ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】
ー長屋ー
男子生徒A「苦情ですかい?」
悠「ええ。それが、あなたの歌声がうるさいというものでして……。歌うなとまではいわないけど、もう少し控えてもらえませんか?」
要は歌声のボリュームをちょっと下げてもらえばいいだけだ。音痴うんぬんの話をして、この人を無意味に傷つけることもないだろう。
男子生徒A「……そいつは申し訳ねぇです。以後気を付けますわ」
男子生徒は素直に頭をさげた。うん、これだけ素直に頭を下げられる人なんだ。きっとこの事件が再発することはないと信じられる。
往水「そんな歌うのが好きなら、カラオケにでもいったらどうです?」
なるほど。そうやって事前策を出すことで、注意を受けた方にもできるだけ不満が残らないようにするのか。なかなか勉強になるな……。おれのこれまでのトラブルは……あ、 事前策無いや。
往水「隣近所の住民でも誘って」
ダメだこの人。絶対何も考えてない……。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「……ってことで、納得してくれました。」
事の顛末を逢岡さんに説明する。
想「ご苦労様です」
悠「なんていうか、やっぱり拍子抜けな感じがしますね」
想「不満ですか?」
悠「いや、不満はないですよ。特に大きな問題もなく解決できたわけだし。ただ、多少呆気なかった印象はあります」
想「そういう一つ一つの小さな積み重ねが良い空気を回し、信頼されることに繋がりますよ。それに……本日はまだまだ終わりそうにありませんよ?」
吉音「悠~~!次はこれ!」
悠「……見たいですね。」
次の投書を広げながら、心底楽しそうな雰囲気で吉音が駆け寄ってくる。
吉音「なになに?どうしたの?」
悠「なんでもない。それで、投書の内容は?」
吉音「うん。え~と……『誰かが何かぶつけたのか、階段の手すりが曲がっています。危ないのでなんとかしてください』……だって」
悠「んじゃ……まずはその手紙の差出人に会いに行くか。」
吉音「おっけー。れっつごー!」
ー大江戸学園・廊下ー
男子生徒B「ここです。見てくださいこれ!」
悠「確かに……ずいぶん派手に曲がってるなぁ」
手紙の送り主と合流して案内された階段の手すりは、誰が見ても一目で分かるほど大きく歪んでいた。
往水「なにかが力強くぶつかったといったところでしなぁ、やれやれ、一体どうやったらこんな風になるのやら」
呆れ交じりの中村さんの言葉に全面的に同意する。
悠「ほんとここまで歪むなんて、どんな馬鹿力でぶつかったんだか……」
吉音「ち、力は強いけど、バカじゃないと思うよ……うん。きっとなにかすごい事情があったんだよ。」
悠「どんな事情があったにせよ、とりあえず曲がったものは直さなきゃならないだろ。でもどうするか……。」
工具でもあればおれが直してもいいんだが…それでもすぐに直る物ではない。
男子生徒A「苦情ですかい?」
悠「ええ。それが、あなたの歌声がうるさいというものでして……。歌うなとまではいわないけど、もう少し控えてもらえませんか?」
要は歌声のボリュームをちょっと下げてもらえばいいだけだ。音痴うんぬんの話をして、この人を無意味に傷つけることもないだろう。
男子生徒A「……そいつは申し訳ねぇです。以後気を付けますわ」
男子生徒は素直に頭をさげた。うん、これだけ素直に頭を下げられる人なんだ。きっとこの事件が再発することはないと信じられる。
往水「そんな歌うのが好きなら、カラオケにでもいったらどうです?」
なるほど。そうやって事前策を出すことで、注意を受けた方にもできるだけ不満が残らないようにするのか。なかなか勉強になるな……。おれのこれまでのトラブルは……あ、 事前策無いや。
往水「隣近所の住民でも誘って」
ダメだこの人。絶対何も考えてない……。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「……ってことで、納得してくれました。」
事の顛末を逢岡さんに説明する。
想「ご苦労様です」
悠「なんていうか、やっぱり拍子抜けな感じがしますね」
想「不満ですか?」
悠「いや、不満はないですよ。特に大きな問題もなく解決できたわけだし。ただ、多少呆気なかった印象はあります」
想「そういう一つ一つの小さな積み重ねが良い空気を回し、信頼されることに繋がりますよ。それに……本日はまだまだ終わりそうにありませんよ?」
吉音「悠~~!次はこれ!」
悠「……見たいですね。」
次の投書を広げながら、心底楽しそうな雰囲気で吉音が駆け寄ってくる。
吉音「なになに?どうしたの?」
悠「なんでもない。それで、投書の内容は?」
吉音「うん。え~と……『誰かが何かぶつけたのか、階段の手すりが曲がっています。危ないのでなんとかしてください』……だって」
悠「んじゃ……まずはその手紙の差出人に会いに行くか。」
吉音「おっけー。れっつごー!」
ー大江戸学園・廊下ー
男子生徒B「ここです。見てくださいこれ!」
悠「確かに……ずいぶん派手に曲がってるなぁ」
手紙の送り主と合流して案内された階段の手すりは、誰が見ても一目で分かるほど大きく歪んでいた。
往水「なにかが力強くぶつかったといったところでしなぁ、やれやれ、一体どうやったらこんな風になるのやら」
呆れ交じりの中村さんの言葉に全面的に同意する。
悠「ほんとここまで歪むなんて、どんな馬鹿力でぶつかったんだか……」
吉音「ち、力は強いけど、バカじゃないと思うよ……うん。きっとなにかすごい事情があったんだよ。」
悠「どんな事情があったにせよ、とりあえず曲がったものは直さなきゃならないだろ。でもどうするか……。」
工具でもあればおれが直してもいいんだが…それでもすぐに直る物ではない。