ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】

ー新宿:小鳥遊堂ー

「ごちそうさまー」

悠「まいど、ありがとうございました」

はな「ありがとうございましたですー」

想「今日は繁盛していますね」

悠「えぇ、ひな祭り効果ってやつです。」

はな「何点は今日売れ残ったひなあられが明日からどう売るかですね」

悠「二日三日くらいひな祭り押しでイケるよ。最悪……何かの注文の横に添えといたらいい。塩コンブと同じだ」

想「それは名案かもしれませんね。口直しとして」

吉音「あまったらあたしが食べるよ!」

悠「てめぇはさんざん桜餅くっただろ」

吉音「おやつだもん」

悠「しゃーー!」

はな「威嚇するとお客さんがびつくりするですよ」

吉音「そうだよ」

悠「お前はぁ……」

想「まぁまぁ。」

寅「よう」

悠「いらっしゃい」

寅「ツケ」

悠「あー?」

寅「ツケいくら溜まってたよ?」

悠「あー……二万弱」

寅「ほらよ」

悠「へぇ、どした。全額払っていくなんて」

寅「蒼天塔でひと稼ぎしてきたんだよ」

悠「マジかよ……。いくら入ったの?」

寅「そこそこの額だ」

悠「じゃあ、喰ってけよ。ひな祭りフェアだ」

吉音「ねねっ」

寅「あん?」

吉音「ごちそうしてくれたら嬉しいな」

寅「顔洗って出直して来い」

吉音「顔洗ってくればいいの?」

寅「……」

はな「そういう意味じゃないです」

吉音「んん?」

悠「客にたかるな!」

寅「ふん……。茶をふたつと何か茶菓子だ」

はな「二つですか?」

寅「ひとつは……」

吉音「あたし!」

寅「逢岡にだ」

想「え、私にですか?」

寅「お前には貸しがあるこれでチャラだ」

悠「なんかしたんスか?」

想「いえ、心当たりは……?」

寅「なら、ただの奢りだ」

悠「ということなんで、奢られてやってください。」

想「いえ、そういう訳には……。」

悠「じやあ、おれからごちそうしますってことで」

寅「なら、金はひとり分で良いな」

悠「うぉい」

吉音「あーたーしーにーはー!」

悠「じゃあ、寅コイツに奢ってやってくれ」

寅「胃袋宇宙あいてはごめんだな」

悠「ちっ、よくわかってやがる」

寅「その女、ここで見る姿は喰ってるか寝てるかだからな」

吉音「そんなことないよっ!」

悠「若干あるだろ」
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