ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【4】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

想「こんにちわ。」

吉音「あ、想ちゃんいらっしゃーい。」

想「お店の調子はどうですか?」

吉音「んー……かん口令?」

悠「それをいうなら閑古鳥だ。って、うっせーよ!閑古鳥とかいうなっ!!」

吉音「あ、あたしに怒んないでよっ!」

悠「すまん……今のはヤツ当たりだな」

想「あはは……。大変みたいですね」

悠「お恥ずかしい。今月は若干厳しめで……」

吉音「売上そんなに悪いの?」

悠「寝てばかりで知らないと思うがかなりヤバい状態だ。常連といえば光姫さんと寅くらい…朱金や桃子さんもよく来てくれるけどツケばかりだしなんとか新規の客を開拓しないと……ちょくちょくメニューも変えてるんだけどなぁ」

想「努力はなさってるんですね」

悠「いや、はは……って、すいません!お客さんでしたね!!逢岡さん、どうぞ座ってください。メニューもどうぞ」

想「それじゃあ、お茶とこの和重ねというのをお願いします。あ、そんなにあわてなくてもいいですから」

悠「いえいえ、大至急お待ちします」

吉音「悠、お腹すいた」

悠「昨日茶菓子ありったけくったろ!!」

吉音「昨日は昨日で今日は今日だよ!」

悠「えぇーい、生意気なぁ……。っか、今は逢岡さんのが先だ。」

吉音「ぶーぶー!」

悠「すいません、騒がしくて。お待たせしました。」

想「いえいえ、劇として楽しんでますよ」

悠「喜劇ですけどね…」

吉音「じ~」

想「新さんもひとつ食べますか?」

吉音「たべっる~!」

悠「お前という奴は……」

想「ふふ。ところでもうすぐバレンタインですけど、小鳥遊君はなにかフェア的なものをするんですか?」

悠「いやー、むしろバレンタインで浮かれてるカップルにチョコをぶつけてやろうかと計画してます」

想「は、はい?」

悠「まぁ、それは半分冗談として……」

想「半分は本気なんですね……」

悠「おれはチョコが嫌いでして、やるとしてもバレンタインなのにチョコを出さない和菓子で勝負してやらぁな意気込みでいます」

想「そ、そうですか」

吉音「あたしはチョコ大好きだから。全然くれていいよ」

悠「普通さ、おれが貰う立場なんじゃねーの?」

吉音「欲しいの?」

悠「チョコは要らんけど……。他にも色々あるじゃん」

想「じゃあ、私はクッキーでも用意しましょうか」

悠「そんな、催促したみたいで気が引けますよ」

想「あら、私からのバレンタインは嫌ですか?」

悠「全然もらったら嬉しすぎて神棚に祀るかもしれません」

想「そ、そこまで……というか、食べていただいた方が嬉しいのですが」

悠「ですよねー」

吉音「想ちゃん、あたしはクッキーでもチョコでもいいからね!!」

悠「お前は色々間違ってるぞ」
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