ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
巨大賭場を主催し、借金を抱えた生徒をいいなりにさせていた越後屋を捕えた。翌朝すぐに、執行部からそんな発表があった。その立役者である徳河さんは、生徒たちから多くの賞賛を浴びた。朱金は歯ぎしりして悔しがっていたが、今回は泣き寝入りするしかない。ただ越後屋の方も、即座に多額の罰金を支払い、釈放された。いわば強くお灸据えられただけで、これからもまた経済活動を続けていくのだという。まぁ全体を見ると、概ね妥当なところに収まったってところだろう。事案が発生する前の学園と、そう大きく変わった訳じゃあない。
悠「騒ぐだけ騒いでパッと終わった、なんとなく花火みたいなものだったな。越後屋の支配下にあった生徒は、少しは状況が改善されただろうけど」
吉音「競走は楽しかったよ」
そういう吉音を見ると、自転車置き場の銀シャリ号はどことなく誇らしげに見える。実のところ、おれも観戦している間はかなり熱くなっていたんだけど。
はな「私は置いてきぼりです」
悠「いや、置いてったっていうか夜中だったし……いちおうドンパチの可能性があったわけだし」
はな「ドンパチがあっても私は平気です。」
悠「知ってるか?」
はな「知らないです」
悠「そういうギャグの返しができるようになってきたのは喜ばしい限りだが……店員はドンパチしなくていいの笑顔でお客様を迎えるのがお仕事です。」
はな「無敵看板娘は戦ってるです」
悠「びみょーに古いの放りこんできたな。まぁ、細かいことは置いといてだ……とりあえず、はなちゃんはいいんです」
はな「色々と納得できないです」
悠「納得できないことばかりが人生さ。」
はな「……」
悠「そんな目をしてもダメー」
はな「最近の悠さんは意地悪に度が増してきましたです」
悠「意地悪じゃなく、手腕が増してきたのさ」
はな「なんの手腕ですか」
悠「んーー、いい天気だにゃあーーーー!」
はな「誤魔化したです」
輝「やー新ちゃんに悠ちゃん。ずいぶんご活躍だったみたいじゃないさ!」
悠「ウオッドム……なんだ、輝か。いいところは全部徳河さんと長谷河さんに持って行かれたんだけどな。」
輝「いやいや、おいらはちゃんとわかってるよ。この目でバッチリとみたからねぇ。新ちゃんと銀シャリの勇姿をさ!」
吉音「あっ!これあたしと銀シャリ号!」
輝が差し出した瓦版。そこには吉音がバイクを振り切り、一着フィニッシュを決めた写真がデカデカと載せられていた。
悠「なんだよ輝、お前もあの場所にいたのか?」
輝「この輝さんが、賑やかで楽しそうな場所にいないわけがないじゃないのさ」
悠「なんとも説得力のあるお答え」
吉音「えへへへ。解決したのは詠美ちゃんだし、あたしはてるが撮ってくれたし、じゃあそれでいっかな♪」
お、吉音の機嫌は良くなったかな。朱金が見たらなんでオレは無いんだとまた怒りそうだけど。
輝「詠美さんはまぁ、ほっといても名声があがっていくからいいとして、新ちゃんはおいらがキッチリ宣伝してくるからね!」
吉音「わ~い!またやろうって言っといてね!」
輝「任せときなっ!おいらも楽しいことが増えるのは大歓迎さっ!」
こんな感じで吉音の認知度が高まれば、目安箱もより信用されるようになるだろう。これからも、少しでもみんなの役に立てるといいな。
天下泰平いざ目指し、設置したるは目安箱。市井の悩みを解決できて、まずは満足の悠達だった。
巨大賭場を主催し、借金を抱えた生徒をいいなりにさせていた越後屋を捕えた。翌朝すぐに、執行部からそんな発表があった。その立役者である徳河さんは、生徒たちから多くの賞賛を浴びた。朱金は歯ぎしりして悔しがっていたが、今回は泣き寝入りするしかない。ただ越後屋の方も、即座に多額の罰金を支払い、釈放された。いわば強くお灸据えられただけで、これからもまた経済活動を続けていくのだという。まぁ全体を見ると、概ね妥当なところに収まったってところだろう。事案が発生する前の学園と、そう大きく変わった訳じゃあない。
悠「騒ぐだけ騒いでパッと終わった、なんとなく花火みたいなものだったな。越後屋の支配下にあった生徒は、少しは状況が改善されただろうけど」
吉音「競走は楽しかったよ」
そういう吉音を見ると、自転車置き場の銀シャリ号はどことなく誇らしげに見える。実のところ、おれも観戦している間はかなり熱くなっていたんだけど。
はな「私は置いてきぼりです」
悠「いや、置いてったっていうか夜中だったし……いちおうドンパチの可能性があったわけだし」
はな「ドンパチがあっても私は平気です。」
悠「知ってるか?」
はな「知らないです」
悠「そういうギャグの返しができるようになってきたのは喜ばしい限りだが……店員はドンパチしなくていいの笑顔でお客様を迎えるのがお仕事です。」
はな「無敵看板娘は戦ってるです」
悠「びみょーに古いの放りこんできたな。まぁ、細かいことは置いといてだ……とりあえず、はなちゃんはいいんです」
はな「色々と納得できないです」
悠「納得できないことばかりが人生さ。」
はな「……」
悠「そんな目をしてもダメー」
はな「最近の悠さんは意地悪に度が増してきましたです」
悠「意地悪じゃなく、手腕が増してきたのさ」
はな「なんの手腕ですか」
悠「んーー、いい天気だにゃあーーーー!」
はな「誤魔化したです」
輝「やー新ちゃんに悠ちゃん。ずいぶんご活躍だったみたいじゃないさ!」
悠「ウオッドム……なんだ、輝か。いいところは全部徳河さんと長谷河さんに持って行かれたんだけどな。」
輝「いやいや、おいらはちゃんとわかってるよ。この目でバッチリとみたからねぇ。新ちゃんと銀シャリの勇姿をさ!」
吉音「あっ!これあたしと銀シャリ号!」
輝が差し出した瓦版。そこには吉音がバイクを振り切り、一着フィニッシュを決めた写真がデカデカと載せられていた。
悠「なんだよ輝、お前もあの場所にいたのか?」
輝「この輝さんが、賑やかで楽しそうな場所にいないわけがないじゃないのさ」
悠「なんとも説得力のあるお答え」
吉音「えへへへ。解決したのは詠美ちゃんだし、あたしはてるが撮ってくれたし、じゃあそれでいっかな♪」
お、吉音の機嫌は良くなったかな。朱金が見たらなんでオレは無いんだとまた怒りそうだけど。
輝「詠美さんはまぁ、ほっといても名声があがっていくからいいとして、新ちゃんはおいらがキッチリ宣伝してくるからね!」
吉音「わ~い!またやろうって言っといてね!」
輝「任せときなっ!おいらも楽しいことが増えるのは大歓迎さっ!」
こんな感じで吉音の認知度が高まれば、目安箱もより信用されるようになるだろう。これからも、少しでもみんなの役に立てるといいな。
天下泰平いざ目指し、設置したるは目安箱。市井の悩みを解決できて、まずは満足の悠達だった。