ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】
ー小鳥遊堂近くー
吉音「ねぇねぇ悠」
悠「あー?」
吉音「あれ、なんだろうね?」
放課後、いつものように小鳥遊堂向かって歩いていると、吉音がおれの袖口を引っ張った。見ると、店の方が何だか騒がしく、野次馬らしき人垣ができている。
悠「なんだろ……何か事件でもあったのか?」
吉音「なんとなく、いやな予感がするよ……速くいってみよう!」
吉音に袖を引かれて、おれは小走りで小鳥遊堂の前に向かった。
ー新宿:小鳥遊堂ー
平和「……あっ、悠さん、大変でござるよ!」
悠「平和に、つばめか。いったい、これは何が起こってるんだ?」
つばめ「そ、それがそのぉ、小鳥遊堂が大変なことに……」
悠「あー、たいへんなことはわかるんだけどさ……ええい、野次馬が邪魔で、なかに入れないな……」
平和「悠さん、こっちでござる!ごめんよごめんよ!どいておくれでござる~~!!」
平和が野次馬をかき分けていくあとを、おれと吉音はならんでついていった。
見ると、小鳥遊堂の店の中には、何だかガラの悪い生徒たちに占拠されていた。店内は土足で踏み荒らされ、割れた茶碗のかけらがそこらかしこに散らばっている。
悠「……あー?なんだぁあいつらは?珍しくちゃんと鍵は掛けてあったはずなのに」
つばめ「それはぁ、きっとこういうことじゃないかと……」
つばめが指す方を見ると、打ち壊された鍵と、戸板が落ちていた。
悠「おいおい、拳二や寅でももうちょっと頭使った入り方するぞ。ガサツな連中だなまったく……」
とりあえず、中に入らなければ始まらない。おれは小鳥遊堂に向かって一歩踏み出した。
男子生徒A「おい貴様ら、そこで止まれ!!」
そのとたん、ガラの悪い生徒のひとりが、これまたガラの悪い声を張り上げた。
吉音「なーによ、えらそうに!あんたたち、いったい何様のつもり?」
悠「なぁ吉音、あいつ等の顔……なんか見おぼえがないか?」
吉音「へ?そ、そうだっけ……」
相変わらず、人の顔を覚えるのが苦手な姫様だな……。
悠「ほら、おれが学園にやって来た頃、初めに遭遇した事件で、敵対した不良生徒たち……思い出した?」
吉音「あ、あーあーあー、そうだ、そうだったね!」
って、絶対ちゃんと思い出せてないな。まぁいいけど。
男子生徒B「へっへっへ、その節は世話になったなぁ……」
吉音「ふん、懲りもせず、またやられにきたの?」
悠「っかお前ら、こないだの件で、謹慎処分喰らってたはずなんじゃねーの?」
男子生徒C「どうにも腹の虫がおさまらなくてな、謹慎明けにすぐさま集まったてわけよ」
悠「あー……あほなのね」
やれやれ、なんとも暗い連中だ……そのエネルギーをもっと他のことに向けたらいいのに。
男子生徒A「メンツをつぶされたまま、おめおめと引き下がっちゃあいられないからな」
男子生徒B「今日はそのお礼参りって訳よ!」
悠「はいはい、じゃあ、かかって来いよ今なら足の爪と指の爪剥がして顔面卸しの極みに処すけどな」
おれは拳を鳴らして戦闘態勢になる。しかし気のせいか、チンピラ連中にどうも余裕があるような……?
男子生徒D「お、恐ろしいこといいやがるな……でも、これを見てもそんな威勢のいい口が叩けるかな」
悠「あー?」
吉音「……あぁっ!?」
信乃「くっ、お、お前ら、離しやがれ……って、くださいませ!」
悠「し、信乃!!」
吉音「天国ちゃん!!」
信乃は、チンピラのひとりにがっちりと捕えられ、首筋に刃を押しあてられている。そうか……いつもの三人組にひとり足りないと思ったら、そういうことだったのか。
吉音「ねぇねぇ悠」
悠「あー?」
吉音「あれ、なんだろうね?」
放課後、いつものように小鳥遊堂向かって歩いていると、吉音がおれの袖口を引っ張った。見ると、店の方が何だか騒がしく、野次馬らしき人垣ができている。
悠「なんだろ……何か事件でもあったのか?」
吉音「なんとなく、いやな予感がするよ……速くいってみよう!」
吉音に袖を引かれて、おれは小走りで小鳥遊堂の前に向かった。
ー新宿:小鳥遊堂ー
平和「……あっ、悠さん、大変でござるよ!」
悠「平和に、つばめか。いったい、これは何が起こってるんだ?」
つばめ「そ、それがそのぉ、小鳥遊堂が大変なことに……」
悠「あー、たいへんなことはわかるんだけどさ……ええい、野次馬が邪魔で、なかに入れないな……」
平和「悠さん、こっちでござる!ごめんよごめんよ!どいておくれでござる~~!!」
平和が野次馬をかき分けていくあとを、おれと吉音はならんでついていった。
見ると、小鳥遊堂の店の中には、何だかガラの悪い生徒たちに占拠されていた。店内は土足で踏み荒らされ、割れた茶碗のかけらがそこらかしこに散らばっている。
悠「……あー?なんだぁあいつらは?珍しくちゃんと鍵は掛けてあったはずなのに」
つばめ「それはぁ、きっとこういうことじゃないかと……」
つばめが指す方を見ると、打ち壊された鍵と、戸板が落ちていた。
悠「おいおい、拳二や寅でももうちょっと頭使った入り方するぞ。ガサツな連中だなまったく……」
とりあえず、中に入らなければ始まらない。おれは小鳥遊堂に向かって一歩踏み出した。
男子生徒A「おい貴様ら、そこで止まれ!!」
そのとたん、ガラの悪い生徒のひとりが、これまたガラの悪い声を張り上げた。
吉音「なーによ、えらそうに!あんたたち、いったい何様のつもり?」
悠「なぁ吉音、あいつ等の顔……なんか見おぼえがないか?」
吉音「へ?そ、そうだっけ……」
相変わらず、人の顔を覚えるのが苦手な姫様だな……。
悠「ほら、おれが学園にやって来た頃、初めに遭遇した事件で、敵対した不良生徒たち……思い出した?」
吉音「あ、あーあーあー、そうだ、そうだったね!」
って、絶対ちゃんと思い出せてないな。まぁいいけど。
男子生徒B「へっへっへ、その節は世話になったなぁ……」
吉音「ふん、懲りもせず、またやられにきたの?」
悠「っかお前ら、こないだの件で、謹慎処分喰らってたはずなんじゃねーの?」
男子生徒C「どうにも腹の虫がおさまらなくてな、謹慎明けにすぐさま集まったてわけよ」
悠「あー……あほなのね」
やれやれ、なんとも暗い連中だ……そのエネルギーをもっと他のことに向けたらいいのに。
男子生徒A「メンツをつぶされたまま、おめおめと引き下がっちゃあいられないからな」
男子生徒B「今日はそのお礼参りって訳よ!」
悠「はいはい、じゃあ、かかって来いよ今なら足の爪と指の爪剥がして顔面卸しの極みに処すけどな」
おれは拳を鳴らして戦闘態勢になる。しかし気のせいか、チンピラ連中にどうも余裕があるような……?
男子生徒D「お、恐ろしいこといいやがるな……でも、これを見てもそんな威勢のいい口が叩けるかな」
悠「あー?」
吉音「……あぁっ!?」
信乃「くっ、お、お前ら、離しやがれ……って、くださいませ!」
悠「し、信乃!!」
吉音「天国ちゃん!!」
信乃は、チンピラのひとりにがっちりと捕えられ、首筋に刃を押しあてられている。そうか……いつもの三人組にひとり足りないと思ったら、そういうことだったのか。