ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

吉音「むむむっ!」

想「あら、徳田さん。どうしたんですか?」

吉音「想ちゃん。ちょっとこれ見てよ」

想「はい?」

【新年の営業は3日以降とさせていただきます。『お腹すいた』以外で緊急の場合は、下記の番号までご連絡ください。×××‐××××‐××××。店主:小鳥遊悠】

吉音「なんでかこんな張り紙してあるんだよ!」

想「あ、あはは。徳田さんの動きを先読みしていますね」

吉音「ぶー!普通にお話ししたくても電話出てくれないのに!!」

想「そうなんですか?」

吉音「悠ってばメールも電話も全然返事くれないんだよ!」

想「あまり好きではないのかもしれませんね」

吉音「え……わ、わたしが?お団子五十本たべるから?」

想「あ、いえ、そうでは無くて……携帯電話がですよ。」

吉音「あ、そっちか」

想「小鳥遊君はそう簡単に人を嫌いになるような方じゃないですよ」

吉音「だよね!」

想「ですが、食べ過ぎて小鳥遊君を困らせるのもダメですよ?」

吉音「うーん、食べ過ぎてないんだけどなー。」

想「あ、そ、そうですか……。」

左近「はっはっは」

吉音「およ?」

想「アナタは……」

吉音「桜島ウコン!!」

左近「御伽ヶ島左近です」

吉音「ありゃ、ちょっとちがった」

左近「今までこんな大きなちょっとは初めてですよ」

想「御伽ヶ島さん、どうしたんですか?」

左近「これはどうも、逢岡奉行様。」

想「アナタも奉行でしょう。同僚同士で様付けはやめてください」

左近「はっはっは、失礼しました。いえね、小鳥遊さんに挨拶に来たんですが……どうやら、まだお休み中のようですね」

吉音「悠に何か用なの?」

左近「いえいえ、ただの挨拶ですよ。」

想「……」

左近「おや、私の顔に何かついていますか?」

想「いえ、気になるのは……背中の物です」

左近「はい?せなか?」

想「アナタの剣は使用制限が下されているはずですが……なぜ、その斬馬刀を所持しているのです?」

左近「逢岡殿、間違っていますよ?私の剣魂は使用制限されていますが佩刀は別に制限がありません。まぁ、頭脳労働専門なんで使いもしないですけどね。肉体労働は朱金殿にお任せしますよ」

想「あの人はただ暴れたいだけな気もしますけど」

左近「そうですかねぇ。あっはっは。では、失礼しますよ」

想「……」

吉音「ねえねぇ、想ちゃん、あのひとって強いの?」

想「決して表で動くタイプの方ではありませんし、どちらかといえば本人がいっていた通り頭脳派な方ですが……彼は唯一この学園であの大きな斬馬刀を佩刀にしています。決して、油断できないですよ」

吉音「ふぅん?なにしに来たんだろうね」

想「分かりませんけど……徳田さんもあの人にはくれぐれも注意して置いてください」
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