ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【8】
ー大江戸学園:林内ペンションー
和斗「あ、そうだ。話は変わるんですが昨夜事務室に始めてはいったら、変なドアがあったんです。」
葉月「変なドアって?」
和斗「前に書類棚があるんです。まるでドアを隠してるみたいに……」
葉月「そこに何かあるのかな」
和斗「わかりませんけど、皿井さんに事務室に入らないでって、言われてました。だから、見られたくないものがあるのかも……。」
葉月「気になるなあ。でも勝手に開けるわけにもいかないし」
和斗「ですね。それと、昨日悠さんの部屋へ清掃に入ったら、名刺を見つけたんです。一之瀬組渉外部長、瓦谷拳二って……」
葉月「つまり、小鳥遊さんはヤクザと関係してるってこと?」
和斗「だと思います」
葉月「そうなんだ。だとしたら城ちゃんはなんなんだろうね。」
和斗「ヤクザの関係者なのに怖くないんですか?」
葉月「そりゃ怖いけど、あたしたちには優しいから」
和斗「ヤクザの関係者って考えると、やっぱり事件のことを想像しちゃいます。」
葉月「ペンションサライは怪しい人だらけね。部屋にこもったままの胡桃沢さんや元ヤクザだっていう釜井さんもいるし……」
和斗「僕はどうですか。犯人の疑いは……」
葉月「ないない。」
スーパーについて駐車場に車を止めた。
買い物カゴを下げて店内に入ったが、なにを買うべきか迷う。陳列棚を見ながら歩いていると、葉月が鮮魚コーナーで足を止めた。彼女の視線を辿ったら、ウナギのかば焼きだった。値札には国産ウナギ一尾激安特価千三百円とある。
和斗「鰻ですか」
葉月「土用の丑の日はすぎちゃったけど、今年はまだ食べてない那と思って。」
和斗「僕も食べてないです。」
葉月「やっぱり予算的に厳しい?」
和斗「国産にしちゃ安いですよね。ひとり一尾は無理ですけど、半分なら。」
ウナギのかば焼きは温めるだけでいいから簡単だ。今朝の朝食は時間を掛けたわりにパッとしなかったが、ウナギならみんな喜ぶだろう。
ウナギのかば焼きはそのまま出すとして、付け合わせは何にするか。
葉月と相談した結果、イカ刺しとシジミと長いもを買った。シジミは味噌汁にして、長芋は短冊に切って海苔と醤油をかけるつもりだった。あしたの朝食でサラダにしようと、ブロッコリーとアボガドも買った。
いくぶん予算はオーバー気味だが、皿井が居ないのだから、すこしくらい皿井にサービスしてもいいだろう。
和斗「あ、そうだ。話は変わるんですが昨夜事務室に始めてはいったら、変なドアがあったんです。」
葉月「変なドアって?」
和斗「前に書類棚があるんです。まるでドアを隠してるみたいに……」
葉月「そこに何かあるのかな」
和斗「わかりませんけど、皿井さんに事務室に入らないでって、言われてました。だから、見られたくないものがあるのかも……。」
葉月「気になるなあ。でも勝手に開けるわけにもいかないし」
和斗「ですね。それと、昨日悠さんの部屋へ清掃に入ったら、名刺を見つけたんです。一之瀬組渉外部長、瓦谷拳二って……」
葉月「つまり、小鳥遊さんはヤクザと関係してるってこと?」
和斗「だと思います」
葉月「そうなんだ。だとしたら城ちゃんはなんなんだろうね。」
和斗「ヤクザの関係者なのに怖くないんですか?」
葉月「そりゃ怖いけど、あたしたちには優しいから」
和斗「ヤクザの関係者って考えると、やっぱり事件のことを想像しちゃいます。」
葉月「ペンションサライは怪しい人だらけね。部屋にこもったままの胡桃沢さんや元ヤクザだっていう釜井さんもいるし……」
和斗「僕はどうですか。犯人の疑いは……」
葉月「ないない。」
スーパーについて駐車場に車を止めた。
買い物カゴを下げて店内に入ったが、なにを買うべきか迷う。陳列棚を見ながら歩いていると、葉月が鮮魚コーナーで足を止めた。彼女の視線を辿ったら、ウナギのかば焼きだった。値札には国産ウナギ一尾激安特価千三百円とある。
和斗「鰻ですか」
葉月「土用の丑の日はすぎちゃったけど、今年はまだ食べてない那と思って。」
和斗「僕も食べてないです。」
葉月「やっぱり予算的に厳しい?」
和斗「国産にしちゃ安いですよね。ひとり一尾は無理ですけど、半分なら。」
ウナギのかば焼きは温めるだけでいいから簡単だ。今朝の朝食は時間を掛けたわりにパッとしなかったが、ウナギならみんな喜ぶだろう。
ウナギのかば焼きはそのまま出すとして、付け合わせは何にするか。
葉月と相談した結果、イカ刺しとシジミと長いもを買った。シジミは味噌汁にして、長芋は短冊に切って海苔と醤油をかけるつもりだった。あしたの朝食でサラダにしようと、ブロッコリーとアボガドも買った。
いくぶん予算はオーバー気味だが、皿井が居ないのだから、すこしくらい皿井にサービスしてもいいだろう。