ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
『本日休業します。っていうか、しばらく休むかもしれません。てへぺろ。小鳥遊悠』
その張り紙で封された木戸は早三日ほど開かれていなかった。そして、連日のように店の前では雇われ食いしん坊の吉音が頬を膨らませて待っていた。
吉音「今日も開いてない……。もーー、悠のお団子食べないと物足りないのに~~!!」
駄々っ子のようにじたばたと地団駄を踏む吉音の肩を誰かが叩いた。吉音はハッとして笑顔で振り返る。だが、尋ねて来たのは町奉行所の逢岡だった。
想「こんにちは。」
吉音「あ……想ちゃん」
想「悠君で無くて、すいません」
吉音「あ、そうじゃないんだよ?……ごめん、少し残念だった。」
想「いいんですよ。お店が閉まってから、もう、三日になりますし心配なのは無理も有りませんから」
吉音「そうなんだよね。悠ってばメールしても電話しても返事してくれないし」
想「悠君らしいですね……。夏目さんはどうしてるんです?」
吉音「悠がお店を開けたら出勤するって~」
想「なるほど、夏目さんは悠君の行動が分かっているんですね。」
吉音「私もそうなのかな~って、それとなく聞いてみたら……」
~~
はな『心配するだけ無駄です。お腹がすいたらやって来る野良ネコと同じで好きにさせてたらいいんです』
~~
吉音「……だって。」
想「あ、はは……諦めてる様にも聞こえますね。」
吉音「あーうにゃー!!」
由真「なに奇声あげてるのよ。近所迷惑よ?」
吉音「あ、由真ちゃん」
由真「なに、まだお店開けてないの?潰れたんじゃない?」
吉音「そ、そんなことないよー!」
由真「ほんとかしら。」
吉音と由真の言い合いをそろそろ止めようかと逢岡が思ったその時、茶屋の木戸が開いた。
寅「うるせぇな……。誰だ、人んちの前で騒いでる馬鹿は?」
想「あら……。」
悠「いや、お前の店じゃねぇし。」
吉音「あ……」
由真「あ……」
悠「ん?あー、新に逢岡さん、それと由真……何してんだ?」
吉音「ゆ」
悠「ゆ?」
吉音「悠ーーー!!」
吉音はとてつもない勢いで飛びついた。
寅はサッと軌道線上から身を翻(ひるがえ)して避けるが悠は吉音を受け止めた(ぶつかられた)。
悠「むぐっ!」
吉音「悠!心配したんだよ!なんで、連絡くれなかったの!っていうか、店に居たなら出てきてよ!!」
悠「むぐぐ……。」
想「徳田さん、そんなに強く抱きしめてたら悠君が窒息しちゃいますよ」
吉音「あっ!ごめんね!」
悠「ぷは……あー……危うくおっぱいがいっぱいで死ぬとこだった。」
寅「お前は大抵の事じゃ死なねェよ」
悠「大抵の事があったばっかりだよ。」
寅「ふんっ。」
由真「なんだ……元気そうじゃないの。」
悠「おう。元気は元気だ。」
由真「って、アンタ包帯してるじゃない?!それに……頬にも凄い痕があるし」
悠「ちょっと自動ドアに挟まれてな」
寅「アホか…」
『本日休業します。っていうか、しばらく休むかもしれません。てへぺろ。小鳥遊悠』
その張り紙で封された木戸は早三日ほど開かれていなかった。そして、連日のように店の前では雇われ食いしん坊の吉音が頬を膨らませて待っていた。
吉音「今日も開いてない……。もーー、悠のお団子食べないと物足りないのに~~!!」
駄々っ子のようにじたばたと地団駄を踏む吉音の肩を誰かが叩いた。吉音はハッとして笑顔で振り返る。だが、尋ねて来たのは町奉行所の逢岡だった。
想「こんにちは。」
吉音「あ……想ちゃん」
想「悠君で無くて、すいません」
吉音「あ、そうじゃないんだよ?……ごめん、少し残念だった。」
想「いいんですよ。お店が閉まってから、もう、三日になりますし心配なのは無理も有りませんから」
吉音「そうなんだよね。悠ってばメールしても電話しても返事してくれないし」
想「悠君らしいですね……。夏目さんはどうしてるんです?」
吉音「悠がお店を開けたら出勤するって~」
想「なるほど、夏目さんは悠君の行動が分かっているんですね。」
吉音「私もそうなのかな~って、それとなく聞いてみたら……」
~~
はな『心配するだけ無駄です。お腹がすいたらやって来る野良ネコと同じで好きにさせてたらいいんです』
~~
吉音「……だって。」
想「あ、はは……諦めてる様にも聞こえますね。」
吉音「あーうにゃー!!」
由真「なに奇声あげてるのよ。近所迷惑よ?」
吉音「あ、由真ちゃん」
由真「なに、まだお店開けてないの?潰れたんじゃない?」
吉音「そ、そんなことないよー!」
由真「ほんとかしら。」
吉音と由真の言い合いをそろそろ止めようかと逢岡が思ったその時、茶屋の木戸が開いた。
寅「うるせぇな……。誰だ、人んちの前で騒いでる馬鹿は?」
想「あら……。」
悠「いや、お前の店じゃねぇし。」
吉音「あ……」
由真「あ……」
悠「ん?あー、新に逢岡さん、それと由真……何してんだ?」
吉音「ゆ」
悠「ゆ?」
吉音「悠ーーー!!」
吉音はとてつもない勢いで飛びついた。
寅はサッと軌道線上から身を翻(ひるがえ)して避けるが悠は吉音を受け止めた(ぶつかられた)。
悠「むぐっ!」
吉音「悠!心配したんだよ!なんで、連絡くれなかったの!っていうか、店に居たなら出てきてよ!!」
悠「むぐぐ……。」
想「徳田さん、そんなに強く抱きしめてたら悠君が窒息しちゃいますよ」
吉音「あっ!ごめんね!」
悠「ぷは……あー……危うくおっぱいがいっぱいで死ぬとこだった。」
寅「お前は大抵の事じゃ死なねェよ」
悠「大抵の事があったばっかりだよ。」
寅「ふんっ。」
由真「なんだ……元気そうじゃないの。」
悠「おう。元気は元気だ。」
由真「って、アンタ包帯してるじゃない?!それに……頬にも凄い痕があるし」
悠「ちょっと自動ドアに挟まれてな」
寅「アホか…」