ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
たまたま、その日は店を早くから開けていた。開もちろん、開けただけで客足はまばら、列を作るようなことなんかある訳もなし。自分に淹れたお茶を啜りながらぼーっとしていると。
ゴトッゴトッと荷台いっぱいに物を積みあげた軽トラックが近づいてく。どこかで祭りでもするのだろうか。そうなったら祭り客のおこぼれにあずかれるかもしれない。リッカや千夜いわく祭事ごとで気の大きくなった客は財布のひももゆるいとか言ってたし。
のうてんきにしてると件のトラックが目のまえで停車した。ところどころ塗装がはげて錆が目立つ年期のいったクボタの軽トラックにおれは見覚えがあった。
運転席側と助手席のドアが開いて巨体がふたつ降りてくる。
金剛「うっす。」
拳二「ようっ。商売繁盛してるか」
悠「あ、ゆっぱり金剛の軽トラだったか。どうしたんだ二人して……っか、珍しい組み合わせだな」
拳二「おうっ、話してやるから冷たい茶と茶菓子。」
悠「……ま、いいか。暇してたし座っててくれ。はなちゃん、団子とかなんでもいいから適当に盛ってくれ」
はな「はーいです」
金剛「景気はどうよ?」
はな「ぼちぼち……いや、ぽてぽてですね」
拳二「かっかっか。ぽてぽてはよかったな。」
悠「客数は少ないけど、すごい取り柄もあるんだぞ」
拳二「なんだよ」
悠「美人の客が多い。っか、基本ここらの女の子は可愛いくてレベル高いぞ」
はな「コホン!」
悠「はなちゃんも可愛いよ」
はな「とって着けたようなセリフです」
拳二「そういや、乳……もとい、新の嬢ちゃんはよ?」
金剛「アンタ今エライ間違いを言わなかったか?」
悠「新ならひとの部屋で高いびきだよ」
吉音「zzz…zzz……」
悠「そんなことより、あれはなんだ?」
金剛「屋台をバラ(解体)したものだ」
悠「屋台?やっぱ祭りでもあるのか?」
拳二「ちげぇよ。テキ屋がひとり引退するんで屋台を引き取ってくれっていわれてたんだよ」
悠「なんでお前(ヤクザ)がやってんだ?」
拳二「みの持ち主ってのが、うちのオジキ(組長)が昔世話になったジイさんらしくてな、組で処分するって事になって俺が一任されたんだよ」
悠「ようはこき使われた訳か」
拳二「かっかっか。まーそーゆーこった。」
悠「なんの屋台なんだ?」
拳二「おっ、興味あるのかよ。このスケベエが」
悠「団子串で突き刺すぞ」
金剛「メインは鉄板焼きらしいけど焼き網とかの道具もあったな。まだまだ使えるような感じだよ」
悠「ふぅん……」
拳二「そうだ。悠、お前なんか作ってみないか」
悠「あー?」
拳二「どうせなら仕事納めでお前が締めてやれよ」
悠「その持ち主のジイさんならともかくなんでなんの関係もないおれが仕事納めしてやらなきゃならない」
拳二「金剛、そっちほどいて持ち上げてくれ」
金剛「わかった。よっこいしょ」
悠「おいコラ、なに勝手に準備してる。そもそも材料がないぞ」
はな「小麦粉なら沢山あるですよ」
拳二「裏の畑にキャベツゴロゴロしてたよな」
金剛「肉ならクーラーボックスに豚ブロックがあるぞ」
悠「え、なに確信犯なの?っか、ソースとかは……冷蔵庫にあるな。」
拳二「ちょっと遅いが昼だよな」
悠「あーもーわかったよ。お好み焼き焼いてやるよ。」
はな「キャベツ刻むです」
金剛「よし、肉はバラしてやる」
拳二「じゃ、ちょっとそこらでビールでも買ってくるか」
たまたま、その日は店を早くから開けていた。開もちろん、開けただけで客足はまばら、列を作るようなことなんかある訳もなし。自分に淹れたお茶を啜りながらぼーっとしていると。
ゴトッゴトッと荷台いっぱいに物を積みあげた軽トラックが近づいてく。どこかで祭りでもするのだろうか。そうなったら祭り客のおこぼれにあずかれるかもしれない。リッカや千夜いわく祭事ごとで気の大きくなった客は財布のひももゆるいとか言ってたし。
のうてんきにしてると件のトラックが目のまえで停車した。ところどころ塗装がはげて錆が目立つ年期のいったクボタの軽トラックにおれは見覚えがあった。
運転席側と助手席のドアが開いて巨体がふたつ降りてくる。
金剛「うっす。」
拳二「ようっ。商売繁盛してるか」
悠「あ、ゆっぱり金剛の軽トラだったか。どうしたんだ二人して……っか、珍しい組み合わせだな」
拳二「おうっ、話してやるから冷たい茶と茶菓子。」
悠「……ま、いいか。暇してたし座っててくれ。はなちゃん、団子とかなんでもいいから適当に盛ってくれ」
はな「はーいです」
金剛「景気はどうよ?」
はな「ぼちぼち……いや、ぽてぽてですね」
拳二「かっかっか。ぽてぽてはよかったな。」
悠「客数は少ないけど、すごい取り柄もあるんだぞ」
拳二「なんだよ」
悠「美人の客が多い。っか、基本ここらの女の子は可愛いくてレベル高いぞ」
はな「コホン!」
悠「はなちゃんも可愛いよ」
はな「とって着けたようなセリフです」
拳二「そういや、乳……もとい、新の嬢ちゃんはよ?」
金剛「アンタ今エライ間違いを言わなかったか?」
悠「新ならひとの部屋で高いびきだよ」
吉音「zzz…zzz……」
悠「そんなことより、あれはなんだ?」
金剛「屋台をバラ(解体)したものだ」
悠「屋台?やっぱ祭りでもあるのか?」
拳二「ちげぇよ。テキ屋がひとり引退するんで屋台を引き取ってくれっていわれてたんだよ」
悠「なんでお前(ヤクザ)がやってんだ?」
拳二「みの持ち主ってのが、うちのオジキ(組長)が昔世話になったジイさんらしくてな、組で処分するって事になって俺が一任されたんだよ」
悠「ようはこき使われた訳か」
拳二「かっかっか。まーそーゆーこった。」
悠「なんの屋台なんだ?」
拳二「おっ、興味あるのかよ。このスケベエが」
悠「団子串で突き刺すぞ」
金剛「メインは鉄板焼きらしいけど焼き網とかの道具もあったな。まだまだ使えるような感じだよ」
悠「ふぅん……」
拳二「そうだ。悠、お前なんか作ってみないか」
悠「あー?」
拳二「どうせなら仕事納めでお前が締めてやれよ」
悠「その持ち主のジイさんならともかくなんでなんの関係もないおれが仕事納めしてやらなきゃならない」
拳二「金剛、そっちほどいて持ち上げてくれ」
金剛「わかった。よっこいしょ」
悠「おいコラ、なに勝手に準備してる。そもそも材料がないぞ」
はな「小麦粉なら沢山あるですよ」
拳二「裏の畑にキャベツゴロゴロしてたよな」
金剛「肉ならクーラーボックスに豚ブロックがあるぞ」
悠「え、なに確信犯なの?っか、ソースとかは……冷蔵庫にあるな。」
拳二「ちょっと遅いが昼だよな」
悠「あーもーわかったよ。お好み焼き焼いてやるよ。」
はな「キャベツ刻むです」
金剛「よし、肉はバラしてやる」
拳二「じゃ、ちょっとそこらでビールでも買ってくるか」