ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【7】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
会場中が観客たちの叫びと咆哮に包まれる。
鞘香『戦前に誰が予想できたでしょう!!?この衝撃的な結末を!!!!この大歓声!!!仕合後もまるで鳴りやむ気配がありません!!!!!!【滅堂の牙】加納アギト敗れる!!!闘技仕合の帝王が、準決勝で姿を消すこととなりました!!!』
初見「(おいおいおい……どうすんのこれ?)」
金剛「(この一戦が持つ意味は、とてつもなく大きい。)」
蓮「なんということ…!我等の新しき主が破れてしまった……!」
一つの時代が終わった。
闘技者達は悟った。
これから起こるであろう闘技会の大革命。
新たな王、氷室薫を中心とする、「戦国時代」の到来である。
選手登場口を敗者である加納アギトが護衛者の一人に肩を借りて退場する。トドメの一撃で額が割れとめどなく血が流れ落ちているが意識は戻っている。
アギト「……ここでいい持ち場に戻れ。」
身体を支えていた護衛者にそう伝えるとヒタヒタと薄暗い廊下を歩み進める。その先に三つの影を見た。
片原滅堂と親衛隊の二人だ。
アギト「……御前…………私は……」
何かを言いかけた加納の言葉を滅堂は手を伸ばし制した。
滅堂「アギト。主に、話しておくことがある。氷室薫をトーナメントに招聘したのは、このワシなんじゃ。」
アギト「……!」
加納を含め滅堂の左右に並ぶ王森と鷹山も目を見開いて驚いた表情になった。
滅堂「ま、そういうことじゃて敗北の責任は、ワシにある。主はな~~んも気にせんでええぞい。」
アギト「…………なぜ……」
滅堂「……飽いておった。」
アギト「!?」
闘技会会長となって幾年月が経ったか……いつからか、ワシの座を脅かす者は誰もおらんくなってしもうた。
滅堂「心底飽いたのじゃよ、狭い世界の王であり続けることに。」
アギト「……我々は井の中の蛙だったと?」
滅堂「左様。ワシは、対等な闘いをしたかった、かつて、会長の座を勝ち取った時のような……。トーナメントの話は、渡りに船じゃった。闘技仕合の内外から強豪が集まるトーナメント。ワシの目論見通り、闘技会に、新たな潮流が生まれた。とはいえ、まさか、主が敗れるとは思っておらなんだわ。ワシの長期政権もここで幕引き、湧いてくるのう。この年になって、再び挑戦者に戻れるとは、ワシャアまだ現役であり続けるぞい!カッカッカッ!」
アギト「……」
滅堂「……そして、主も、新たな道を行く時が来た。」
アギト「……御前、私からもお話が…私は……【滅堂の牙】の座を退きます。」
会場中が観客たちの叫びと咆哮に包まれる。
鞘香『戦前に誰が予想できたでしょう!!?この衝撃的な結末を!!!!この大歓声!!!仕合後もまるで鳴りやむ気配がありません!!!!!!【滅堂の牙】加納アギト敗れる!!!闘技仕合の帝王が、準決勝で姿を消すこととなりました!!!』
初見「(おいおいおい……どうすんのこれ?)」
金剛「(この一戦が持つ意味は、とてつもなく大きい。)」
蓮「なんということ…!我等の新しき主が破れてしまった……!」
一つの時代が終わった。
闘技者達は悟った。
これから起こるであろう闘技会の大革命。
新たな王、氷室薫を中心とする、「戦国時代」の到来である。
選手登場口を敗者である加納アギトが護衛者の一人に肩を借りて退場する。トドメの一撃で額が割れとめどなく血が流れ落ちているが意識は戻っている。
アギト「……ここでいい持ち場に戻れ。」
身体を支えていた護衛者にそう伝えるとヒタヒタと薄暗い廊下を歩み進める。その先に三つの影を見た。
片原滅堂と親衛隊の二人だ。
アギト「……御前…………私は……」
何かを言いかけた加納の言葉を滅堂は手を伸ばし制した。
滅堂「アギト。主に、話しておくことがある。氷室薫をトーナメントに招聘したのは、このワシなんじゃ。」
アギト「……!」
加納を含め滅堂の左右に並ぶ王森と鷹山も目を見開いて驚いた表情になった。
滅堂「ま、そういうことじゃて敗北の責任は、ワシにある。主はな~~んも気にせんでええぞい。」
アギト「…………なぜ……」
滅堂「……飽いておった。」
アギト「!?」
闘技会会長となって幾年月が経ったか……いつからか、ワシの座を脅かす者は誰もおらんくなってしもうた。
滅堂「心底飽いたのじゃよ、狭い世界の王であり続けることに。」
アギト「……我々は井の中の蛙だったと?」
滅堂「左様。ワシは、対等な闘いをしたかった、かつて、会長の座を勝ち取った時のような……。トーナメントの話は、渡りに船じゃった。闘技仕合の内外から強豪が集まるトーナメント。ワシの目論見通り、闘技会に、新たな潮流が生まれた。とはいえ、まさか、主が敗れるとは思っておらなんだわ。ワシの長期政権もここで幕引き、湧いてくるのう。この年になって、再び挑戦者に戻れるとは、ワシャアまだ現役であり続けるぞい!カッカッカッ!」
アギト「……」
滅堂「……そして、主も、新たな道を行く時が来た。」
アギト「……御前、私からもお話が…私は……【滅堂の牙】の座を退きます。」