ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
チンピラD「悪いなとおせんぼだ」
チンピラE「大人しくしてたら、痛い目だけで済ませてやるぜ?」
悠「勝手なこといってくれるなぁ……」
頭をポリポリとかいて、辺りを見回す。だが、やっぱり吉音の姿はどこにもない……。
となると……頼れるのは自分の五体だけか……。
悠「……ん?」
笠を被った少女「……」
吉音はいなかったが、同じような年頃の少女が目の端に止まった。もっとも類似点は年齢と、あと帯刀してることくらいで、あとは恰好から雰囲気まで大きく違っている。……いや、もうひとつだけ、共通してそうなことがある。
悠「おーい、そこの君っ!」
笠を被った少女「……?」
悠「悪いけど助けてくれないかな。」
もうひとつの共通点とは、腕が立ちそうな気配、それだった。
笠を被った少女「……」
悠「急なことで悪い。闘えとかはいわないから、同心呼んできてくれ。」
笠を被った少女「……」
悠「それが無理なら、このことを知らせてくれ。誰でもいいから。」
笠を被った少女「……自分には関係ないことですから」
悠「えっ?」
笠を被った少女「では……」
悠「えぇ、ぇぇ……ちょっ、待ってくれ」
笠を被った少女「……まだ、何か?」
悠「い、いや、その……手助けするのが当然とは、もちろん思ってないが……この状況で見捨てられるのは、少し、ちょっとだけ、割と、それなりに、切ない……んだけど」
笠を被った少女「……そうですか」
おれの言葉や有様は、笠を被った少女になんの感慨も与えなかった。未練のかけらも残さず、綺麗に踵を返した。
チンピラB「残念だったな、助けは無しだ」
チンピラC「ま、余計なことされたら、いっしょにボコるだけだったけどねぇー」
悠「……本当に、いい性格してるなお前ら。」
チンピラB「威勢がいいのはそこまでだ。……おい、やっちまえ」
チンピラC「ヒャッハー!」
悠「当たるかっーの」
チンピラA「逃がすかよ!!」
悠「むっ……野郎の羽交い絞めとはまるで嬉しくないな」
チンピラC「いただきぃ!!」
悠「(しゃーない、闘るか)」
???【クケェッ!】
チンピラA「うわっ!な、なんだこのカラス……痛っ!痛ぇ!!」
悠「何か知らんが……チャンス!」
チンピラC「ば、馬鹿、離すんじゃねーよ!」
チンピラA「うがあぁぁ!!」
チンピラC「貴様、よくもやりやがったな」
悠「勝手に突っ込んできたのはそっちだろ。」
おれを助けてくれたのは、大食い用心棒でも笠を被った謎の少女でも無く、一羽のカラスだった。この辺りでカラスなんてほとんど見かけないのにどっから来たんだ? そもそも、何で、その……おれを助けるみたいなことを?偶然なのか?
チンピラC「くそう、焼き鳥にしてやる!」
悠「お前らの敵はおれだろ。よそ見してんじゃねーよっ!!」
なんにしても、ピンチを助けてくれた恩義はある。借りは作っても貸しは作らない主義だ。
チンピラC「こっちの五月蠅い奴を仕留めてからだ……っと、捕まえたぜ、へへへ!」
カラス『グアァ!グアアァ!』
???「なるほど、解りました。」
チンピラC「へ?今だれかなんか……ぐはあぁっ?!」
悠「あー?」
笠を被った少女「……ならば、実力行使で」
カラス『クケクケェー!』
悠「アンタは……さっきの」
笠を被った少女「どうも。」
チンピラD「悪いなとおせんぼだ」
チンピラE「大人しくしてたら、痛い目だけで済ませてやるぜ?」
悠「勝手なこといってくれるなぁ……」
頭をポリポリとかいて、辺りを見回す。だが、やっぱり吉音の姿はどこにもない……。
となると……頼れるのは自分の五体だけか……。
悠「……ん?」
笠を被った少女「……」
吉音はいなかったが、同じような年頃の少女が目の端に止まった。もっとも類似点は年齢と、あと帯刀してることくらいで、あとは恰好から雰囲気まで大きく違っている。……いや、もうひとつだけ、共通してそうなことがある。
悠「おーい、そこの君っ!」
笠を被った少女「……?」
悠「悪いけど助けてくれないかな。」
もうひとつの共通点とは、腕が立ちそうな気配、それだった。
笠を被った少女「……」
悠「急なことで悪い。闘えとかはいわないから、同心呼んできてくれ。」
笠を被った少女「……」
悠「それが無理なら、このことを知らせてくれ。誰でもいいから。」
笠を被った少女「……自分には関係ないことですから」
悠「えっ?」
笠を被った少女「では……」
悠「えぇ、ぇぇ……ちょっ、待ってくれ」
笠を被った少女「……まだ、何か?」
悠「い、いや、その……手助けするのが当然とは、もちろん思ってないが……この状況で見捨てられるのは、少し、ちょっとだけ、割と、それなりに、切ない……んだけど」
笠を被った少女「……そうですか」
おれの言葉や有様は、笠を被った少女になんの感慨も与えなかった。未練のかけらも残さず、綺麗に踵を返した。
チンピラB「残念だったな、助けは無しだ」
チンピラC「ま、余計なことされたら、いっしょにボコるだけだったけどねぇー」
悠「……本当に、いい性格してるなお前ら。」
チンピラB「威勢がいいのはそこまでだ。……おい、やっちまえ」
チンピラC「ヒャッハー!」
悠「当たるかっーの」
チンピラA「逃がすかよ!!」
悠「むっ……野郎の羽交い絞めとはまるで嬉しくないな」
チンピラC「いただきぃ!!」
悠「(しゃーない、闘るか)」
???【クケェッ!】
チンピラA「うわっ!な、なんだこのカラス……痛っ!痛ぇ!!」
悠「何か知らんが……チャンス!」
チンピラC「ば、馬鹿、離すんじゃねーよ!」
チンピラA「うがあぁぁ!!」
チンピラC「貴様、よくもやりやがったな」
悠「勝手に突っ込んできたのはそっちだろ。」
おれを助けてくれたのは、大食い用心棒でも笠を被った謎の少女でも無く、一羽のカラスだった。この辺りでカラスなんてほとんど見かけないのにどっから来たんだ? そもそも、何で、その……おれを助けるみたいなことを?偶然なのか?
チンピラC「くそう、焼き鳥にしてやる!」
悠「お前らの敵はおれだろ。よそ見してんじゃねーよっ!!」
なんにしても、ピンチを助けてくれた恩義はある。借りは作っても貸しは作らない主義だ。
チンピラC「こっちの五月蠅い奴を仕留めてからだ……っと、捕まえたぜ、へへへ!」
カラス『グアァ!グアアァ!』
???「なるほど、解りました。」
チンピラC「へ?今だれかなんか……ぐはあぁっ?!」
悠「あー?」
笠を被った少女「……ならば、実力行使で」
カラス『クケクケェー!』
悠「アンタは……さっきの」
笠を被った少女「どうも。」