ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【8】
ー大江戸学園:林内ペンションー
翌朝、空は青々と晴れ渡っていた。
業務が終わったあと、皿井は料理の練習だといって、余った肉を焼いた。おれも傍で見ていたが教えた通りの方法で焼けるようになると、見違えるほどうまくなったとすっかり感動していた。
そして吉音たちは昨日のうちに帰らせておれは余った部屋に泊まらせてもらった。
このペンションの朝一番の仕事は朝食の準備だ。一階に下りると和斗が挨拶してきた。
和斗「おはようございます」
悠「おはようさん。朝飯は何時からだ?」
和斗「8時です。」
厨房から皿井がでてきていった。
皿井「あの、朝食のことなんですけど、またアドバイスをいただけますか?」
悠「どんなメニューだ?」
皿井「えー、今日は粗びきソーセージ、目玉焼き、コールスローサラダ、トーストです。食後にコーヒーかオレンジジュースがつきます。」
悠「ありふれてるな。」
皿井「すいません。予算がないもので……」
悠「まぁいいや。とりあえず一人分作ってみてくれ。」
皿井「わかりました。」
厨房に入った。皿井はまず湯を沸かして、キャベツとニンジンを千切りにし、玉ねぎを横向きに軽くスライスした。それをボウルに入れてマヨネーズと酢、塩コショウであえた。
悠「サラダはそこまででいい。残りのメニューを作ってくれ。」
皿井「は、はい」
皿井は首をかしげつつ、沸騰した湯に粗びきソーセージを入れ、サラダ油をひいたフライパンを加熱して卵を落とした。やがて白身が固まってきたところで、少量の水を入れて蓋をした。次に食パンを大型のオーブンに入れ、タイマーをセットした。
最後に、茹でた粗びきソーセージにケチャップをかけ、塩コショウを振った目玉焼きと皿に盛った。焼き上がったトーストは、一個ずつ包装されたバターとジャムを添えて皿に乗せた。
皿井「できました。味見してください。」
悠「味見するまでもない。」
皿井「えっ?!」
悠「平凡すぎる。これじゃあ家で食べるのと変わらない。」
皿井「ソーセージや目玉焼きだからでしょうか」
悠「食材じゃなく、作り方だ。このキャベツの千切りは不ぞろいで、見た目が悪い。」
皿井「ですよね。プロみたく細く切れないんです。」
悠「細さの問題じゃない。まずキャベツは葉と芯を分けて切る。芯はいったん薄く切ってから千切りにして、葉の部分に幅をそろえる。」
皿井「不揃いとはそういうことですか。」
翌朝、空は青々と晴れ渡っていた。
業務が終わったあと、皿井は料理の練習だといって、余った肉を焼いた。おれも傍で見ていたが教えた通りの方法で焼けるようになると、見違えるほどうまくなったとすっかり感動していた。
そして吉音たちは昨日のうちに帰らせておれは余った部屋に泊まらせてもらった。
このペンションの朝一番の仕事は朝食の準備だ。一階に下りると和斗が挨拶してきた。
和斗「おはようございます」
悠「おはようさん。朝飯は何時からだ?」
和斗「8時です。」
厨房から皿井がでてきていった。
皿井「あの、朝食のことなんですけど、またアドバイスをいただけますか?」
悠「どんなメニューだ?」
皿井「えー、今日は粗びきソーセージ、目玉焼き、コールスローサラダ、トーストです。食後にコーヒーかオレンジジュースがつきます。」
悠「ありふれてるな。」
皿井「すいません。予算がないもので……」
悠「まぁいいや。とりあえず一人分作ってみてくれ。」
皿井「わかりました。」
厨房に入った。皿井はまず湯を沸かして、キャベツとニンジンを千切りにし、玉ねぎを横向きに軽くスライスした。それをボウルに入れてマヨネーズと酢、塩コショウであえた。
悠「サラダはそこまででいい。残りのメニューを作ってくれ。」
皿井「は、はい」
皿井は首をかしげつつ、沸騰した湯に粗びきソーセージを入れ、サラダ油をひいたフライパンを加熱して卵を落とした。やがて白身が固まってきたところで、少量の水を入れて蓋をした。次に食パンを大型のオーブンに入れ、タイマーをセットした。
最後に、茹でた粗びきソーセージにケチャップをかけ、塩コショウを振った目玉焼きと皿に盛った。焼き上がったトーストは、一個ずつ包装されたバターとジャムを添えて皿に乗せた。
皿井「できました。味見してください。」
悠「味見するまでもない。」
皿井「えっ?!」
悠「平凡すぎる。これじゃあ家で食べるのと変わらない。」
皿井「ソーセージや目玉焼きだからでしょうか」
悠「食材じゃなく、作り方だ。このキャベツの千切りは不ぞろいで、見た目が悪い。」
皿井「ですよね。プロみたく細く切れないんです。」
悠「細さの問題じゃない。まずキャベツは葉と芯を分けて切る。芯はいったん薄く切ってから千切りにして、葉の部分に幅をそろえる。」
皿井「不揃いとはそういうことですか。」