ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【8】

ー大江戸学園:茶屋小鳥遊堂ー

悠「えーと、人払いしましょうか?」

光姫「うーむ……まぁ、ここに残っとるのは身内のようなもんじゃし構わんぞ。」

悠「一名ほど明らかに部外者いますけどね。」

迦楼羅「ニコニコ」

城「悠さんしか見てませんから問題ないと思いますよ。」

寅「俺らはこれを食い終わったら勝手に帰るから気にしないでいい。」

左近「別に盗み聞きもしやせんぜ。」

城「嫌でも聞こえる距離ですけどね。」

光姫「コホン、悠さんは大江戸学園島にあるペンションを知っとるかえ?」

悠「ペンション?そんなものあるんですか?」

寅「左近、知ってるか?」

左近「ああ、行ったことたぁありませんが森の中にいくつかのペンションはあるみたいですね。」

悠「めっちゃ聞いとるやん。」

光姫「そのペンションのオーナーとはなじみがあったんじゃが身体を壊して引退してしまってな。今は新しいオーナーで営業しておるんじゃ。」

悠「へぇ」

光姫「じゃが……今のオーナーは前オーナーとは違ってあまり料理が得意な方ではなくてな、色んな意味で経営が落ち込み気味になっておる。」

悠「はぁ、そりゃペンションに泊まりに行って飯がイマイチなのはよろしくないな。」

左近「ペンションだけでなくホテルとかも素泊まり以外で食事がイマイチなのはマイナス点になりやすからね。」

寅「そんなもんか?美味いにこしたことはねぇが、ゴミみたいなものさえ出されなけりゃ俺は気にしねぇが。」

左近「まぁ、寅さんの場合は旅行やオリエンテーションで泊まりに行くってこたぁ、あまりないでしょうからね。」

城「それでそのことと悠さんに何の関係があるんですか?」

光姫「うむ。皆も知っての通り悠は料理の腕は本物じゃ。そこで、料理指導をしてやってはくれんか?」

悠「えぇ!?おれがですか!!?」

光姫「ワシが知っとる中で人に教えられるぐらい腕前を持っていてかつレパートリーが豊富なのは悠さんしかおらんと思ってな。」

悠「いやいや、いくらなんでも買い被りすぎですよ……。」

迦楼羅「スゴイ!頑張って!!」

悠「押すんじゃねぇよ!!」

光姫「もちろん、無理にとは言わんが。もしやってくれるというのならいくばくかの謝礼も用意するつもりじゃ。」

悠「謝礼……。」

左近「引っかかりましたね。」

城「松永さんに借金がありますから今お金にはシビアになっているんですよ。」
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