ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「あー……久々に働くとつかれる。」

寅「年末だな。」

悠「だなー。」

寅「明日は店開くのか?」

悠「んー……午前中だけなら開いてもいいかな」

寅「そうか……。」

悠「なんだ、来るのか?」

寅「どうしようかな……。俺としては茶飲むより」

悠「あー?」

寅「お前と喧嘩したい」

悠「……」

寅「……」

悠「待て待て。思わず聞きいったけど……おれは病み上がり。……っか、全然負傷中だぞ」

寅「そこは運が悪かった。まさか、あそこまで喰い下がるとは……」

悠「喰い下がるって……」

寅「ふー……」

吉音「なになに何食べる話し?」

悠「そういう喰うじゃねーよ」

寅「まだ居たのか」

吉音「居たよ~今日は想ちゃんとご飯行くから。ここで待ち合わせっ!」

悠「へぇ、そうなんだ。」

寅「……」

想「こんばんは。」

吉音「想ちゃん!」

想「小鳥遊君、お店再開したんですね」

悠「はい、まぁ、新に店任せたらそれこそ店潰されますから」

吉音「ぶ~!どういう意味!」

寅「そのまんまの意味だろ」

吉音「なにを~!!」

想「あはは……えと、元日はどうされるんです?」

悠「気分次第っすね……。っか、元旦って船でるんスか?」

想「朝に一度だけですね。それからは三が日は貨物船しか出ません。なので、元旦にいらっしゃったらお帰りになる場合は四日になりますね。」

悠「そうか……この寒さで泳いで帰るのはキツイしな」

寅「寒く無かったら泳いで帰れる距離なのか……お前にとっては……。」

悠「んー……どうかな、おれ水に浮かないしギリギリかな。ただ潜水は得意だ。」

寅「……」

悠「あれ、もしかして……寅ちゃん。泳げない?」

寅「……得意ではない」

悠「意外だ。」

寅「ほっとけ!!」

吉音「とらくん、泳げないの?」

寅「少しひとよりおぼつかないだけだ。」

悠「猫だから水が苦手なのか……」

寅「誰が猫だ!」

悠「足湯から挑戦してみろよ」

寅「ふんっ!」

ヂャ!
悠「あぶっ……かすった!!いま、かすったぞ!!」

寅「安心しろ。次は顔潰してやるから」

じりじり…

悠「何の安心だよ……恐怖しかねーよ」

じりじり…

吉音「どっちもがんばれー!」

悠「助けろよ!!用心棒だろ!!」

吉音「三日分払ってもらってないもんっ!!」

悠「そういう事はきっちり覚えてやがるのな」

寅「覚悟はいいか……?」

悠「……三十六計逃げる!」

寅「待てコラああぁ!!」

吉音「悠たち元気だね~」

想「あはは、はぁ……大丈夫でしょうか…」
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