ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【7】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
切り札に次ぐ切り札。大技に次ぐ大技を叩きつけ続け……ついに決着の時が来た。立っているのがやっとの様子で小鳥遊悠は辛そうに呼吸をしている。
そこへレフリーの田城が小走りかけてきた。腕を振り上げて仕合終了の令を放とうとした瞬間、悠が左手を突きつけて止めた。
「っ……!?」
ビタッと停止する田城。止めた小鳥遊悠の視線の先では……氷室薫がなんと起き上がっていた。全身に無数の痣と裂傷からの出血、特に顔の左半分は血染めになっている。
「さ……流石ですね。まだこんなカードを隠していたなんて。先に大ダメージを与えておいて助かりました……でなければ今ので完全にKOでしたね。ですがまだ……私はイケますよ。」
それを見てレフリー田城は驚愕の表情を見せたが慌てて闘技者から離れた。
これはもう……わからない……。
ゆっくりと近づいてくる氷室に向かって悠も同じような速度で進みながら言った。
「今ので殆どガタガタだろうが。」
チッ……冗談じゃない。ダメージのせいで技の威力が何%か差し引かれたか……。さすがの俺も今のは決まったと思ったぜ……。片腕の【万雷風靡】じゃさらに確率は下がる。こいつにトドメになるかどうか……。それ以前に、もう一度成功するかもわかんねぇ……。
「何を今頃反省しています?悠さんらしくもない。とはいう……私もさすがに余裕は無くなってきました。さあ……決めましょうか!」
氷室が踏みこんだ。それに合わせるように悠も踏みこむ。
だが…………精神よりも先に肉体の方が限界が来てしまった。目の前に迫ってきている男の姿がぼやける。
目がッ!?出血のせいか!!!
瞬間、顎に何か硬いものがぶつかり突き抜けた。
あ……やべ……貰っちまった。
『…………!!』
『…………!!』
「…………!!」
「…………!!」
あらゆる音が耳障りなノイズのようになり聞こえない。
ッッ……!?なんだ……!?何が起きてるんだ…!?俺、何してんだっけ……?…………?
半無意識的にガードを固めるが何発もの打撃が肉体を壊さんと打ち据えてくる。
歪む視界に……映るのは……自分に向けて叫んでいる……人々の顔……。
摩耶が……金剛が……紅が……
なんだ……?
因幡が……関林が……久秀が……
何してんだ……?
迦楼羅が……吉音が……鈴猫が……そして城が……
「「「悠(さん)ッ!!!」」」
ああ、そうだった……俺は……!!
左拳を潰さんばかりに握りしめ氷室の顔面を殴り返す。
絶望を乗り越え、男は再び、拳を握る。
切り札に次ぐ切り札。大技に次ぐ大技を叩きつけ続け……ついに決着の時が来た。立っているのがやっとの様子で小鳥遊悠は辛そうに呼吸をしている。
そこへレフリーの田城が小走りかけてきた。腕を振り上げて仕合終了の令を放とうとした瞬間、悠が左手を突きつけて止めた。
「っ……!?」
ビタッと停止する田城。止めた小鳥遊悠の視線の先では……氷室薫がなんと起き上がっていた。全身に無数の痣と裂傷からの出血、特に顔の左半分は血染めになっている。
「さ……流石ですね。まだこんなカードを隠していたなんて。先に大ダメージを与えておいて助かりました……でなければ今ので完全にKOでしたね。ですがまだ……私はイケますよ。」
それを見てレフリー田城は驚愕の表情を見せたが慌てて闘技者から離れた。
これはもう……わからない……。
ゆっくりと近づいてくる氷室に向かって悠も同じような速度で進みながら言った。
「今ので殆どガタガタだろうが。」
チッ……冗談じゃない。ダメージのせいで技の威力が何%か差し引かれたか……。さすがの俺も今のは決まったと思ったぜ……。片腕の【万雷風靡】じゃさらに確率は下がる。こいつにトドメになるかどうか……。それ以前に、もう一度成功するかもわかんねぇ……。
「何を今頃反省しています?悠さんらしくもない。とはいう……私もさすがに余裕は無くなってきました。さあ……決めましょうか!」
氷室が踏みこんだ。それに合わせるように悠も踏みこむ。
だが…………精神よりも先に肉体の方が限界が来てしまった。目の前に迫ってきている男の姿がぼやける。
目がッ!?出血のせいか!!!
瞬間、顎に何か硬いものがぶつかり突き抜けた。
あ……やべ……貰っちまった。
『…………!!』
『…………!!』
「…………!!」
「…………!!」
あらゆる音が耳障りなノイズのようになり聞こえない。
ッッ……!?なんだ……!?何が起きてるんだ…!?俺、何してんだっけ……?…………?
半無意識的にガードを固めるが何発もの打撃が肉体を壊さんと打ち据えてくる。
歪む視界に……映るのは……自分に向けて叫んでいる……人々の顔……。
摩耶が……金剛が……紅が……
なんだ……?
因幡が……関林が……久秀が……
何してんだ……?
迦楼羅が……吉音が……鈴猫が……そして城が……
「「「悠(さん)ッ!!!」」」
ああ、そうだった……俺は……!!
左拳を潰さんばかりに握りしめ氷室の顔面を殴り返す。
絶望を乗り越え、男は再び、拳を握る。