ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー校庭ー

朱金「何だよさっきから興味なさそうに。っつか何で下向いて……ははぁん、そういうことか。あーあーなるほどな」

悠「な、なんだよ」

朱金「お前も男だからな、うんうん、分かるぜ。こいつが気になるんだよな?」

ぺし!っと朱金が自分の胸を叩つ。まるで水面に波紋が広がっていくように、ソレがユラユラと揺れ動いた。

悠「うぐ……わかってるならはやくしまえよ」

朱金「へっへっへ、おっぱいが見てぇんだったら別にいいんだぜ?減るもんでもないしな」

悠「おっ!マジですかい!」

朱金「でもそれだけじゃ不公平だからな。お前のチ○コと交換だ」

悠「……あー?」

朱金「ほれ、おっぱいが見たいのならチ○コを見せてみなさい。ほれほれほれ!」

悠「あっ、ちょやめろや!触るなって、おい!」

朱金「いいじゃねぇかよ減るもんでもなし!」

悠「そういう問題じゃねーっての!オッサンか!そういうのはおれがやる側なんだよ!」

朱金「うおっとと」

思わず振り払って逃げてしまった。くそう……四季のセクハラマスターのおれがセクハラされるなんて……。

悠「おぼえてろー!」

いつの間にか暴れていた博徒や越後屋の手下はいなくなり、今度こそ本当に静けさが訪れていた。残ったメンバーは黙々とグラウンドの特設コースや、投票所の撤去作業を始めていた。

朱金「祭りの後ってのは寂しいもんだなぁ」

想「賭場でなければ、こんなレースを開催するのも悪くないのかもしれません。サーキットなど、安全面には配慮が必要でしょうが」

悠「そしてまたアイツが馬で出て勝ってしまうんですかね」

朱金「へへっ、それもまた面白ぇじゃねぇか」

吉音「あっ、なになに?楽しいこと?」

向こうから吉音が、銀シャリ号の手綱を引いてやってくる。そうだ、今回は銀シャリ号もお疲れ様だな。

左近「いやはや、本当に皆さんご苦労様でしたねぇ」

悠「左近……。」

朱金「てめぇ……。」

悠「朱金。」

左近「随分とご立腹ですねぇ……。アレ以上けが人も増えなかったしよかったじゃないですか」

悠「そうだな」

朱金「おい、悠!」

悠「言いたくは無いが……礼をいう。」

左近「おや?」

悠「あのままだと、佐東さんに斬られてたのは事実だった。」

左近「タイミングが良かっただけですが……。お礼を言われるなら甘んじて受け取りますよ」

悠「この前の件と今回の件で痛み分け……そうとらせてもらっていいな?」

左近「ははっ、では、そうしておきましょう。小鳥遊さん、改めましてご苦労様です。」

悠「どうも。」

左近「でも、忘れないでください。私は長い物に巻かれますからねぇ……。すぐにまた試合を挑ませてもらいますよ」

悠「……あぁ。よくわかった。肝に銘じとくが……しばらくは来ないでくれ。今月は赤字気味だ」

左近「あっはっはっは。わかりました。お客として行きますよ。それでは、おやすみなさい」

悠「……」

……とそんな感じで、巨大賭場に絡む一連の騒動は、終幕を迎えたのだった。
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