ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【7】

ー絶命闘技会ドーム:屋外パーティ会場ー

ミッシェル「……ところでアイツの容態はどうなんだ?」

城と久秀が目を合わせると、久秀は軽く首を振って城がいった。

城「……相変わらずです。決勝の後からずっと眠ったまま……。」

片原会長のメディカルチームが治療してくれてますが……この島で精密検査をするのは難しそうで…至急、本土へ輸送する準備をしてもらってます。

話していると何処からか骨付き肉をもちゃもちゃと頬張りながら串田凛がやってきた。

串田「悠さんなら目が覚めたみたいっすよ。」

城「串田さん!!?」

串田「いえね。お見舞いがてら、メディカルセンターに寄ってきたんですけど」

悠さん、突然起き上がったと思ったら、「飯食ってくる」……って、フラッと出ていっちゃったみたいッス。

久秀「あら、思った以上に元気みたいね。」

串田「ひとまずは安心ですね!!!」

ミッシェル「飯食いたいから起きてくるとは、アイツらしいな。」

久秀「まったくね。まぁいいわ、早速探しにいきましょうか。」

そう話しているうちに城が走りだした。

串田「あらら!?ちょっと城さん……って、行っちゃったッスね。」

久秀「悠が無事でよっぽど嬉しかったんじゃない?」

串田「それじゃ、私らも悠さんを探しに行きましょう。」

久秀「そうね。」

ミッシェル「私は用件は伝えたから社長のところに戻るわ。悠を見かけたら伝言はしとく。」



一方、願流島の最端では海に沈む夕日をバックに崖の先には刀やナイフなどの武器がいくつもつき立てられており、護衛者隊長衆が集まっていた。

総隊長の厳城が一歩前に出た。

厳城「……25名の護衛者が命を落とした。さらばだ、兄弟たちよ。」

全員が黙とうを捧げる。



闘技ドームのやや近く森の中に、片原滅堂が願流島を買収する以前、闘技会員たちの宿泊施設として使われていた建物。現在は、反乱軍の収容施設となっている。

その場所で騒ぎが起こっていた。

東洋電力会長の速水勝正の守護者として雇われいた、蘭城という男。鷹山に倒され捕えられたいたのだが……死体で発見された。

「こ……こいつ、死んでる。」

「これは……毒か!!?」

目や鼻口から夥しい量の血をまき散らしたようで白いスーツが赤く染まり無惨な死に様だ。

「馬鹿なッ!!!どこにそんな物を隠し持っていた!!!」

「脱走だ!!!」

そんな声が別の場所から響いてきた。手の空いている護衛者たちが集まっていくが鉄格子の中の小部屋の壁に螺旋状の亀裂が走り中心には穴があいている。

「「「……桐生刹那ッ…!!!」」」

また、ドームと反対側にある海岸でもある者が発見された。

「塔から連絡があった。……蘭城が何者かに殺され、桐生刹那が姿を消した。」

トランシーバーに入った連絡を伝える護衛者とその前に立つ護衛者の目の前には、波打ち際の砂浜に座りこんでいるものが居た。それは蘭城と同じ守護者だった男、龍旼。ただし、その胸には自身の愛刀だった青龍刀が突き刺さり絶命している。

「ッ……「蟲」の関係者が、立て続けに死亡した……いや、殺された!??一体何が起こっている!?」
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