ｰ絶命闘技会ドーム:死の森付近ｰ

決め手のタイミングで体幹が崩された刹那に悠は打撃を打ち込む。単純な力(パワー)は悠の方が圧倒的に上だ。刹那は両腕を縦、悠の打撃を受けるが芯に響く威力に歯を食いしばる。

刹那「ッ…………!!」

ガードして、ここまでのダメージっ……!!

瞬間、悠は刹那の手首を掴み、引っ張りこみながら右足も払う。

【小鳥遊流:冬ノ型・柳】

これで完全に体勢が崩れた。悠は左ストレートを叩きこむ。両腕をビッタリと胸元に備えて打撃をガードした刹那だったが今度は完全に押し込んだ、そのまま一方的に殴りつけられる。

桐生刹那、感触で分かるぜ。お前の不壊(に似た技)は、完璧じゃねぇ。このままじゃダメージが溜まる一方だ。

刹那もそれを理解して居たのだろう。身体を縮込めたまま大きく後ろに飛び下がって距離を開けようとした。

【小鳥遊流:夏ノ型・烈火】

後ろに下がる桐生に最大加速で突っこみ掴み捕えた。

悠「当然、お前は距離を取りに来る。させねぇよ。」

そして、そのままテイクダウン。刹那を地面に叩きつけ、半馬乗り状態で顔面へ拳を振り降ろす。力任せのハンマーブロウだがこの状態ではこれ以上とないほどに効果的だ。無数に振り降ろされる打撃の直撃が入らないように軋む腕で必死にガードし、隙を突いて羅刹掌で脇腹を捩じろうとした。

しかし、一瞬早く悠は立ち上がり避けた。それに合わせて刹那も身を起こして反撃に出ようとする。

刹那「無駄だよッ!そんな技なんッ…」

だが、完全に身を起こす前に悠の蹴りが刹那の顎を打ち上げた。そして追撃、会心のボディブロー。

ついに刹那の足が止まった。

水燕の連射が全身を打つ、ガードが間に合うわけもなく直撃にさらされるが致命となる打撃は反らし、更に腕を無理やり刺し込んで守りの体勢へと移行するが、その腕はすぐに掴み取られる。

悠「刹那……これが小鳥遊流だ。」

上半身を引っ張り倒し、顔面へ蹴りを放った。柳からの鉄砕・蹴が完全に決まった……。

否、決まったはずだったのだが、刹那は掴まえられている筈の悠の手から抜け、鉄砕・蹴りを避け逃げた。

刹那「ハアァァぁ…」

悠「……」

肩を外して、極めを解きやがった…………いや、それだけじゃねえ。あのタイミングで蹴りをかわすのはほぼ不可能。

刹那「……あの角度に腕を極められたら、伝導する力が分散し、羅刹掌が使えない。危ないところだったよ。だけど「こっち」が、ギリギリ間に合った。」

城「!!??」

ちッッ!!??違う!!??刹那さんが隠していたのは、【鬼状態】じゃない!!!!???

【※※流第二奥義・降魔】