ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】
ー大江戸学園:日本橋ー
由真「それくらいで、なにが正義の味方よ。本当に正義の味方だったら、お金に困ってる人が、借金をする前に助けてあげなさいよ。猫目みたいに」
そういえば盗んだ金を貧しい町人たちに分け与えたりしてるんだっけ。
悠「猫目……か。自分が正義の味方なんて思っちゃいないけど、あんま猫目を持ちあげるのはどうかと思うぞ」
由真「どういうことよ」
悠「だって、所詮あいつらは泥棒何だぞ?金を分け与えてるとはいっても、結局は盗んだ金なんだし」
由真「良いじゃない。腐った役人とか商人が溜めこんだ汚いお金なんだから。むしろ、必要としている人間がしっかり使って経済をまわした方が世の中の為だわ」
悠「確かにそういう考え方もあるけど、泥棒は泥棒だろ。」
由真「泥棒じゃなくて義賊よ」
悠「おいおい。なんでそんなムキになってるんだよ?」
由真「……別に」
悠「おい?」
由真は急にそっけなく言い捨てると、足早になって先に歩いて行ってしまう。なんなんだよ、あの態度?
唯「ねぇ悠さん、今夜って少し時間ある?」
悠「あー?今夜って店が終わってから?」
唯「うん」
悠「今夜でなくてもいつでも暇だけどどした?」
唯「今日ね、結花姉が新しいメニューに挑戦するとかいってたから、試食にこない?」
悠「試食か……じゃあ、新も連れてお邪魔させてもらうよ」
唯「うん、待ってるから」
由真「ちょっと、置いてくわよ?」
おれと唯ちゃんは、いつのまにか足を止めて喋っていたらしい。ずいぶん先に行ってしまった由真が、不満そうに此方をふり返っている。
唯「もう、由真姉ってばせっかちなんだから。じゃっ、これ以上由真姉を怒らせても面倒だから、いこっか?」
悠「ああ、そうだな」
おれと唯ちゃんはそんなふうに言いあっては笑いながら、由真の後を追いかけるのだった。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「おっと、あれは……」
伊都「ふんふんふ~~ん♪」
黒い日傘にド派手ないでたち……遠くからでもひと目でわかる、大神伊都だ。
悠「障らぬ神に、たたりなしってね、くわばらくわばら……」
こないだのこともあるし、かかわりあいになると、いろいろ面倒だ。おれは看板の陰に身をひそめて、彼女が通りすぎるのをまった。
伊都「るんるんるん、ららら~~♪」
そうして伊都は、くるくると日傘をまわしながら、上機嫌で立ち去った。
悠「ふぅ、やれやれだぜ……」
ぴょこっ!
伊都「なにが、やれやれですの?」
悠「いやぁ、今ね、とてつもない災難が……って、うおおおっ?!」
振り向くと、いつの間にか至近距離に大神嬢が立っていて、おれは思わず肝をつぶした。
伊都「ふぅ、あまりいお天気だから、のどが渇きましたわ。ねぇ、ダイちゃん。」
ダイゴロー『チャン』
そういうと大神嬢は、縁台にドカリと腰を降ろしてしまった。やれやれ……まぁ、客は客か。
由真「それくらいで、なにが正義の味方よ。本当に正義の味方だったら、お金に困ってる人が、借金をする前に助けてあげなさいよ。猫目みたいに」
そういえば盗んだ金を貧しい町人たちに分け与えたりしてるんだっけ。
悠「猫目……か。自分が正義の味方なんて思っちゃいないけど、あんま猫目を持ちあげるのはどうかと思うぞ」
由真「どういうことよ」
悠「だって、所詮あいつらは泥棒何だぞ?金を分け与えてるとはいっても、結局は盗んだ金なんだし」
由真「良いじゃない。腐った役人とか商人が溜めこんだ汚いお金なんだから。むしろ、必要としている人間がしっかり使って経済をまわした方が世の中の為だわ」
悠「確かにそういう考え方もあるけど、泥棒は泥棒だろ。」
由真「泥棒じゃなくて義賊よ」
悠「おいおい。なんでそんなムキになってるんだよ?」
由真「……別に」
悠「おい?」
由真は急にそっけなく言い捨てると、足早になって先に歩いて行ってしまう。なんなんだよ、あの態度?
唯「ねぇ悠さん、今夜って少し時間ある?」
悠「あー?今夜って店が終わってから?」
唯「うん」
悠「今夜でなくてもいつでも暇だけどどした?」
唯「今日ね、結花姉が新しいメニューに挑戦するとかいってたから、試食にこない?」
悠「試食か……じゃあ、新も連れてお邪魔させてもらうよ」
唯「うん、待ってるから」
由真「ちょっと、置いてくわよ?」
おれと唯ちゃんは、いつのまにか足を止めて喋っていたらしい。ずいぶん先に行ってしまった由真が、不満そうに此方をふり返っている。
唯「もう、由真姉ってばせっかちなんだから。じゃっ、これ以上由真姉を怒らせても面倒だから、いこっか?」
悠「ああ、そうだな」
おれと唯ちゃんはそんなふうに言いあっては笑いながら、由真の後を追いかけるのだった。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「おっと、あれは……」
伊都「ふんふんふ~~ん♪」
黒い日傘にド派手ないでたち……遠くからでもひと目でわかる、大神伊都だ。
悠「障らぬ神に、たたりなしってね、くわばらくわばら……」
こないだのこともあるし、かかわりあいになると、いろいろ面倒だ。おれは看板の陰に身をひそめて、彼女が通りすぎるのをまった。
伊都「るんるんるん、ららら~~♪」
そうして伊都は、くるくると日傘をまわしながら、上機嫌で立ち去った。
悠「ふぅ、やれやれだぜ……」
ぴょこっ!
伊都「なにが、やれやれですの?」
悠「いやぁ、今ね、とてつもない災難が……って、うおおおっ?!」
振り向くと、いつの間にか至近距離に大神嬢が立っていて、おれは思わず肝をつぶした。
伊都「ふぅ、あまりいお天気だから、のどが渇きましたわ。ねぇ、ダイちゃん。」
ダイゴロー『チャン』
そういうと大神嬢は、縁台にドカリと腰を降ろしてしまった。やれやれ……まぁ、客は客か。