ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】

ー新宿:小鳥遊堂ー

吉音「違うかぁ……もぐもぐ……んじゃあふぉれは?」

由佳里「草餅。……いやぁ違いますね。」

吉音「ひはふのは。……ふぉれは?」

悠「お、おい……?」

由佳里「みたらし団子!ああ甘辛い醤油たれの香りがなんとも……ああ、でもこれじゃないです」

吉音「んんーー。むもひゃむむぬふにょめ……」

悠「おい新!口に物を入れたままで喋るな……っか、ツッコミどころはそこじゃない!あとおれはツッコミじゃない!!」

由佳里「ああ、羊羹も違います。それじゃない」

悠「だから由佳里も普通に聞き分けるんじゃないっ。吉音、店のものを端からたべるなっ!」

おれは吉音の手から塩大福の皿を取り上げた。

吉音「うもーーっ」

悠「牛かっ!乳は牛だな!っか、そうじゃなくてそんなにばかすか食ってると、顔がこの大福みたいになっちまうぞ!」

由佳里「ああーーーーっ!」

悠「あー?」

吉音「も?」

由佳里「それですそれ!大福です!思い出しましたーーっ!大福三つくださいっ!」


~少女購入中~


悠「あいかわらず賑やかなやつだよなぁ……」

吉音「結局うんしょこいしょってなんだったのかなぁ?」

おれたちは大福を手にした由佳里が走っていった方を見つめた。いったいどうして大福が途中でそんなものにすり変わったのやら。

悠「帰りは無事だといいけどなぁ……」

吉音「ついうっかり!なあんて……ね」

悠「まさか。ははははは」

吉音「あははははは」

悠「あははは……本当に大丈夫かなぁ……。」

吉音「うーん……。」

寅「おい」

悠「パルプンテ?!」

寅「あん?」

悠「びっくりした寅か……いきなりバックアタックするなよ。陣形を崩されて先制攻撃取られてぶちかましなんか放たれたら即全滅だぞ」

寅「日本語を話せ」

吉音「どしたの?うんしょこいしょはないよ?」

寅「うんしょこいしょ……?なんだそりゃ?」

悠「わからん」

吉音「全然さっぱり」

寅「ここの住人は誰も日本語が不自由な奴らばっかりなのか?」

悠「拳で語り合うんだ」

寅「やってやるよ」

悠「冗談だわさ。それで、なにをお求めで?」

寅「ちっ」

悠「相手になガン飛ばして舌打ちしない」

寅「客じゃねーよ」

悠「じゃあなんだよ」

寅「どうでも良いことなんだが……昨晩久々に黒装束に襲われてな。」

悠「大事じゃねぇか」

寅「全員足と腕一本づつ折っておいたが……お前の方はなんかあったか?」

悠「いや、全然」

寅「そうか。ま、夜道には気をつけろ」

悠「お前にいわれるとなんか怖いわ」
61/100ページ
スキ