ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

黒装束A「ぐああぁぁ!」

吉音「へへーん。遅い遅い!」

悠「ったく、暫くでてこないと思ってたら団体さんでお出ましですかっての……」

寅「っで、お前は高見の見物かよ。」

悠「お寅さんだってそうじゃないですか」

寅「俺はこの店が襲撃されようと、お前が闇討ちされようと関係ない。ってか、お寅さん言うんじゃねぇ」

吉音「とぉーりゃー!」

のんきな掛け声とは裏腹に黒装束はバタバタと切り倒されていく。

黒装束B「ぐはっ!」

黒装束C「やら……れた…ガクッ」

悠「ほら、おれの出番なんか無いし。」

寅「ふん。」

黒装束D「もらったぁ!!」

悠「うおっ!」

ドンッ!
寅「人が茶飲んでんのに目のまえで騒ぐな」

黒装束D「ぐはっ……」

悠「やーん、寅ちゃんカッコいい」

寅「……」

ビュッ!
悠「危っ!!」

吉音「悠~終わったよ~。」

悠「おー、ご苦労さん。しかし、あの黒いののいい所をひとつ見つけた。」

寅「なんだ?」

悠「片づけしなくても勝手に倒れたのも引きずってってってくれる。」

寅「なるほどな。……「って」が多かったぞ」

吉音「あ~!寅君もうおやつ食べてる!!」

寅「俺は客だ。」

悠「寅ちゃんは怒るのに寅君は怒らないんだな」

寅「気に入らないが……この女になにいっても理解できないだろ。」

悠「あ、そういう諦め的な解釈か」

吉音「ぶー!あたしそんなバカじゃないよ!!」

寅「……」

悠「……」

吉音「はにゃ?」

寅「なんかいってやれよ」

悠「いや……何をどういったら正解か本当に分からないから」

吉音「ねぇねぇ、なんの話し?」

悠「たいした話しじゃない」

吉音「じゃあ、いいや」

寅「生粋だな」

悠「まぁ、可愛いもんだろ」

吉音「悠~お~な~か~す~い~た~!」

悠「はいはい。団子どうぞ」

吉音「やった!」

寅「……」

悠「なんだ?」

寅「いや、今さらなんだが……なんで、俺はお前に負けたんだろうな。」

悠「あー?」

寅「さっきから、何度も隙を見てて、どのタイミングでもワンパンチで沈めれるのに……。」

悠「団子食いながら何ひとをぶん殴るシュミレート行ってるの?!」

風太郎「それなら俺もだよ!」

悠「うおっ?!」

吉音「うーふぁほうふぁんだ」

悠「口に物を入れたまま喋るなっていつもいってるだろ。ちなみに今のは風太郎君だといってる」

寅「よく理解できるな」

風太郎「俺なんか絶対殺したと思ったのに倒れやがらなかったし」

悠「やっぱりあの時は本気で殺す気だったのか……」

風太郎「うん」

悠「「うん」じゃねーよ!」

雷太郎「風、なにしてる」

風太郎「あ、雷、ごめんちょっと寄り道。いこいこ。」

悠「しかも客じゃねーのかよ!!」

寅「……」
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