ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】
ー新宿:小鳥遊堂ー
悠「……ふわぁ~」
その日の仕事を終え、店じまいをして帰るのが面倒になりこっちの部屋へと引きあげて来た。畳みのうえに大の字になって、ぼんやりしていると、だんだん眠気が増してくる。こりまま寝てしまおうか……。なんて考える間もなく、まぶたが落ちて来た。だが、意識が遠のきそうになったとき…
「きゃああああああああっ!!!」
悠「……っ、なんだ!?」
一気に目が覚めて、飛び跳ねるように起き上る。今の悲鳴……隣か?賭けつけようと足を踏み出した瞬間……。ザザザザザッっと騒がしい足音が近づいてくる。何事かと思う間もなく、いきなり襖が開いた。
由真「見損ったわよ、このド変態!」
悠「……由真?」
いきなり部屋に飛び込んできた由真が、その勢いのままおれに詰め寄ってくる。
由真「人畜無害な顔をしてても、やっぱアンタも男だったってわけね!気を許すんじゃなかったわ!」
悠「なんのことだ?」
由真「とぼけるんじゃないわよ!この、女の敵が!」
悠「女の敵って……」
由真「出しなさいよ、アンタの剣魂!何処に隠してんの!」
悠「あー?俺は剣魂なんか持ってないぞ。っか、なんの話ししてんだよ?」
由真「この期に及んでシラを切る気!」
悠「ぐぉ!ちょっ……待て。落ち着け……」
襟を掴まれ締めあげられ、息が出来なくなる。
由真「さっさと剣魂を出してデータを消しなさい。今なら半殺しで許してあげるから。ほら、早く!」
悠「だから、なんのことだか、おれにはさっぱり……」
由真「とぼけるのも大概にしなさいよ!男だったら素直に自分の罪を認めたらどうなの?」
悠「罪って……おれがいったいなにしたっていうんだ?」
由真「だから!……覗いてたんでしょ?」
悠「あー?」
由真「私がお風呂に入ってるとこ、覗いてたんでしょ!」
悠「あぁー?」
由真「なによその顔は?よりにもよって剣魂を覗きに使っといて、タダで済むとは思わないでよね!」
悠「まぁ待てよ。頼むから落ち着いてくれ」
襟を掴んだ由真の手をどうにかひきはがした。そして息を整え、頭のなかを整理する。
由真「まだ言い逃れする気!」
悠「待てっーの。よしわかった。お前は、おれが剣魂を使って風呂を覗いたというんだな?」
由真「ようやく認める気になった?」
悠「残念ながら、その期待にはそえないな」
由真「どうして?」
悠「さっきいっただろ。おれは剣魂なんか持ってないんだよ」
由真「なんでそんなウソつくのよ?」
悠「嘘だと思うなら調べてみてくれ」
そういっておれは、立てかけてある刀を由真に手渡した。
由真「……ホントだ……コードが入ってない……」
悠「な?」
由真「でも……」
悠「なんなら部屋を調べてもらっても構わんぞ」
由真「…………」
悠「……」
由真は困惑したような表情を浮かべて、ぐるりと部屋を見回す。だが、調べるようなそぶりは見せずに、すぐにおれへと向き直った。
由真「……ごめん」
悠「あー?」
由真「疑ってごめん」
悠「わかってくれりゃあいいんだよ」
由真「でもさ、じゃあ誰が覗いてたのよ?」
悠「そんなことおれに聞かりても……」
由真「あー、もー、むかつくー!絶対見つけてやるんだから!」
悠「おい?由真?」
由真はおれの声にふり返りもせず、来た時と同じように騒がしい足音を立てて部屋を飛び出していった。まったく。ひと騒がせな……。だが、覗きってのは聞き捨てならないな。隣は男手が無いわけだし、少し辺りを見回っておくか。
「……ふふっ。いい絵が取れたわ。さてとこれからどうしてあげようかしら?」
悠「……ふわぁ~」
その日の仕事を終え、店じまいをして帰るのが面倒になりこっちの部屋へと引きあげて来た。畳みのうえに大の字になって、ぼんやりしていると、だんだん眠気が増してくる。こりまま寝てしまおうか……。なんて考える間もなく、まぶたが落ちて来た。だが、意識が遠のきそうになったとき…
「きゃああああああああっ!!!」
悠「……っ、なんだ!?」
一気に目が覚めて、飛び跳ねるように起き上る。今の悲鳴……隣か?賭けつけようと足を踏み出した瞬間……。ザザザザザッっと騒がしい足音が近づいてくる。何事かと思う間もなく、いきなり襖が開いた。
由真「見損ったわよ、このド変態!」
悠「……由真?」
いきなり部屋に飛び込んできた由真が、その勢いのままおれに詰め寄ってくる。
由真「人畜無害な顔をしてても、やっぱアンタも男だったってわけね!気を許すんじゃなかったわ!」
悠「なんのことだ?」
由真「とぼけるんじゃないわよ!この、女の敵が!」
悠「女の敵って……」
由真「出しなさいよ、アンタの剣魂!何処に隠してんの!」
悠「あー?俺は剣魂なんか持ってないぞ。っか、なんの話ししてんだよ?」
由真「この期に及んでシラを切る気!」
悠「ぐぉ!ちょっ……待て。落ち着け……」
襟を掴まれ締めあげられ、息が出来なくなる。
由真「さっさと剣魂を出してデータを消しなさい。今なら半殺しで許してあげるから。ほら、早く!」
悠「だから、なんのことだか、おれにはさっぱり……」
由真「とぼけるのも大概にしなさいよ!男だったら素直に自分の罪を認めたらどうなの?」
悠「罪って……おれがいったいなにしたっていうんだ?」
由真「だから!……覗いてたんでしょ?」
悠「あー?」
由真「私がお風呂に入ってるとこ、覗いてたんでしょ!」
悠「あぁー?」
由真「なによその顔は?よりにもよって剣魂を覗きに使っといて、タダで済むとは思わないでよね!」
悠「まぁ待てよ。頼むから落ち着いてくれ」
襟を掴んだ由真の手をどうにかひきはがした。そして息を整え、頭のなかを整理する。
由真「まだ言い逃れする気!」
悠「待てっーの。よしわかった。お前は、おれが剣魂を使って風呂を覗いたというんだな?」
由真「ようやく認める気になった?」
悠「残念ながら、その期待にはそえないな」
由真「どうして?」
悠「さっきいっただろ。おれは剣魂なんか持ってないんだよ」
由真「なんでそんなウソつくのよ?」
悠「嘘だと思うなら調べてみてくれ」
そういっておれは、立てかけてある刀を由真に手渡した。
由真「……ホントだ……コードが入ってない……」
悠「な?」
由真「でも……」
悠「なんなら部屋を調べてもらっても構わんぞ」
由真「…………」
悠「……」
由真は困惑したような表情を浮かべて、ぐるりと部屋を見回す。だが、調べるようなそぶりは見せずに、すぐにおれへと向き直った。
由真「……ごめん」
悠「あー?」
由真「疑ってごめん」
悠「わかってくれりゃあいいんだよ」
由真「でもさ、じゃあ誰が覗いてたのよ?」
悠「そんなことおれに聞かりても……」
由真「あー、もー、むかつくー!絶対見つけてやるんだから!」
悠「おい?由真?」
由真はおれの声にふり返りもせず、来た時と同じように騒がしい足音を立てて部屋を飛び出していった。まったく。ひと騒がせな……。だが、覗きってのは聞き捨てならないな。隣は男手が無いわけだし、少し辺りを見回っておくか。
「……ふふっ。いい絵が取れたわ。さてとこれからどうしてあげようかしら?」