ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

寅「ふ~……。タバコで目眩ましからの顔パン。お前はやっぱり喧嘩筋だな。やり口が汚い」

悠「おれは出来うる最善かつ可能な限り最速な策を実行しただけだ。それにスマートだったろ?」

寅「格好つけすぎだ。」

悠「へーんだ。さて、この黒装束をひん剥く……あれ?」

黒装束A「っ……」

黒装束B「……」

黒装束C「……」

悠「細胞分裂した!?」

寅「ただ同じ格好してるだけだろ。くそ蒸し暑いのにご苦労な輩だな。」

悠「まったくだ。さっさとソイツ回収して消えてくれ。」

黒装束B「……」

黒装束C「……」

黒装束D「……」

黒装束E「……」

黒装束F「……」

悠「……トラちゃん。」

寅「なんだ?」

悠「おれ、目が乱視になったのかも黒装束が四、五人見える」

寅「良かったな。お前の目は正常だ。俺にもみえる。」

黒装束B「……」
チャキ…

黒装束C「……」
チャキ…

悠「トラちゃん!」

寅「トラちゃん、トラちゃんうるせぇな。」

悠「ヘルプ」

寅「ほら、タバコ貸してやるからスマートに倒せ。」

悠「紫煙の極みはタイマン専用の一発技だよ!多人数に使えないよ!」

寅「知るかよ。」

黒装束B「……」
ビュバッ!

悠「みょあっ!」

寅「妙な声で鳴くな。」

黒装束C「……」
チャキッ…

寅「おい……誰に刃先向けてる?テメェら……葬ンぞっ!」

「「「……」」」

ザワッ…
黒装束達は寅の迫力に身動きを停止(と)めた。野生の獣と対峙するのと同じだ。
誰しも目の前にいきなり大型の獣が現れたら動けなくなるもの。

悠「そうだ!そうだ!それ以上暴れるとトラちゃんが黙ってないぞバカヤロコノヤロ!」

寅「テメェから葬ってやるよ……。」

悠「待て待て待て。拳の向きがおかしい!向こう、向こうに向けて!こっちに向けないで!」

寅「ちっ、わかった。」

悠「ほっ…。」

寅「テメェは後だ。」

悠「なんでやねん!」


黒装束B「ふざけるのも大概にしろ貴様ら!かかれ!」

黒装束C「うおぉ!」

寅「今は…」

悠「取り込み中だ!」

ドゴッ!
ボゴッ!

黒装束C「ぐぁっ!?」

黒装束D「うぎゃっ!?」
悠「だいたいお前らがこなけりゃこんなもめなかったんだよ!」

寅「鬱陶しいカス共が!」
ドゴっ!
グシャ!

黒装束B「こ、コイツら……強い。」

黒装束A「うぅ…て、撤退だ。皆、引け!」

黒装束s「「「ハッ!」」」

ブワッ…

悠「煙幕!?」

寅「ちっ……逃がしたか。」

悠「なんだっだ奴等……?」

寅「さぁな……ん?なんか落ちてるぞ」

悠「これは…」

【松】

寅「松と書かれた布切れ……」

悠「宣戦布告ってか?」

寅「アホくせぇな…。」
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