ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】
ー大江戸学園:商店街ー
平良「お前こそどうしたんだ。茶屋の店主だといっていたが店はいいのか?」
悠「それが湯飲みが減ってしまったんでね、ついでに皿も合わせて買いたそうと思って。」
平良「なんだ……盗みにでも入られたのか?」
悠「あー……いえ、新の奴がなにかと手伝いをしたがって、そのたび……」
詠美「相変わらずね」
……やっぱり、相変わらずなのか。
詠美「彼女が迷惑をかけているのを知ってしまったら、見過ごしておくわけにはいかないわね。私の家には使われて無い物がたくさんある。そこからお望みの分だけさしあげるわ。」
悠「えっ……徳河さんの家に?」
徳河さんは次期将軍とかいわれてるひとだろ?おれがそんなところにいっていいのだろうか?
平良「気にするな。徳河と言っても詠美は詠美でしかないからな」
詠美「どうしてあなたが言うのかはわからないけど……そういうことよ。だいたい貴方は吉音さんを雇ってる身でしょう。いまさら気後れする必要無いわ。」
悠「まぁ……あいつは新と呼んで欲しいようですけど。」
詠美「……そうだったわね」
新が徳河とかいわれても、詠美さんとは180度違う感じだし、実感なんて全然わかない。それでも、徳河さんの様子を見る限り本当の事なんだろうな。
悠「じゃあお願いしてしまってもいいですか?正直なところ節約できるならしておきたいので」
詠美「ええ、こちらからいいだしたことだもの」
悠「あのデート……もとい、二人での散策はもういいんすか?」
平良「構わないさ。多少なりとも人助けができるのなら。な?」
詠美「私にできる事があるならする。それだけよ」
ふたりに連れてこられたのは、当然のように山の手の武家屋敷街だった。普通通学で通る道だったり、裏手の長屋は賑やかで雑多な感じだけど、こっちはまんま高級住宅街だ。
実家の家柄とか、入学するときに積んだお金とか……そんなのでランクが決まるという噂。それがどうとかはよくわからないけど、少なくとも徳河さんは相応しい威厳を持っている、気がする。
詠美「ここよ、どうぞ入って。」
悠「う、うっす。」
ー詠美の屋敷ー
詠美「ではここで待っていてもらえる?いくつか見繕ってきてもらうから」
おれと長谷河さんを残し、徳河さんはいってしまった。徳河さんの家もご多分に漏れず、ものすごいお屋敷だ。小鳥遊堂だったら三十個くらいは入りそうだな。
悠「この屋敷って、何人くらいひとが住んでるんスか?」
平良「本来の住人は詠美ひとりさ、。他のみんなは住み込みの使用人みたいな形だな」
悠「使用人て生徒じゃなくて?」
平良「いいや、みんな同じ生徒さ。そのために実家から着いてきたり、この学園で雇われたりいろいろだな」
悠「生徒が生徒の使用人なんて、まるで漫画だな」
平良「十万人もいる学園だ。徳河家というだけで、体面上それくらいは必要なんだとさ」
なるほど、上に立つ人にはそれなりの苦労もあるってことなんだな。それから暫くして……。
詠美「遅くなってしまったわね。ごめんなさい」
悠「いえいえ」
戻ってきた徳河さんの手には立派な感じの木箱が。ここまで来るともう、出てくるもの全てが雲のうえの高級品に思えて来た。
詠美「このくらいの数で良かったかしら。もしもっと必要になりそうなら、お店に送らせるのだけど。」
開かれたその中には、湯飲みや茶わん、平皿などひとそろいが五人分ほど、まとめて収められていた。この数だけだとやや心ともないが、店に残ってるのと合わせれば十分だろう。
平良「お前こそどうしたんだ。茶屋の店主だといっていたが店はいいのか?」
悠「それが湯飲みが減ってしまったんでね、ついでに皿も合わせて買いたそうと思って。」
平良「なんだ……盗みにでも入られたのか?」
悠「あー……いえ、新の奴がなにかと手伝いをしたがって、そのたび……」
詠美「相変わらずね」
……やっぱり、相変わらずなのか。
詠美「彼女が迷惑をかけているのを知ってしまったら、見過ごしておくわけにはいかないわね。私の家には使われて無い物がたくさんある。そこからお望みの分だけさしあげるわ。」
悠「えっ……徳河さんの家に?」
徳河さんは次期将軍とかいわれてるひとだろ?おれがそんなところにいっていいのだろうか?
平良「気にするな。徳河と言っても詠美は詠美でしかないからな」
詠美「どうしてあなたが言うのかはわからないけど……そういうことよ。だいたい貴方は吉音さんを雇ってる身でしょう。いまさら気後れする必要無いわ。」
悠「まぁ……あいつは新と呼んで欲しいようですけど。」
詠美「……そうだったわね」
新が徳河とかいわれても、詠美さんとは180度違う感じだし、実感なんて全然わかない。それでも、徳河さんの様子を見る限り本当の事なんだろうな。
悠「じゃあお願いしてしまってもいいですか?正直なところ節約できるならしておきたいので」
詠美「ええ、こちらからいいだしたことだもの」
悠「あのデート……もとい、二人での散策はもういいんすか?」
平良「構わないさ。多少なりとも人助けができるのなら。な?」
詠美「私にできる事があるならする。それだけよ」
ふたりに連れてこられたのは、当然のように山の手の武家屋敷街だった。普通通学で通る道だったり、裏手の長屋は賑やかで雑多な感じだけど、こっちはまんま高級住宅街だ。
実家の家柄とか、入学するときに積んだお金とか……そんなのでランクが決まるという噂。それがどうとかはよくわからないけど、少なくとも徳河さんは相応しい威厳を持っている、気がする。
詠美「ここよ、どうぞ入って。」
悠「う、うっす。」
ー詠美の屋敷ー
詠美「ではここで待っていてもらえる?いくつか見繕ってきてもらうから」
おれと長谷河さんを残し、徳河さんはいってしまった。徳河さんの家もご多分に漏れず、ものすごいお屋敷だ。小鳥遊堂だったら三十個くらいは入りそうだな。
悠「この屋敷って、何人くらいひとが住んでるんスか?」
平良「本来の住人は詠美ひとりさ、。他のみんなは住み込みの使用人みたいな形だな」
悠「使用人て生徒じゃなくて?」
平良「いいや、みんな同じ生徒さ。そのために実家から着いてきたり、この学園で雇われたりいろいろだな」
悠「生徒が生徒の使用人なんて、まるで漫画だな」
平良「十万人もいる学園だ。徳河家というだけで、体面上それくらいは必要なんだとさ」
なるほど、上に立つ人にはそれなりの苦労もあるってことなんだな。それから暫くして……。
詠美「遅くなってしまったわね。ごめんなさい」
悠「いえいえ」
戻ってきた徳河さんの手には立派な感じの木箱が。ここまで来るともう、出てくるもの全てが雲のうえの高級品に思えて来た。
詠美「このくらいの数で良かったかしら。もしもっと必要になりそうなら、お店に送らせるのだけど。」
開かれたその中には、湯飲みや茶わん、平皿などひとそろいが五人分ほど、まとめて収められていた。この数だけだとやや心ともないが、店に残ってるのと合わせれば十分だろう。