ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【7】

ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー

絶命レベルの攻撃を撃たれながら鬼状態の出力を更に上げ、ギリギリのところで立ち止まることに成功した。だが、安堵する隙は無い。氷室は次の猛攻に移ろうと迫りくる。

足を止めたら終わりだ。

こちらも踏みこみ攻めに出たが攻撃速度においては抜拳の方が圧倒的に速い。

【小鳥遊流:春夏秋ノ型・朧三日月】

目の前まで踏みこんでいた悠の姿が霞み、いつの間にかかなり低い位置に上半身を落とし氷室の足を捕えようと掴みかかっている。

「「「速いッッ!!!」」」

っが、氷室の眼はしっかりと悠の動きを捉え読み切っていた。悠の顎を左膝がかち上げた。口から鮮血を吹きあげ強制的に体躯を立ち上げさられ……抜斧(左肘)が落ちた。

身体をわずかにずらし顔面を穿たれることは免れたものの斧は胸を突きそのまま地面へと叩き落とされる。

上下に武力で揺らし壊される悠だが、バウンドするように飛び立ちあがるが……。

右肩に手刀が落とされた。立ちあがりという何の受けもできない全くの無防備への一撃に右肩の骨は砂糖細工のように砕ける。

氷室薫は素早く空気を肺に取り込み。鞘に仕舞った拳を抜き放つ。

【抜拳六連撃】

小鳥遊悠の全身に拳の雨が落ちたが……立っている。踏みとどまっているのだ。

アギト「(秋ノ型で流した。急所は外れている。)」

滅堂「(じゃが、大ダメージには変わりはない。)」

悠は歯を食いしばり何とか敵を捉える。全身が痛すぎてもはや痛くないところがない。身体を流れ落ちる血液はどこから出血しているの華も分からない。

……城が言ってたな。世界には、おれより強い奴がいるかもって。この男は、間違いなくそのうちのひとりだ。

更に顔面を打たれる。

だからって……諦めちまったら終わりだろ。

殴られながら悠は氷室の腕を掴みながら飛んだ。足を二の腕に絡め完全に極た。

意表を突かれた。悠の仕掛けたその技は、警戒していた鬼鏖ではなく、【小鳥遊流:秋冬ノ型双魚之縛】

因幡「いいぞ悠ッ!!」

氷川「そのまま折っちまえッ!!」

遂に決まった大技に闘技者たちから激が飛ぶ、そんななかひとり不満げに吐き捨てる男が居た。

雷庵「阿保。時間切れだ。」

氷室の鍛錬は、手足だけに留まらず。ありとあらゆる関節を気が遠くなる時間を掛けて鍛え上げる。時には矛として使用できるほど強固。瞬間的に折ることはほぼ不可能である。

悠の太ももに手刀が突き刺さった。それも深く深くだ。

貫かれる、そう思った悠は絡み極めていた腕を離して飛び落ちた。

鞘香『魔槍が刺さったアアアアッ!!たまらず腕ひしぎを解く悠選手!!!』
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