ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】
ー小鳥遊堂:室内ー
結花「いいのよ、別に。お構いなく」
悠「いや、でも……」
結花「仕事が終わったばかりで疲れているでしょう?気にしないで」
生憎と、疲れるほどの仕事などしていないのだが、そこまで言われてしまっては仕方ない。腰を落ち着けて、結花さんと向かい合う。
悠「それで、あの……どうかしたんですか?」
結花「うん……まずは、ごめんなさいね」
悠「え?なにがです?」
結花「ほら、由真が迷惑をかけているみたいだから」
どうやら昼間のことを……昨日のことも含めてかもしれないが、ちゃんと結花さんも知っているらしい。
悠「あ、いや……別に迷惑だなんて……由真も由真で、なんだか大変そうだし……」
結花「そのことなんだけど、小鳥遊くんからも話を聞かせてもらえる?由真から聞いた話だけじゃ、はっきりしないことが多すぎて、判断に困ってるのよ」
悠「そういうことならちょうど良かった。おれも状況を整理したいと思ってたんです。」
結花「そう?じやあ、さっそく……」
というわけで、おれは昨日からの出来事を結花さんに聞いてもらう。目安箱に入っていた手紙のことと、その内容。覗き騒ぎのときの由真とのやり取りや、由真に届けられた手紙や写真についてなど、順番に話していった。
悠「って、とこですね。」
結花「……なるほどね」
おれの話をすべて聞き終えると、結花さんは大きくうなずいた。
悠「結花さんはどう思います?おれとしては同一人物の犯行だと思うんですけど?」
結花「ええ。そう考えるのが妥当でしょうね。別々の人間が、同じタイミングで似たようなちょっかいを出してくるとは考えづらいし」
悠「しかし、なにが目的なんだか……。こんな嫌がらせみたいなことをして……」
結花「それは犯人から直接聞いてみるしかないんじゃないかしら?」
悠「もう犯人に見当がついたんですか?」
結花「さすがに、まだそこまではいかないけど……今夜あたり、またなにか仕掛けてくるんじゃないかしら?」
悠「今夜?」
結花「昨日今日って日を空けずに、あれこれ策を弄してきたせっかちさんなのよ?今夜また、なにか仕掛けて来たとしても、おかしくないと思わない?」
仮に今夜でなかったとしても、数日中には必ず動きがありそうだ。
悠「確かに、じゃあ、いっちょおれが外を見はっておきますかね」
結花「私も付き合うわよ」
悠「いやいや、おれひとりで十分ですって」
結花「小鳥遊君だけに任せるわけにはいかないわ。うちだって由真が被害に遭ってるんだから」
悠「でも、夜も遅いし……どんな奴が犯人かも分からないんですから、女の子には危ないですよ」
結花「……女の子?」
悠「おれ、なにか変なこと言いましたか?」
結花「ううん。そういうわけじゃないんだけど…………女の子、か」
悠「?」
なにやら小声で呟いた結花さんが、楽しげにくすくす笑っている。どうしたものかとおれが反応に困っていると、その笑顔がこちらに向いた。
結花「私のことなら心配いらないわ。自分の身は自分で守れるから」
悠「でも……」
結花「あんまりしつこいと、女の子には嫌われちゃうわよ?」
悠「はい?なんで急にそんな話に……」
結花「いいから。ちょっと待ってて。すぐに準備してくるわ」
悠「あ……結花さん?」
結花さんは楽しげにまくしたてると、おれの声なんて聞こうともせず、部屋から出て行ってしまった。
結花「いいのよ、別に。お構いなく」
悠「いや、でも……」
結花「仕事が終わったばかりで疲れているでしょう?気にしないで」
生憎と、疲れるほどの仕事などしていないのだが、そこまで言われてしまっては仕方ない。腰を落ち着けて、結花さんと向かい合う。
悠「それで、あの……どうかしたんですか?」
結花「うん……まずは、ごめんなさいね」
悠「え?なにがです?」
結花「ほら、由真が迷惑をかけているみたいだから」
どうやら昼間のことを……昨日のことも含めてかもしれないが、ちゃんと結花さんも知っているらしい。
悠「あ、いや……別に迷惑だなんて……由真も由真で、なんだか大変そうだし……」
結花「そのことなんだけど、小鳥遊くんからも話を聞かせてもらえる?由真から聞いた話だけじゃ、はっきりしないことが多すぎて、判断に困ってるのよ」
悠「そういうことならちょうど良かった。おれも状況を整理したいと思ってたんです。」
結花「そう?じやあ、さっそく……」
というわけで、おれは昨日からの出来事を結花さんに聞いてもらう。目安箱に入っていた手紙のことと、その内容。覗き騒ぎのときの由真とのやり取りや、由真に届けられた手紙や写真についてなど、順番に話していった。
悠「って、とこですね。」
結花「……なるほどね」
おれの話をすべて聞き終えると、結花さんは大きくうなずいた。
悠「結花さんはどう思います?おれとしては同一人物の犯行だと思うんですけど?」
結花「ええ。そう考えるのが妥当でしょうね。別々の人間が、同じタイミングで似たようなちょっかいを出してくるとは考えづらいし」
悠「しかし、なにが目的なんだか……。こんな嫌がらせみたいなことをして……」
結花「それは犯人から直接聞いてみるしかないんじゃないかしら?」
悠「もう犯人に見当がついたんですか?」
結花「さすがに、まだそこまではいかないけど……今夜あたり、またなにか仕掛けてくるんじゃないかしら?」
悠「今夜?」
結花「昨日今日って日を空けずに、あれこれ策を弄してきたせっかちさんなのよ?今夜また、なにか仕掛けて来たとしても、おかしくないと思わない?」
仮に今夜でなかったとしても、数日中には必ず動きがありそうだ。
悠「確かに、じゃあ、いっちょおれが外を見はっておきますかね」
結花「私も付き合うわよ」
悠「いやいや、おれひとりで十分ですって」
結花「小鳥遊君だけに任せるわけにはいかないわ。うちだって由真が被害に遭ってるんだから」
悠「でも、夜も遅いし……どんな奴が犯人かも分からないんですから、女の子には危ないですよ」
結花「……女の子?」
悠「おれ、なにか変なこと言いましたか?」
結花「ううん。そういうわけじゃないんだけど…………女の子、か」
悠「?」
なにやら小声で呟いた結花さんが、楽しげにくすくす笑っている。どうしたものかとおれが反応に困っていると、その笑顔がこちらに向いた。
結花「私のことなら心配いらないわ。自分の身は自分で守れるから」
悠「でも……」
結花「あんまりしつこいと、女の子には嫌われちゃうわよ?」
悠「はい?なんで急にそんな話に……」
結花「いいから。ちょっと待ってて。すぐに準備してくるわ」
悠「あ……結花さん?」
結花さんは楽しげにまくしたてると、おれの声なんて聞こうともせず、部屋から出て行ってしまった。