ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【7】

ー大江戸学園:茶屋小鳥遊堂ー

悠「よし、今日はもう帰っていいぞ。」

城「あ、はい。お疲れ様です。……いや、ほとんど一日ピンポン玉はねさせてたんですけど」

悠「あ?うちには客が少ないっていいたいんか?おぉん?」

城「えっと…………はい」

悠「もっと必死に取り繕うとか否定の言葉探せや。指の爪全部剥いで、むき身になった部分に突きさしていってやろうか」

城「無茶な…」

悠「無茶を乗り越えて成長する誰かが言ってた気がするから。とりあえず、試しに一枚剥いで突き刺してみるか……。」

城「絶対に何の成長もしないからやめてください!!」

久秀「うるさいわよ。なにを騒いでんの」

悠「久秀、お前なぁ!」

久秀「なによ」

悠「急にこんなの預けていってどういうつもりだ!」

城「こんなのって…」

久秀「いいじゃないの。人手は必要でしょう。」

悠「「……まぁ必要ではあるが」

久秀「でしょ?それも従順でロハで使えるんだからいいことしかないじゃない」

城「あの、ロハってなんですか?」

悠「タダ、つまりは無料ってことだ。」

城「あぁ…」

久秀「それにアンタを見張る監視役もいるのよ。」

悠「コイツに見張りが務まるとでも?」

久秀「チクリはできるでしょ」

悠「いや、別に完全に落として縄か何かで縛ってそこら辺に転がしておけば……」

城「私が何をしたっていうんですか……」

久秀「と・に・か・く、久秀は事業とかで本当に忙しくなるのよ。」

悠「あっ!そうだ、デコと影子を使うって言ってたよな!」

久秀「ああ、その二人ね。護衛と諜報に丁度いい人材だからって聞いてね。」

悠「お前、人の家の住人を勝手に」

久秀「給料は払うし、ちゃんとした契約書もかわすわよ」

悠「ぐぬぬ」

城「すごい全部先手打たれてる。」

久秀「というかアンタは少し父親とも話しなさいよ。」

悠「いや、なに話したらいいかわかんないし……」

久秀「思春期か」

悠「というか、今更おれが親父と話しても闘技会会長なんだっていう嫌なバックが見えてしまうから話したくないんだよ……。」

城「どうしてですか?」

悠「そらそうだろ。おれは滅堂の牙みたいなポジションになる気もないし。逆におれが何か手伝えることもないからな。」

久秀「まぁ、そのとおりね。」

悠「……」

久秀「なによ」

悠「いや別に……」
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