ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【7】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
抜拳の速射砲が立っていることですら限界ギリギリの悠に降り注ぐ。だが、一打撃も当たらない。全てが反れ外れていく。
鞘香『まっ!!!また外れた!!!なぜ当たらないんだ!!!!』
捕えるでもなく弾くでもない、なぞる様に触れて敵の力で勝手に反らさせる。速さでも力でもない技術で対抗する。
しかし、ここに来て砕けたアバラと肩から滲み出るように痛みが広がる。鬼状態を切ったことで脳内麻薬の分泌が止まったのだ。
目の前まで魔槍が近づいていた。スレスレのところで流刃で突きを反らしたがかすり抜けていくと同時に頬と髪、そして耳の一部が裂けた。ほぼ本物の槍の威力に当たれば終わり……。
悠は一旦後ろに飛んで距離を開けた。地面を強く踏み力んだことで太ももからはボタボタと生命の滴が零れ落ちていく。
悠「ハァ……ハァッ……!!」
一瞬でも気を抜けばやられる!!!
当然ながら悠はもはや虫の息であるが氷室薫も僅かに疲れが出てきてはいる。
氷室「ふぅーー……!!」
しかし、大きく息を吸って吐くとハンドポケットの構えを取り直し、進み出る。
悠「フゥ……フゥ……。」
本気で仕留めに来ている。
幸い拳はまだ握れるが、肩の骨の一部が砕かれたのは……まずい。片腕が動かなくなってしまったらいくら流刃といえど抜拳の対処は不可能……。それに例え防御でき続けたとしてもいつかは出血で終わる……。
一刻の猶予もない。ならば、攻めに出るしかない。悠は口を大きく開けて空気を一気に取りこんだ。
何かしらの動きに出たことを当然、氷室も気付いていた。それでも尚、動きを止めない。真正面から踏みこみ魔槍で仕留めにかかる……が、ボンッと音を立てて姿が消えていた。
元居たところの地面が砕け血の跡を残している。氷室は滴り続いている方向に向き直ると。しっかりと立ちあがっていた。そしてどういうわけか太ももからの出血の勢いが弱まっている。
氷室「本当に……楽しませてくれますね。」
酸素を取りこみ下半身の関節にエアクッションを挟みこみ関節可動域の限界を超える。
【小鳥遊流:九頭竜ノ型・翠龍毒】
悠「さぁ……ラストスパートいくぜ!!」
もはや襤褸切れとなっているシャツを引き千切り投げ捨てて地面を踏みこんだ。
ボッという音と共に地面が砕け氷室との間合いを一気に詰めた。カウンターで迎え撃つが目の前までに来ていた悠はボッという音と共に消え、側面に回り込んでいる。
氷室「これは……!?」
桐生刹那が使っていた【孤影流・瞬】
抜拳の速射砲が立っていることですら限界ギリギリの悠に降り注ぐ。だが、一打撃も当たらない。全てが反れ外れていく。
鞘香『まっ!!!また外れた!!!なぜ当たらないんだ!!!!』
捕えるでもなく弾くでもない、なぞる様に触れて敵の力で勝手に反らさせる。速さでも力でもない技術で対抗する。
しかし、ここに来て砕けたアバラと肩から滲み出るように痛みが広がる。鬼状態を切ったことで脳内麻薬の分泌が止まったのだ。
目の前まで魔槍が近づいていた。スレスレのところで流刃で突きを反らしたがかすり抜けていくと同時に頬と髪、そして耳の一部が裂けた。ほぼ本物の槍の威力に当たれば終わり……。
悠は一旦後ろに飛んで距離を開けた。地面を強く踏み力んだことで太ももからはボタボタと生命の滴が零れ落ちていく。
悠「ハァ……ハァッ……!!」
一瞬でも気を抜けばやられる!!!
当然ながら悠はもはや虫の息であるが氷室薫も僅かに疲れが出てきてはいる。
氷室「ふぅーー……!!」
しかし、大きく息を吸って吐くとハンドポケットの構えを取り直し、進み出る。
悠「フゥ……フゥ……。」
本気で仕留めに来ている。
幸い拳はまだ握れるが、肩の骨の一部が砕かれたのは……まずい。片腕が動かなくなってしまったらいくら流刃といえど抜拳の対処は不可能……。それに例え防御でき続けたとしてもいつかは出血で終わる……。
一刻の猶予もない。ならば、攻めに出るしかない。悠は口を大きく開けて空気を一気に取りこんだ。
何かしらの動きに出たことを当然、氷室も気付いていた。それでも尚、動きを止めない。真正面から踏みこみ魔槍で仕留めにかかる……が、ボンッと音を立てて姿が消えていた。
元居たところの地面が砕け血の跡を残している。氷室は滴り続いている方向に向き直ると。しっかりと立ちあがっていた。そしてどういうわけか太ももからの出血の勢いが弱まっている。
氷室「本当に……楽しませてくれますね。」
酸素を取りこみ下半身の関節にエアクッションを挟みこみ関節可動域の限界を超える。
【小鳥遊流:九頭竜ノ型・翠龍毒】
悠「さぁ……ラストスパートいくぜ!!」
もはや襤褸切れとなっているシャツを引き千切り投げ捨てて地面を踏みこんだ。
ボッという音と共に地面が砕け氷室との間合いを一気に詰めた。カウンターで迎え撃つが目の前までに来ていた悠はボッという音と共に消え、側面に回り込んでいる。
氷室「これは……!?」
桐生刹那が使っていた【孤影流・瞬】