ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】
ー大江戸学園:日本橋近くー
先日、風雷コンビと寅が一週間後に対峙する約束に巻き込まれてしまったおれ。正直口を挟む間もなく決まってしまったのだが……。逃げ場をなくしてしまったのだ、普通はコンビネーション対策を練ったりするべき何じゃないのかと思ったりもしたが、寅は怪我を意地でも治しとけといって音信不通(電話したりした訳じゃないが)になった。
柳に至っては、壊れたらまた治してあげますよっと、フォローもなにも無かった。
なので、いつも通りな日常モードに戻っていた。電車を降りると、通りの向こうに見覚えのある二人が歩いていた。駆けよって声をかける。
悠「光姫さーん、由佳里ー!」
光姫「おお、悠か……っと、どうしたその顔は?」
悠「はは、ちょっと、駅の改札口に挟まれまして。」
由佳里「痛そうです。」
悠「見た目より痛くないよ。今は……二人は食べ歩き中?」
光姫「ああ、ちと、小腹が空いたでの、これから側でも食べに行こうかと言うとったところじゃ」
悠「っか、この辺りにいい店があるんですか?」
由佳里「この辺りだと、駅前の蕎麦鉄に角の蕎麦処えん、お客さんの前で打ってくれるところも有りますね」
悠「さすが由佳里詳しいな」
由佳里「えへへ……それほどでもありませんよぅ」
光姫「そういう見知った店も良いがの、新しい店を開拓するのもまた食べ歩きの醍醐味じゃ。悠もいっしょにどうじゃ?」
悠「え……いいんですか?(蕎麦そこまで得意じゃないが…)」
光姫「食事は皆でわいわいとが楽しいからの」
悠「それじゃ、お言葉に甘えて、ご一緒させていただきます。」
偶然出会った光姫さんの誘いを受けて、おれは一緒に蕎麦を食べに行くことになった。飲食店が建ち並ぶ通りを三人でぶらぶらと歩く。どこも美味そうな匂いを漂わせていたが、光姫さんのお眼鏡にかなうところはないらしく、通りすぎていく。そんな中、光姫さんがうらぶれた一軒の前で立ち止まった。
光姫「よし、ここにしよう」
悠「ここにって……ここ蕎麦屋なんすか?」
光姫「ほれ、そこに蕎麦処の看板がでておるじゃろ」
いわれて見れば、泥に汚れた看板が軒先にぶら下がっている。商売する気あるのかレベル。
同じ客商売をする人間として、この寂れ具合を見るとやる気があるように思えない。っか、光姫さんにいわれるまで民家だと思っていた。良く気づけたな。
由佳里「あのぉ、光姫さま……本当にこのお店でいいんですか?」
光姫「こういう外観にこだわらない店こそ、隠れた名店だったりするんじゃよ」
悠「普通にマズイ店の確立もあるんじゃ…」
そういうと光姫さんはさっさと中に入ってしまった。おれたちも慌てて追いかける。
光姫「邪魔するぞ。」
蕎麦屋店主「……いらっしゃいませ」
光姫「蕎麦を三人前頼む」
蕎麦屋店主「はい……少々お待ちください。」
由佳里「なんだか、元気のない店員さんですね……」
悠「外観と同じでやる気無いのかな……。」
外観が外観なら、中も似たようなもので、テーブルは綺麗だったが、床のいろんなところは泥の足跡で汚れていた。椅子ももたれると、ギシギシと軋み、思いっきり体重をかけると壊れてしまいそうだ。光姫さんは、そんなこと気にもしない様子で
光姫「まぁまぁ、蕎麦が来るのを待とうではないか」
落ち着いたものだった。
そうして待つこと数分、店主が店主が三人分の蕎麦を持ってやってきた。
蕎麦屋店主「おまたせしました……。」
テーブルに置かれた三杯の蕎麦。見た目は普通のかけ蕎麦で、立ち上がる湯気といっしょに出汁のいい香りが鼻腔をくすぐる。
悠「これは……」
由佳里「美味しそうないい香りですね!」
光姫「では、いただくとしようかの」
三人で手を合わせて。
「「「いただきますっ!」」」
先日、風雷コンビと寅が一週間後に対峙する約束に巻き込まれてしまったおれ。正直口を挟む間もなく決まってしまったのだが……。逃げ場をなくしてしまったのだ、普通はコンビネーション対策を練ったりするべき何じゃないのかと思ったりもしたが、寅は怪我を意地でも治しとけといって音信不通(電話したりした訳じゃないが)になった。
柳に至っては、壊れたらまた治してあげますよっと、フォローもなにも無かった。
なので、いつも通りな日常モードに戻っていた。電車を降りると、通りの向こうに見覚えのある二人が歩いていた。駆けよって声をかける。
悠「光姫さーん、由佳里ー!」
光姫「おお、悠か……っと、どうしたその顔は?」
悠「はは、ちょっと、駅の改札口に挟まれまして。」
由佳里「痛そうです。」
悠「見た目より痛くないよ。今は……二人は食べ歩き中?」
光姫「ああ、ちと、小腹が空いたでの、これから側でも食べに行こうかと言うとったところじゃ」
悠「っか、この辺りにいい店があるんですか?」
由佳里「この辺りだと、駅前の蕎麦鉄に角の蕎麦処えん、お客さんの前で打ってくれるところも有りますね」
悠「さすが由佳里詳しいな」
由佳里「えへへ……それほどでもありませんよぅ」
光姫「そういう見知った店も良いがの、新しい店を開拓するのもまた食べ歩きの醍醐味じゃ。悠もいっしょにどうじゃ?」
悠「え……いいんですか?(蕎麦そこまで得意じゃないが…)」
光姫「食事は皆でわいわいとが楽しいからの」
悠「それじゃ、お言葉に甘えて、ご一緒させていただきます。」
偶然出会った光姫さんの誘いを受けて、おれは一緒に蕎麦を食べに行くことになった。飲食店が建ち並ぶ通りを三人でぶらぶらと歩く。どこも美味そうな匂いを漂わせていたが、光姫さんのお眼鏡にかなうところはないらしく、通りすぎていく。そんな中、光姫さんがうらぶれた一軒の前で立ち止まった。
光姫「よし、ここにしよう」
悠「ここにって……ここ蕎麦屋なんすか?」
光姫「ほれ、そこに蕎麦処の看板がでておるじゃろ」
いわれて見れば、泥に汚れた看板が軒先にぶら下がっている。商売する気あるのかレベル。
同じ客商売をする人間として、この寂れ具合を見るとやる気があるように思えない。っか、光姫さんにいわれるまで民家だと思っていた。良く気づけたな。
由佳里「あのぉ、光姫さま……本当にこのお店でいいんですか?」
光姫「こういう外観にこだわらない店こそ、隠れた名店だったりするんじゃよ」
悠「普通にマズイ店の確立もあるんじゃ…」
そういうと光姫さんはさっさと中に入ってしまった。おれたちも慌てて追いかける。
光姫「邪魔するぞ。」
蕎麦屋店主「……いらっしゃいませ」
光姫「蕎麦を三人前頼む」
蕎麦屋店主「はい……少々お待ちください。」
由佳里「なんだか、元気のない店員さんですね……」
悠「外観と同じでやる気無いのかな……。」
外観が外観なら、中も似たようなもので、テーブルは綺麗だったが、床のいろんなところは泥の足跡で汚れていた。椅子ももたれると、ギシギシと軋み、思いっきり体重をかけると壊れてしまいそうだ。光姫さんは、そんなこと気にもしない様子で
光姫「まぁまぁ、蕎麦が来るのを待とうではないか」
落ち着いたものだった。
そうして待つこと数分、店主が店主が三人分の蕎麦を持ってやってきた。
蕎麦屋店主「おまたせしました……。」
テーブルに置かれた三杯の蕎麦。見た目は普通のかけ蕎麦で、立ち上がる湯気といっしょに出汁のいい香りが鼻腔をくすぐる。
悠「これは……」
由佳里「美味しそうないい香りですね!」
光姫「では、いただくとしようかの」
三人で手を合わせて。
「「「いただきますっ!」」」