆けつけられれば良かったんですが」

新「あたし、ちゃんと着いてたから大丈夫だったよ」

悠「いや、お前が来たの結構ギリギリ。」

新「ん、あれ?」

悠「そういや新にしろ、逢岡さんにしろどうして俺がここに連れ込まれたのがわかったんだ?」

新「あたしは想ちゃんから聞いた」

悠「そうなんだ。俺はてっきり新から逢岡さんに連絡いれたのかと」

新「違うよ~」

悠「新にしては珍しく準備がいいと思ったんだけど、やっぱりそんなわけなかったか…」

新「うふふふ、まあね♪」

悠「いや、誉めてないから。っか、逢岡さんはどこから情報が?」

想「中村さんから連絡があったんですよ。自分の不手際で小鳥遊君が怪しい男たちに連れ去られてしまったって」

悠「そうなんだ…?」

「お奉行、容疑者は全て確保しました」

想「ご苦労様。そのまま奉行所まで連行しておいてください」

「は、かしこまりました」

田ノ上「く、どこの馬の骨ともわからん浪人にこのような目に遭わされるとは…」

マゴベエ「ピュイイ!」

新「いいよ。マゴベエ、あたしは気にしてないから」

マゴベエ「ピュイイ!!」

新「あわわ、ごめんなさい」

悠「なんで、新にまで怒ってるんだ?」

想「では私は奉行所に戻ります。ご協力ありがとうございました」

悠「こちらこそ、どうもです」

「おい、話が違うじゃねぇか!」

新「ん?」

往水「は?さて何のことですかね。ほら、とっとと連れていっちまいな」

想「どうしたんです?」

往水「いえ、なんでもないんですよ。しょっぴかれてく悪党がゴネてただけでさぁ。へん、牢屋での食事の話なんかされても、あたしに聞かれてもわからねぇってんですよ」

想「そう、ですか」

往水「おっと、こいつは小鳥遊さん、ご無事そうでなによりです。ホントにすみませんでした。小鳥遊さんが眠らされたらあのチンピラども担いでいっちまいまして」

悠「いや、まぁ仕方ないんじゃないかな……?」

新「でもいくみんが想ちゃんに連絡してくれなかったら今ごろ悠は海の底だったかもしれないわけだしね♪」

悠「あっさり怖いこというんじゃねぇ!」

想「それじゃあ、そろそろ奉行所に帰りますか」

新「それじゃバイバイ。想ちゃんにいくみん」

悠「お疲れさん」








ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「ここでいいや。じゃあな新」

新「うん、おやすみ。悠」

悠「さて……柳とこいくか…。めっさ手首痛いし……」



覆面の男・緑「今宵はなかなか面白ございましたな」

覆面の男・青「面白いだと?おぬし、物見遊山気分で任務についておるのではないだろうな」

覆面の男・緑「滅相もございませぬ」

覆面の男・青「我々の任務をそのように軽い物ではないぞ」

覆面の男・緑「もちろんわかっております」

覆面の男・青「口ばかりでなく常に肝に命じておけ」

覆面の男・緑「はっ」

覆面の男・青「あちらについておる隊長と合流し報告に向かうぞ」

覆面の男・緑「承知」

覆面の男・青「死して屍」

覆面の男・緑「拾うもの無し。」
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