ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】
ー大江戸学園内・寿司屋ー
依頼主が店主を勤めるという寿司屋にやって来た。その店は大通りに面してはいるが、どちらかといえばはずれの方にあった。
吉音「ねぇ悠~!せっかくだからお寿司食べていこうよ~」
悠「……こんな高そうな店、無理に決まってんだろ。」
比較的古い感じの店舗。しかし、その古さの中にどことなく趣があり、高級料理店のような雰囲気を醸し出している。
店主「ははは、高いなんてそんなことないよ。外観の話だったら、この建物が長く使われているってだけだよ。学園の黎明期から代々後輩に受け継がれてきたんだ、なかなかいい感じだろ?」
たしかに老舗の料理店といった感じでいい雰囲気を出している。
吉音「でも、どうしてそんな歴史のあるお店なのにアルバイトが来てくれないの?」
店主「それが分かんなくて困っててね……」
お手上げというように肩をすくめる店主。一見おどけたような態度だが、顔にははっきりと困惑の表情が浮かんでいる。
悠「失礼だけど……店の経営状況はどうなんだ?」
いくら歴史があって雰囲気のいいお店でも、経営があやしい店で働こうと思う生徒はいないだろう。そんなおれの内心は伝わっただろうに、それでも特に気を悪くした様子は見られず、むしろ苦笑いを返してきた。
店主「君の言いたいことはわかるよ……でもそれは大丈夫だ。口コミが続いているのか、贔屓にしてくれる人も多くてね。幸福なことにそれなりに忙しいよ。だからこそ、バイトが集まらないのが疑問でさ。」
悠「ほむ……いや、間違えた、ふむ。それは確かに妙な話しだな。」
吉音「ほんとほんと。もし悠の用心棒やってなかったら、あたしここでアルバイトしたいと思うもん。」
悠「……いっとくけど、寿司屋のバイトは別に寿司食べ放題じゃないからな」
吉音「うっ!そ、そんなこと、悠にいわれなくたってちょっとしか思ってないよ!」
悠「ちょっとは思ってんのかよ……。それで、バイトの募集ってどんな風に呼び掛けているんですか?」
店主「ああ、それはこれだよ」
店主が指差す、店先に張られた一枚の張り紙。そこにデカデカと書かれた「バイト募集」の文字。
悠「……あー?これだけ?」
店主「あ、やっぱり一枚じゃ少ない?」
悠「いや、そりゃそうだけど……っか、例えばネットでバイト募集の広告を出してるとかはないのか?」
店主「そんなことできるの?」
なるほど。こりゃバイトが集まらなくてもしかたがない……。
悠「えっと、基本店に来るのは買い物客だから、しっかり人を求めるなら、ネットの人材募集掲示板に書くとか、比良賀輝ってわかるか?彼女のやってる瓦版に広告を載せてもらうとかしないと」
店主「はぁ~……そんなものがあったんだ、知らなかったよ」
そんなしみじみと感心されても……。逆にそんなことも知らない人がいたなんてことのほうがおれには驚きだ。でもまぁ、きっとこのひとが特別ネットとかの情報に疎いだけで…
吉音「へ~……そんなのがあるんだ。あたし全然知らなかったよ」
悠「お前もかよ…」
店主「ありがとう!色々当たってみることにするよ!」
悠「あー……頑張ってくれ。」
依頼はどうやら解決のようだ。
依頼主が店主を勤めるという寿司屋にやって来た。その店は大通りに面してはいるが、どちらかといえばはずれの方にあった。
吉音「ねぇ悠~!せっかくだからお寿司食べていこうよ~」
悠「……こんな高そうな店、無理に決まってんだろ。」
比較的古い感じの店舗。しかし、その古さの中にどことなく趣があり、高級料理店のような雰囲気を醸し出している。
店主「ははは、高いなんてそんなことないよ。外観の話だったら、この建物が長く使われているってだけだよ。学園の黎明期から代々後輩に受け継がれてきたんだ、なかなかいい感じだろ?」
たしかに老舗の料理店といった感じでいい雰囲気を出している。
吉音「でも、どうしてそんな歴史のあるお店なのにアルバイトが来てくれないの?」
店主「それが分かんなくて困っててね……」
お手上げというように肩をすくめる店主。一見おどけたような態度だが、顔にははっきりと困惑の表情が浮かんでいる。
悠「失礼だけど……店の経営状況はどうなんだ?」
いくら歴史があって雰囲気のいいお店でも、経営があやしい店で働こうと思う生徒はいないだろう。そんなおれの内心は伝わっただろうに、それでも特に気を悪くした様子は見られず、むしろ苦笑いを返してきた。
店主「君の言いたいことはわかるよ……でもそれは大丈夫だ。口コミが続いているのか、贔屓にしてくれる人も多くてね。幸福なことにそれなりに忙しいよ。だからこそ、バイトが集まらないのが疑問でさ。」
悠「ほむ……いや、間違えた、ふむ。それは確かに妙な話しだな。」
吉音「ほんとほんと。もし悠の用心棒やってなかったら、あたしここでアルバイトしたいと思うもん。」
悠「……いっとくけど、寿司屋のバイトは別に寿司食べ放題じゃないからな」
吉音「うっ!そ、そんなこと、悠にいわれなくたってちょっとしか思ってないよ!」
悠「ちょっとは思ってんのかよ……。それで、バイトの募集ってどんな風に呼び掛けているんですか?」
店主「ああ、それはこれだよ」
店主が指差す、店先に張られた一枚の張り紙。そこにデカデカと書かれた「バイト募集」の文字。
悠「……あー?これだけ?」
店主「あ、やっぱり一枚じゃ少ない?」
悠「いや、そりゃそうだけど……っか、例えばネットでバイト募集の広告を出してるとかはないのか?」
店主「そんなことできるの?」
なるほど。こりゃバイトが集まらなくてもしかたがない……。
悠「えっと、基本店に来るのは買い物客だから、しっかり人を求めるなら、ネットの人材募集掲示板に書くとか、比良賀輝ってわかるか?彼女のやってる瓦版に広告を載せてもらうとかしないと」
店主「はぁ~……そんなものがあったんだ、知らなかったよ」
そんなしみじみと感心されても……。逆にそんなことも知らない人がいたなんてことのほうがおれには驚きだ。でもまぁ、きっとこのひとが特別ネットとかの情報に疎いだけで…
吉音「へ~……そんなのがあるんだ。あたし全然知らなかったよ」
悠「お前もかよ…」
店主「ありがとう!色々当たってみることにするよ!」
悠「あー……頑張ってくれ。」
依頼はどうやら解決のようだ。