ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

吉音「ええぇ!!悠、昨日襲われたの?!」

悠「あぁ……。」

はな「いつです?」

悠「皆と別れた後かな。寅と帰ろうとしたらいきなり」

吉音「大丈夫?怪我なかった? 」

悠「大丈夫だからペタペタ触れるな、抱きつくな」

はな「新さん、お話中ですから!」

吉音「ぶーっ心配してるのに」

はな「ったくもぅ……。」

悠「あとでゆっくりハグしてやるよ。」

はな「悠さん!」

悠「冗談ですがな」

はな「もー!」

寅「邪魔するぞ」

悠「おう。トラチー」

寅「その呼び方腹立つな。」

悠「紅だってトラチーってるじゃん」

寅「アイツはまだなんかしかたなく思えるが……お前はひとを苛立たせるんだよ。」

悠「んな理不尽な」

寅「とりあえず茶もらえるか。あと甘くない物」

はな「はーいです」

悠「そんなにうちの店気にいってくれたか」

寅「店っていうかその箱とお前だな」

悠「あー?」

吉音「目安箱?なにか困ってるの?じゃあどうぞ!!」

寅「それでな……」

吉音「無視された!!ねぇ、悠!無視されたよ!」

悠「おれに興味があるってのは?」

吉音「あーーー悠まで無視した!!もーいいもん!」

はな「お茶です」

寅「あぁ……茶菓子は?」

はな「新さんが食べました。」

寅「……」

悠「続けてくれ。」

寅「あぁ、お前とその箱の共通点。」

悠「おれと箱を同列扱い?」

寅「厄介事を引き寄せる。」

悠「あー?」

寅「なんったか。絶望が溢れだして最後に希望が残ったの」

悠「パンドラか?」

寅「そうだ。お前は逆パンドラっぽい」

悠「あぁー?」

寅「絶望を吐き出すんじゃなく……」

悠「希望を吐き出すってか?うれしいじゃんか」

吉音「か、かっこいい!!」

寅「馬鹿か。災厄を集めるんだよ。災厄収集家。」

はな「トラブルシューターならぬトラブルコレクターですか」

吉音「カッコいいね!」

悠「よくねぇよ!!それ、いっぽ間違えたらトラブルメイカーじゃねぇか!!」

寅「そうならないように注意することだな」

悠「なんしてないのに理不尽すぎる……」
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