ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「はぁ…結局今日の客はミッキーだけだったか。祝儀のおかげでマイナスじゃ無いけど、これからの営業には不安になるな。」

新「すぅすぅ」

悠「お前はお前でどれだけ寝られるんだよ。おれの肩は枕じゃねぇぞ起きろ。」

新「ふ…ふぇ?」

悠「店じまいだ。ほら、縁台を店の中入れるから。そっちの端持ってくれ」

新「ふぁーい」

悠「あとは傘まわしを…」

由真「小鳥遊」

悠「あー?なんだ、子住…さんか。ねずみやはどした?」

由真「もう閉店したわ。いつもよりちょっと早いんだけど材料がなくなっちゃったから」

悠「売り切れってことか?」

由真「もちろんよ」

悠「で、自慢しに来たのか?」

由真「まあね」

悠「はぁ……帰ってくれないか?」

由真「用はそれだけじゃないわよ」

悠「あー?」

由真「私、小鳥遊が不良とグルなんだと思ってたの」

悠「なんでそうなっ…(いや、崇や拳二とグルだから、ある意味不良より性質が悪いのか?)」

由真「だって、不良が嫌がらせして前の人を追い出したと思ったら、すぐに小鳥遊がきたんだもん」

悠「さっきのは見てたろ」

由真「うん…違ったみたい。だから一言謝っとこうと思って」

悠「いいよ、誤解が解けたなら」

由真「お詫びといっちゃなんだけど、代わりに一つ提案があるんだけど」

悠「提案?」

由真「うん。小鳥遊にとってもいい話し。あのね、この店を「ねずみや」の別館にするの」

悠「は?」

由真「隣が私たちねずみやじゃ、どうせ儲からないでしょ?今日だってお客来た?」

悠「一組だけな。」

由真「でしょ?だったらうちと組んだ方がいいよ。ちゃんと小鳥遊も雇ってあげるから。うちも今の店じゃ手狭だし、両方にとっていい話でしょ?ね、そうしょ、そうしょ♪」

悠「無理だ」

由真「え、どうして?なんでなんで?」

悠「こっちも色々事情がある。それにおれはいつもここにいる訳じゃないし。」

「由真。お隣さん困ってるじゃない」

由真「あ、結花姉」

結花「ごめんなさい、由真が強引に話を進めちゃって」

悠「えーと…」

結花「あ、ごめんなさい。初めまして、隣のねずみやの店長で由真の姉の子住結花(ねずみゆか)といいます」

悠「どうも、小鳥遊悠です」

結花「あなたが小鳥遊君ね。ようこそお隣さん」

悠「どうも…えと、子住さん」

結花「結花でいいわよ。私たちは三人姉妹だしややこしいでしょ。この子も由真と呼んであげてね。」

由真「ちょ、ちょっと、勝手に…」

結花「小鳥遊君はお店をするのは経験かなにかがあって?」

悠「いや、初めての成り行きです」

結花「あら、そうなの。じゃあ、隣に開いたのも何かの縁だと思うの。困ったことが合ったらなんでも相談してね?」

悠「嬉しいっすけど、妹さん曰く商売敵らしいんで」

由真「余計な事を…」
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