ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】

ー集合長屋ー

男子生徒D「ああ!中にまだいたのかよ!」

男子生徒A「すげえ!やった!」

住人は、どうやら怪我をしていたらしい。

桃子「他にはいねぇだろうな?」

男子生徒E「あ、ああ……助かったよ、ありがとう」

男子生徒B「いいぞいいぞー!」

輝「いい写真いただき!」

わっと盛り上がる野次馬と輝。

悠「……」

輝「中の様子はどうでしたか?」

桃子「台所でなにか爆発してたみたいだ。それが原因かもな。それで怪我をしたらしい」

輝「ほうほう、なるほどなるほど。それで、今のお気持ちは?」

桃子「別にたいしたことねぇが……まぁ、来てみてよかったな」

男子生徒C「いや、たいしたことあるぜ!」

男子生徒D「あんたかっけえよ!」

輝「それで、何かひとこと!」

桃子「みんなが無事ならあたいはそれでいいさ。また何かあったら呼びな」

吉音「むぅっ、ずるい……火事じゃなければあたしだって」

悠「あー?火事は苦手なのか?とりあえずあえて真似をする必要はないさ。無理をして自分が巻き込まれちゃ意味がないからな」

吉音「それはそうなんだけど……むぅん」

そうこうしてるうちに、火消しが到着。放水も始まり、なんとか沈火する。

輝「いやあ、今日はいい日だなぁ。スクープが2つもだよ」

悠「あのな、輝。さっきもいったけど……」

輝「じゃ、おいらはこれから記事と写真の選定なんで!お先に失礼!」

悠「お、おい!ちょっと!」

そのまま、ささっと走り去っていく輝。

吉音「なんか……すごく疲れちゃった」

悠「そう、だな……あいつ、元気すぎだろ」

おれ達は、そんな輝をただ見送る事しか出来なかった。





ー新宿:小鳥遊堂ー

悠「ってな感じなんですけど」

想「そうですか……」

逢岡さんはおれ達の写真が一面を飾るエレキ新聞を手に、困ったように笑っている。

吉音「悪い子じゃないんだけどなあ……」

悠「なにしろ、本人に悪気がないもんだから、ヌカに釘の暖簾に腕押し、ナバルにシビレ罠、ゼラチンマスターに体術……」

はな「後半おかしいです」

悠「コホン、でもあのまま放っておいていいものでもないし」

想「そうですか。困りましたね。明日、かなりの規模の捕り物を予定していたのですが」

悠「多分、嗅ぎつけてきますね。あいつのことだから」

吉音「ほんと、どうやって調べてるんだろ?金ちゃんも隠してたっていってたよね?」

想「まあ、これ以上は町方与力も我慢の限界のようですし、多少強引でも手をうつ事にしましょう」

悠「とにかく、輝をとめないとな」

吉音「うん。ごめんね、てる……」

想「それで作戦は……」
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