ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「……」

左近「はは、いやぁ……流石ですね。さっきまでとはまるで気迫が違う。」

悠「……あのな、その鉄の塊りを目のまえで構えられたら否応なしに気合入れて警戒するっーの」

左近「一応聞きますが、素手でよろしいんですかい?」

悠「抜くときは抜かせてもらうよ」

左近「じゃ……そういうことで、いきますよぉ!!」

ブォンっ!!

悠「ぬぉっ?!」

ブッ…オンッ!ビュッ……ブォン!!

左近「おっ……らぁ!!」

ゴッ……ドゴッンン!!

悠「っ……(地面抉れてるし)」

吉音「悠、がんばれー!」

悠「がんばれれないよっ!!」

左近「避けますねぇ」

悠「避けなきゃ、そんなもん直撃ったら死ぬわ!!」

左近「大丈夫ですよ。まだ、死人は出したことありませんし。私も殺しなんて事は嫌ですからねぇ」

悠「笑えねーよ」

左近「それはそうですよ。決闘なんですから……冗談で済ますかよ」

悠「アンタ……中は相当黒いな」

左近「人間、真っ白なんて人ぁ居ませんぜ?」

悠「そりゃ……そうだな。(全長200㎝の刃渡り150㎝って所だな、重さは不明……。あの馬鹿デカイのを手で受け止めるのは至難の業だな、両手で受け止めても両方持ってかれそうだし……。しかたない……抜いてみるか。)」

ズズッ……チャキ

左近「お……その構えは、居合ですかぃ?」

悠「あんまり、得意じゃないんだがな。やってやるよ……未来永劫斬を」

左近「……魂魄家の方でしたかい?」

悠「冗談だ」

左近「ハハッ、余裕ですねぇ」

悠「いくぞ、直線一刀……電光石火。」

左近「……」

悠「……」

左近「……」

悠「ハッ!!」

左近「むっ!」

…………斬!!
電光とは速無き心なり、石火とは遡る情念なり

パキンっ!
悠「ぐっ……折れた!?」

左近「いやぁ……今のスピードは驚きましたよ。普通の刀だったら防げても吹っ飛ばされてたかもしれませんねぇ。」

悠「くっ……」

左近「さぁて……刀は折れました。そろそろ、真面目にやってもらえますかねぇ。」

ブォンっ!
悠「っ…」

左近「まぁ、別に」

ギャリッ!!
悠「くっ…」

左近「アナタが本当に」

ドゴッ!!
悠「ひっ…!」

左近「この程度の実力というのなら」

チャキっ…
悠「はぁはぁ…」

左近「いっそ本当に腕の一本でも折って済ませた方がいいかもですねぇ……。」

悠「……どう見ても一方的にやられてるんだか、もう決着じゃダメかな」

左近「いやぁ……ダメですよぉ!」

ビュッ…!

悠「すぅ……ていっ!」

ドッ!

左近「おっと……ほほぉー、振り下ろす刃の横っぱらを殴って弾くとはねぇ…。痛くないんですかぃ?」

悠「痛いに決まってんだろ…。」
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