ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】

ー新宿:小鳥遊堂ー

左近「むむっ……ダメだなぁ。ガッチガチに縛られてて自力では抜けられないから逃げれないし……斬馬刀は隠されてるからシキサイも呼べないし、携帯も取り上げられて連絡も取れない……困りましたねぇ。」

『そのわりに……随分と余裕だな……』

左近「おっ……(来てくれましたか。鷹丸さん)」

鷹丸『ああ……どうやら散々な目にあったみたいだな』

左近「(まったくですよ。ということで助けてくれませんかぃ)」

鷹丸『無理だ……。』

左近「(その理由は?)」

鷹丸『分かってるだろ……俺は危険な橋は渡りません……』

左近「(知ってますけど……ここまできたらちょっと戸を開けて、入って、縄を切って、それだけしてくださればいいんですよ?)」

鷹丸『これ以上近づいたら……家主が起きる可能性もある。入るなんて御免だよ』

左近「(大丈夫ですよ。ここまで寝息が聞こえてきてるんですもの)」

鷹丸『気配で起きる可能性も狸寝入りしているかも知れない。』

左近「(アナタって人は本当にもう……じゃあ、何しに来たんですかぃ?)」

鷹丸『報告……』

左近「はい?(おっと…)」

悠「んんっ……ぐぅ…」

鷹丸『松永様への報告です……。どう伝えてほしい……?』

左近「(どうって……よく頑張ってるっとは伝えてくれないんでしょう)」

鷹丸『そんな……すぐバレる嘘をいうと思いますか?』

左近「(だよね……ありのまま伝えなさい。)」

鷹丸『処分……だぞ?』

左近「(ま、既に失点が溜まってましたからねぇ……致し方ありませんよぅ。でも、ほら、私はこれでも役人ですからね。身の安全は保証しています自分でね。)」

鷹丸『その状態でか?』

左近「(はは、ある意味今は超安全ですよ。なにせ、後ろに凄いのが寝てますからねぇ。)」

鷹丸『そうか……じゃあ、俺はいくぞ。』

左近「(えぇ、一応もう一度最後に聞いておきますけど……助けてはくれないんですね?)」

鷹丸『……』
スッー

悠「誰かいるのか?」

鷹丸『じゃあな』

左近「あー……いっちゃった……っていうか小鳥遊さん、狸寝入りしてたんですか?人が悪いですよぅ?」

悠「ぐぅ……ぐぅ……」

左近「……あれ?」

悠「……それは金沢……ですか?……コクのブラックぅ……ぐぅ」

左近「……もしかして、寝言かよ…。あーもーなんだよそれ、この人、馬鹿なんじゃないか」

悠「あー?テメェいきなり罵詈雑言とはいい度胸してんなコラ」

左近「ちょ……お、起きてたんですか?」

悠「今、起きたんだよ。まさか、寝てる間そうゃってずーっとおれの事を呪ってたのか……」

左近「いやいや、誤解ですって誤解。ただのひとりごとですよ。ホント」

悠「ふーん……それとも誰かと話してたとか?」

左近「はっはっは、それだったらとっくに助けてもらってますって」

悠「……」

左近「……」

悠「だったら、寝とけ。朝一で行くんだからな」

左近「……モーニングにですか?」

悠「ふざけんな馬鹿野郎。全ての原因、松永ってやつのところにだよ」

左近「……えーと、私は留守番してるってことでダメですかね?」

悠「ダメに決まってんだろ。お前には道案内してもらう。」

左近「……はぁ」
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