ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【7】

ー大江戸学園:茶屋小鳥遊堂ー

城「……という感じの話し合いになってました。他にもいくつか細々と話していましたけど…。」

悠「細々ってのも話せよ」

城「ええと……初見泉さんが島から帰島直後に行方不明になって連絡も取れなくなったとか」

悠「いいわ、細々のところは聞いても意味なさそうだ」

城「あと、小鳥遊製薬西日本本店とその他関係会社の経営権を全て小鳥遊梔さんが担う形で代表取締役社長となるそうです。」

悠「そういう大事なことは先に話・な・せ・や!」
ドスッ!ドスッ!ドスッ!
城「ぎゃぅっ!」

吉音「……え?どういうこと?」

悠「つまりだな、今までは小鳥遊製薬は一応柏が担っていた。んで、梔姉さんは規模こそは大きくないが織物や香料製品はては京野菜まで色んな会社を持ってた。で、今回親父が会長になって小鳥遊コンツェルでも事業改革が起こる。そうなると他会社との連携を取る前に身内での伝達に混乱や齟齬が生じる可能性が高い。だから西の会社を梔姉さんがまとめて親父の総合本社との提携を分かりやすくした。それで、表向きは警官の柏はそっちに根を張りつつ、裏方で動くって算段だろう。そうなると、例えば今、利権をかけた個人間の闘技が開催されても西でもこっちでも闘技者に金剛を出せるわ……」

吉音「くぅくぅ…」

悠「……お団子」

吉音「お団子!」

悠「はい、おはようございます。」

城「すごい、ほとんど松永さん達が話していた通りです。」

悠「このぐらいはちょっと考えたらわかる。」

城「じゃあ、私の仕事も半分終わりました。」

吉音「お仕事?」

城「はい、今日聞いた話を悠さんに伝えるように松永さんに頼まれたんです。」

悠「それが半分でもう半分は?」

城「この手紙を渡すようにと」
スッ
悠「手紙?随分と手間なことを…」

城「メールを送ったらいいのではと私もいったんですけど悠さんは携帯を見ない可能性があるからと」

吉音「さすがひーちゃん、しっかりと先手打ってきてるね。」

悠「……手紙かせ」

城「どうぞ」

悠「………………は?」

城「え?」

吉音「なになにどしたの?」

悠「……人手が足りないから余っている人材を借りてくと書いてある。」

吉音「誰のこと?」

悠「秘書は串田、護衛に……楓子、そして諜報要員に影子をウチから引っ張っていくと、そして……」

吉音「そして?」

悠「城は連絡係に使うから、それ以外の時はおれが面倒見ろ、と」

城「え、ホントですか!やったー!」

悠「ただし」

城「え?」

悠「店の従業員として雇う形でお前の給料はおれの借金から天引きしするそうだ。」

城「え?え?ど、どういうことですか?」

吉音「どういうこと?」

悠「つまりお前は弟子の枠じゃなくて伝書鳩兼バイトだ。そしてお前が働けばおれの借金減る……すばらしいな!」

城「よくないんですけど!?」

悠「きっちり働けば気が向いた時に鍛錬してやるよ。気が向いたらな。」
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