ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

左近「こんにちは」

悠「わーお……」

左近「おや、どうかしましたかい?」

悠「いや、まさか、真昼間でまん前から喧嘩売りに来るとは思わなくて」

左近「喧嘩?誰が?」

悠「あれ……?」

左近「はい?」

悠「えーと……寅から、なんかアンタがおれに決闘を申し込むとかいってるって話し聞いたんだけど……間違いだっのか?」

左近「あはは」

悠「あはは」

左近「はい、そうですよ。なので今日はちゃんと果し状を持参してきてます」

悠「おーぅ……」

吉音「なになに!けっとーするの!!あの一、二、三でパーン!みたいなの?」

悠「それ、最悪二人とも死ぬ決闘だからな」

左近「普通に殴り合いですよ」

悠「普通に殴り合うのも嫌なんだけど」

左近「もちろん、私は刀使いますけどねぇ」

悠「ちなみに断る事はできるのかな」

左近「その場合はここを営業停止にするとかって手間のかかることをしなきゃあなりやせね」

吉音「ええぇ?!そ、そんなの困るよ!!」

悠「困るし、なんでそんな事をされなきゃならん」

左近「私もできればこーいうことは、したくないんですよ?どちらかというと事務仕事と頭脳労働派なんでねぇ…」

悠「おれもどちらかというと頭脳労働派だよ。頭悪いけどな」

左近「っということで……私の気持ちと気苦労を思って素直に決闘してくれやせんかねぇ。その場合、ちゃんと手続き踏んでるんで暴れても音沙汰はないんですよ」

悠「……なんで、そこまで手際よく下準備して喧嘩しなきゃならない?」

左近「それはいえません。」

悠「なに?」

左近「まぁ、いわゆる圧力的なやつですよ」

吉音「なにそれ、全然わからないよっ!」

悠「なるほどな。おおよその事情は汲み取った」

吉音「そなのっ?!」

はな「新さん、ちょっとこっちにきてましょうです」

吉音「え、え?どして?」

はな「お邪魔になりますからこっちでお菓子食べながら見てましょうです。」

吉音「お菓子!食べる食べる」

左近「あっはっは、面白い人ですねぇ」

悠「コホン……だけど、それでもわざわざ喧嘩を買ってやる気にはなれないんだが」

左近「喧嘩じゃなく決闘ですよ。…………どうしても?」

悠「どうしても……って、いいたいが、店に手を出されるのは困るしなぁ。」

左近「すいませんねぇ。適当にしてくれたらいいですから」

悠「それってわざと負けていいって事か?」

左近「腕の一本か足の一本でもへし折れば満足してくれると思うんで全然わざと負けてくれていいですよ」

悠「……アンタ、無茶苦茶っていわれないか?」

左近「はは、いわれませんよ。でも、決闘ですからね。私が倒れるか、アナタが倒れるかが勝敗です。」

悠「…………アンタは本気で悪い奴つて感じはしないが、そういうことなら仕方ないか。少し痛い目にあって貰うぜ」

ジャリッ…

左近「そういわれると嬉しいですよ。胸をお借りして……いきますよっ!」
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