ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「あれ?」

はな「どうかしました?」

悠「はて、おれ何しにこっち来たんだっけ……」

はな「はい?」

悠「えーと、団子練ってて……あ、そだ。あんこだ、あんこ取りに来たんだ。」

はな「大丈夫です?」

悠「まだ、痴呆にはなってない。」

寅「予備軍じゃないのか?」

悠「うっせーよ。だったら、お前はパンチドランカーだろ。」

寅「お前より脳に異常はない」

悠「ひとを脳異常者扱いしてんじゃ……」

朱金「よう、やってるか」

悠「いらっしゃいませー!」

寅「二面相が……。」

朱金「久しぶりだな。」

悠「だな。再開したからまたご贔屓にしてくれ。」

朱金「真留の目を盗んで来てやるよ」

悠「やっぱりサボりか」

朱金「休憩だよ。休憩。つまんねぇ書類を見てばっかりもいられねぇよ。」

悠「それには同意だな。」

朱金「だろぉ?やっぱり悠は話がわかるぜ」

悠「それで熱いお茶か?」

朱金「おう。あつ~~くて渋いのを頼む」

悠「はい。少々お待ちください。」

寅「こっちも茶」

悠「おう。」

寅「客によって態度を変えるのはどうなんだ?」

悠「お前は客じゃないだろ」

寅「なら、金は払わんからな。」

悠「払えよ?!」

寅「客じゃないんでな。」

悠「お奉行さま、なんとかいってやってもらえませんか?」

朱金「あーうん、なんだ、ちゃんと金は払わないとダメだぞー。」

悠「なんでそんな弱々しく……」

はな「……朱金さん、お金は持ってきてるですか?」

朱金「……いや、あれー、おかしいな出るときには財布持ってたと思ったんだけどな。」

悠「またツケかよ……」

朱金「あぁ、ツケでよろしく頼む。」

悠「はいはい。わかりましたよ。」

朱金「へへっ」

寅「お奉行がこれなんだ。気にせず俺にも淹れろ」

悠「わーたったよ!はなちゃん、ツケで帳簿書いといて」

はな「はーいです」

吉音「あたしはね~」

悠「お前はいい。」

吉音「ぶー!なんでー!」

悠「さっきまで団子喰い漁ってただろ。」

吉音「お団子食べたからお茶が飲みたくなったのー!」

悠「それでお茶出したら団子食べたくなるんだろ。」

吉音「ギクッ」

はな「無限ループです」

悠「まぁ、とりあえず……お客さんのお茶が先だ。」

朱金「ったく、新は喰ってばっかりだな」

吉音「そんなことないよ!パトロールしたり、目安箱の中をみたりしてるもん!」

寅「役に立ってんのか?その箱」

悠「ま、一部のひとには好評みたいよ。」

はな「相変わらず、逃げ出したペットを探してとか、隣人の騒音をどうにかしてくれとか雑用ですけどね」

悠「小さな事からコツコツとっていうだろ?」

吉音「そのとおり!」

寅「手持ちぶさたじゃね?」

悠「手持ちぶたさんだな。」

吉音「なにその可愛いブタさん!」

悠「食用に遺伝子改良された豚で頭からぶっすりと串を刺されて丸焼きに……」

はな「悪趣味な嘘はやめてくださいです」

悠「あはは。」

寅「骨さえ邪魔にならなきゃいいかもな。」

悠「ワイルドだな……。」
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