ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【3】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「そんで、いろいろ聞きたいが身体の状態は?」

寅「たいしたことねぇよ。むしろ快調だ。」

左近「嘘が下手ですねぇ」

寅「黙ってろ!」

悠「あー……騒ぐなよ。店先じゃなんだし、中に入れよ。」

寅「客じゃねぇぞ」

左近「俺も客では無いですので」

悠「なら、茶菓子のひとつもだしてやんねぇーよ!!」

寅「あそこで喰ってるのはいいのか?」

吉音「もきゅもきゅもきゅもきゅ」

悠「あれはもういいんだよ。諦めた。」

はな「諦めないで止めてくださいです。」

悠「ちょっと、店番と新のストッパー頼んだよ。奥でちょっと寅とかと話してるから」

はな「頼まれっぱなしじゃないですか…」

寅「っても話すことなんて何も無いぞ」

悠「いやいや、沢山あるだろ。どんな奴だったとか、闘い方とか、名前とかは?」

寅「名前……そういえば雷(らい)とか風(ふう)とか呼び合ってたな」

悠「風雷コンビか」

吉音「なにそれ新しいお菓子?」

はな「はいはい、こっちにいましょうです」

悠「すまん」

寅「いいよ。それと……気持ちが悪いくらい似てたな」

左近「兄弟ってことですかぃ?」

寅「さぁな、そこまではしらねぇけど。喋ってたりしたら交互に繋がってしゃべるんだよ」

悠「日本語でオーケー?」

寅「だから……例えば、「今からお前を殴る」っていうとしたら、「今から」と「お前を殴る」を二人で分けて喋るんだよ。あと、笑い声が被ってた。「は」と「ふ」が同時に揃ってたんだよ」

悠「なるほど」

左近「解りましたかぃ?」

悠「いや、全然」

寅「おい…」

悠「けど、とにかく息の揃ったコンビって事は解った。見た目は?」

寅「身長は似てたな……格好はこの学園の制服だった。」

悠「それって生徒ってことか?」

左近「どうでしょうか、最近は色んなひとが入ってきてますからね。小鳥遊さんだって現に今は制服でしょう」

悠「確かに」

寅「顔は暗くてよく見えなかったが、片方の奴は顔に痣がある。」

悠「痣?」

寅「俺が思いっきりぶん殴った。もう片方は顎打ったが倒れ無かったな」

悠「どんなタフボーイだよ」

寅「こっちが聞きたかったよ。あと、突然強くなったしな。」

悠「なんだ、火事場のクソ力的なアレか?」

寅「それも有るのかもしれないが、なんったかな……妙な事いってたんだよ。「鬼状態」とか」

悠「あー?」

寅「なんか心当たりあるのか?」

悠「いやいや、続けてくれ」

寅「急に強くなったと思ったら「風」の方が足主体「雷」の方が手主体のstyleで攻めて来た。コンビネーションは相変わらずうざいくらいでな。多分拳法かなんかだ。」

悠「っで、ボコられたと」

寅「お前をボコるぞコラァ」
5/100ページ
スキ