ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】

ー新宿:小鳥遊堂ー

左近「……ハッ?!あ痛っ……っ……はー……あれ?どうなったんだっけ?それに縛られてる?」

悠「ふー……あ、やっと気がついたか」

左近「……」

悠「なんだよ」

左近「いやぁ、私はですね。」

悠「あぁ。」

左近「見た目とか体型は気にしないんですけど健康的で豪快な女性が好みなんですよ」

悠「あー?」

左近「なので……すいませんけど、貞操は許してもらえまんかねぇ」

悠「アホか!」

パコンっ!
左近「痛っ……だって、小鳥遊さん上半身裸で私は縛られてる。もう襲われる寸前でしょコレ」

悠「ざっけんな、テメェが屋根の下敷きになったの掘りだしたら泥だらけになって風呂入ってたんだよ」

左近「あぁ、そういえば小鳥遊さんが俺を殺そうとして……」

悠「お前が動かなきゃいいのに最後の最後で攻撃しようとしたんだろ。しかも、後ろから」

左近「なんだ、気がついてたんですかぃ」

悠「お前みたいな奴がやろうとすることくらいわからいでか」

左近「あっはは、じゃあついでにもうひとつ教えてください。私の剣筋が分かったこととあそこに追い込んだのは偶然ですか?」

悠「二つ聞いてんじゃねぇか。」

左近「あっはは、まぁまぁ、気にせず気にせず」

悠「……剣筋は空圧を探知しただけだ」

左近「空圧?」

悠「面倒だから細かい説明は省くがおれは空気の流れを触れて感知できる。姿と音は消せても刀が空を切る動きを読んで避けてただけだ。左手は痺れてて無理だから万が一、回避が間に合わなかったらの場合の保険となにか仕掛けがあるんじゃないかと騙すためだ。追い込んだのは狙ってたさ。」

左近「酷い人だ」

悠「うるせーよ。こちとら屋根が壊れたんだぞ。全額弁償してもらうからな」

左近「そんな悠さん、勘弁してくださいよ。私たち友達じゃないですか」

悠「急に名前で呼ぶな、馴れ馴れしい。友達でもない」

左近「そんなぁー、寅さんや疾風迅雷コンビとは一戦交えたあとすぐに仲良くなったそうじゃないですか、私も同じでしょう」

悠「悪いがお前とは友達になれる気がしない」

左近「御冗談がお上手だ」

悠「……」

パコン!
左近「痛っ……ちょ、縛って動けない相手を殴るのはやめましょーよ。っていうか、ほどいてください。」

悠「解いて欲しかったら教えてもらおうか」

左近「なにをですかぃ?」

悠「松永のことを」

左近「何も知りません」

悠「ほう」

パコンっ!
左近「痛……ちょ、だんだん威力上がってますよ?」

悠「既に尋問は拷問に変わってるんだよ」

左近「ジョジョですか、私も好きですよ。」

悠「そうか……っで、松永は?」

左近「ですから、勘弁してくださいってホント」

悠「……朱金に連絡してもいいんだぞ」

左近「それもちょっと……」

悠「じゃあ話せよ」

左近「うーん……あの人を怒らせるのは私も怖くてねぇ」

悠「逢岡さんとどっちが怖い?」

左近「あー……それも怖いですねぇ。」

悠「お前……口割る気ないな」

左近「はははっ、私だって一応ね男ですから」

悠「そーかよ。じゃあ、そこで反省してろ。明日の朝一番で逢岡さんに引き渡してやる」

左近「えぇー……お店の修繕費払うからゆるしてくださいよー。」
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