ｰ大江戸学園:町はずれ小屋ｰ

雷太郎「同門生か……ふんっ。」

悠「なんだよ。」

雷太郎「鬼とも龍とも、魔とも人とも解らん奴が鬼の門とは笑えるぜ。」

悠「お前、ひとのこと何だと思ってる……?」

雷太郎「ひとでは無いと思ってる」

悠「はは、おれは修羅じゃないぞ。だいたい苗字も陸奥じゃなく小鳥遊だしな。」

雷太郎「意味がわかんねぇよ。」

柳「そっちの話しは、まだのようですのぅ。」

悠「やな……」

雷太郎「ジイさんっ!風太郎は!!」

悠「……」

柳「ああ、問題ありじゃ」

雷太郎「なにっ!!」

悠「柳!どういうことだ!」

柳「落ち着かんか。大の男が二人してみっともない」

雷太郎「……」

悠「……」

柳「まず、身体の状態じゃが……既に止血も出来ておったし、元から鍛えた体じゃ。皮下出血や筋肉痛、打撲と熱は自己回復でどうにかなろう。骨も異常は無い。」

雷太郎「そ、そうか……良かった。それで、風はどうしてる」

柳「やかましかったから鎮静剤を打った。おとなしくしとるよ」

悠「なにが問題なんだよ」

柳「血圧異常と心臓の負荷。悪いことはいわん。もう、鬼状態は使わせるな。」

雷太郎「……それは俺にいっても無駄だ。風太郎の問題だ。」

柳「やれやれ……。お前らにもいっておるのを理解せい」

悠「いやいや、おれはもうここ一でしか使わないし」

雷太郎「風を看てくれたくれた事は礼をいう。けど、俺たちに指図するんじゃない」

柳「ほっほほ、小童が生をいうわい。」

雷太郎「なんだとっ!」

悠「ジイさん、相手に止めろよ。それより、お前らどーするんだ。」

雷太郎「……風と話して決める。だが、小鳥遊悠。お前は風太郎と絶対決着をつけさせる。いいな!」

悠「えぇ……。おれの負けでいいってるのに」

風太郎「そっちは、良くても……こっちは良くない。」

雷太郎「風!大丈夫か!」

風太郎「うん。だいぶ、楽だよ。あのお爺さん腕は本物っぽい」

柳「ほっほほ、これでも天才医師じゃからな」

悠「自分でいうなよ…。」

雷太郎「風太郎、お前……」

風太郎「大丈夫。小鳥遊悠、いつがいい?今すぐ?」

悠「無い無い。それは無い。」

風太郎「じゃあ、一週間後でどうかな。」

悠「……断ったら?」

風太郎「襲い続ける」

悠「はぁ……。けど、な、おれは勝っても負けても得が無い」

風太郎「じゃあ、お前が勝ったら俺を好きにしていい。負けたらあの店をもらう。」

悠「はぁー?!」

雷太郎「待て待て待て!!風、なにをいってる!」

風太郎「雷、大丈夫だって、俺は負けない」

雷太郎「う、うーむ……。」

悠「いや、いや……。なんか違うだろ…。」

雷太郎「なら、俺もやるぞ。」

悠「結局二対一じゃんか!」

寅「俺が組んでやるよ」

悠「うーわ、ベストタイミングだなをい…」

寅「これで二対二、一週間後の夜。場所はあそこだ。」

雷太郎「上等だ。」

風太郎「上等だ。」

悠「だれか助けてください…。」