ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【7】

ー東京:ビル内ー

久秀「ふーん……なかなか大胆に変更を考えてるのね。」

兜馬「うむ。片原相談役にも話は既に通してある。」

久秀「聞くまでもないと思うけど、片原相談役はなんて?」

兜馬「高笑いして面白い、やってみるといいんじゃね?といわれたよ」

串田「さすがッスね」

城「流石というより軽すぎませんか?」

ミッシェル「実際はもっともっと軽い口調で言ってたからな。」

久秀「まぁ、いいんじゃないかしら。……って、久秀が偉そうに言える立場でもないのだけど。……それは置いといて、そろそろ本当の要件を話してもらえるかしら?」

兜馬「もちろん、この変更情報も本筋だよ。だが、だらだらと話すのは私も得意ではないかので端的に言わせてもらうが……この先、私は一部の闘技会員を纏めるつもりでいる。派閥というわけではないが第二第三の速水の様な輩を産みだすわけにもいかないからな。そこで、松永君も役員のひとりになってもらいたい、という打診が今日の本筋だ。」

久秀「あら、役員だなんて随分と高待遇なお話ね。久秀なんて闘技会員でいえば弱小小社もいいところなのに。」

柏「準優勝した勝者ってだけで十分に箔がついてるのわかってんだろ。小娘」

久秀「ふんっ」

兜馬「柏君、落ち着きなさい。だが、今いった通り準優勝社である君は既に他の社と派閥を作りだしているのだろう?例えば……」

柏「周防製鉄」

城「!?」

久秀「耳がお早いことで」

兜馬「というか、君を買っているのは私だけではない。義伊國屋書店の大屋さん、義武不動産の義武啓郎も君が役員に加わることを押している。どうだね、末席にはなってしまうがぜひとも役員の一員に加わっていただきたい。」

久秀「いいわよ」

城「え、いいんですか?!」

久秀「なによ、久秀が断るとでも思ってたわけ?」

城「いや、だってさっきから態度が……」

久秀「久秀はいつもこんな感じよ。というか、闘技会の中枢役員になれるのを断ってもなんのメリットもないでしょうが。」

城「は、はぁ…」

久秀「ごめんなさいね。色々と分かっていないのが口を挟んでしまって」

兜馬「この場は公的なところではない。ただの世間話をしているだけだから問題はないさ。」

柏「何を言ってもいいようにこんな場所を選んだわけだからな。」

久秀「ちなみに、このビル自体は何にするつもりなのかしら?」

兜馬「ここは派遣会社を設置するつもりだよ。」

久秀「ああ、「派遣」ね。」

兜馬「そう「派遣」だ。」
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