ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

何が起こったかさっぱり見当がつかなかった。とめどなく溢れる血を止めようと必死に顔を覆う手の隙間から見えたのは……

悠「た、崇?」

崇「占いか……。信じてみてもいいかもしれないな」

悠「な、なに?っか?え?どうして?」

夢「ゆ、悠!血が!血がいっぱい出てる!!死んじゃダメ!!」

悠「夢?どうして…」

訳のわからない状況で雷太郎と風太郎の声が聞こえた。

風太郎「なんだコイツ誰だ!!」

京「お前!!絶対に許さない!」

本郷「ふっ…。」

雷太郎「チッ、また、お前か…」

左近「はは、それはこっちの台詞ですよっと」

凍夜「てゆーか、左近ちゃん、どーゆー状況コレ」

左近「いゃあ、すんませんねぇ。ちょっと、揉めてるって感じですよぅ。」

雷太郎「ちっ…(ひとが集まって来やがった。風太郎の心臓も心配だ……引き際か)」

風太郎「女!!邪魔だっ!!」

バチンっ!!
京「ぐっ…ぅぅっ…痛くないっ!!!螺拳!!」

ドゴッ!
風太郎「ぶぐっ?!」

本郷「ふっ…」

がぁんっ!!!
風太郎「ぎぁっ?!このぉぉぉ!!」

雷太郎「風、もういい、引くぞ!!!」

風太郎「けどっ!」

雷太郎「風!」

風太郎「く~~……わかった!!」

凍夜「おっと……」

左近「ありゃりゃ……なんて跳躍力ですか…。」

京「逃がさない!」

本郷「ふっ…。」

京「……うん。わかった。悠のが大切だ」

カンカンカンカンカンカン!!
カンカンカンカンカンカン!!

左近「おおっと、今さら同心のご登場ですかぃ……。しかたない、皆さん、さっさとどっかに散ってくだせぃ。ここは私が受け持ちますから」

凍夜「なんて夜だよ……。左近ちゃんまたね」

左近「はいはい。さっ、其方さん方も」

崇「本郷、悠を店まで運べ」

本郷「ふっ」

悠「うっぅ…。自分で歩ける…。」

崇「前もろくに見えてない奴が偉そうに口を挟むな。連れてけ」

本郷「ふっ。」

崇「お前らもだ」

夢「う、うん」

京「わかった。」

左近「さぁて…そこら中ぶっ壊れてるし、血だまりもある……逢岡さんにどう誤魔化しますかねぃ…。」









ー長屋屋根の上ー

風太郎「はぁはぁ…。」

雷太郎「風太郎、肩を貸せ」

風太郎「ごめん、雷」

雷太郎「いいんだ。いくぞ」

風太郎「うん。ありがと」




颯天「なーんか、とんでもないタイミングだったみたいだな」

結「大江戸学園の様子を見てこいなんていわれていきなりコレなんて……。」

颯天「どうする?報告」

結「アンタに任すわ」

颯天「ちょ、止めてよ…。結ちゃんのが上司じゃん」

結「……私はアレよ。匣さんに報告するから、柏さんには颯天がしなさい。上司命令」

颯天「最悪だぁ」
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