ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「ふー……とりあえず準備はできた」

はな「久しぶりですね。お客さんがここは潰れたと勘違いしてないといいですけど」

悠「それ、わりとわらえないですぜい?」

吉音「ゆっうーー!」

悠「ぐほっ!」

吉音「あけましておめでとー今年も仲良くしてねー!!」

悠「新年一発目で突撃喰らわすな!!」

吉音「あはは~!」

悠「ったく、なんで皆、ひとの背中に飛び付きたがるんだ」

吉音「悠の背中ってなんかちょうど良いんだよね」

悠「なにが?!」

吉音「なにかが」

悠「会話にならないやっちゃなぁ……。」

吉音「えへへ~」

悠「なにすり寄って来てんだよ」

吉音「ん~、久しぶりだから」

はな「こほん!」

悠「あー、えと、休みのあいだ、何か変わったことあったか?」

吉音「特になかったよ。」

悠「そうか。」

吉音「あ、でも……」

はな「でも?」

吉音「えーと、なんだっけ」

悠「知らんがな」

吉音「あ、御伽ヶ島ウコンってひとが来てたよ」

悠「左近だな。左近が来てたのか?」

吉音「うん。悠に会いに来たけど居ないからまた出直すっていってたよ」

悠「ふーん……?なんで左近が」

吉音「わかんない。でも、想ちゃんがあの人は気をつけた方がいっていってたよ」

悠「逢岡さんが?ますますよく分からんな……」

吉音「ねー」

悠「……他になんかいってたか?」

吉音「ううん。」

悠「ほむ……いや、ふむ。」

寅「よう」

悠「寅……ナイスタイミング」

寅「あん?」

悠「左近ってどんな男なんだ?」

寅「どんなって……腕より頭が切れるってタイプだ。けど、それは表だけで腕っ節もたいした方って噂がある。身の丈以上のドでかい剣を持ってるくらいだし。」

悠「何回か見たことある。あのバスターソード並の斬馬刀な。」

寅「それ以外はあんまりしらねーな。ツレってもちぃーっと話すだけだし、俺よりあいつはエリートで計算高い。」

悠「でも、ちょくちょく一緒に居るじゃん」

寅「家が近いんだよ。あっちは屋敷、こつちは長屋だけどな」

悠「話しを聞けば聞くほど分からなくなるな。なんでそんな男が此処に来てたのか」

寅「単純にお前に挑みに来たんじゃないのか?」

悠「まさか……っか、そういうタイプじゃないんだろ?」

寅「単純にどっちが強いかを比べたがりたい奴じゃないが……何らかの利益になるっていうなら分かんないぞ」

悠「おいおい…」

寅「しかし、お前と左近か……ちょっと興味あるカードだな」

悠「やめてくれ」
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