ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー絶命闘技会ドーム:VIPルームー
魏恵利央と滅堂の会話に護衛者の鷹山ミノルが口を開いた。ちなみにバックリと切り裂かれた手のひらと切断された指を医者に縫いつけられている。
鷹山「お言葉ですが、恵利央様。東洋電力一派は壊滅同然です。」
「終わりました。何か違和感はありますか?」
縫い終わった掌を見つつ、指を軽く動かし、問題ないと答えた。
前滅堂の牙である王森正道が言った。
王森「ランカーと呼ばれる守護者は全滅、囮の侵入者も全て捕縛しました。」
絵利央「……「蟲」が出たそうじゃのう。速水が何故、捨て身と言えるクーデターを起こしたのか合点が言ったわ。奴は、「蟲」と通じておったんじゃな。」
滅堂「…知っておったか、確認できた「蟲」は二人。ひとり(蘭城)は捕縛したがもう一人は目下捜索中じゃ。守護者ランキング2位龍旼。ランキング1位の鬼頭よりずっと厄介な奴じゃわい。」
願流島内、死の森。
ザシュッと水気を孕んだ肉を切る音が二度響いた。護衛者が二人、一人は首が刎ねられ、もうひとりは肩から胸にかけて袈裟切りになり息を絶った……。
左手にもったトランシーバーを耳に当て、右手に持った青龍刀を振るって血を払い飛ばす。
龍旼「小鳥遊悠「捕縛」は蘭城がしくじった。速水は拘束。もはや闘技会の掌握は不可能だろう。問題ない、「次の駒」は手配済みだ。明後日て例の場所で待ってるぜ。」
ロンミンは夜に包まれた死の森の中へと消えていく……。
摩耶「……わからない。」
賑やかなパーティーの中で摩耶は壁に凭れつつひとりごちに呟いた。
目の前では世にも珍しい右京山寅がステージでカラオケで意外なほど澄んだ歌声を披露しており、周りにはアダムやサーパイン、紅に氷川、大久保と闘技者メンバーがタンバリンを振って賑やしている。
そんな様子を眺めつつ摩耶は、ロンミンのことを考えていた。
『闘う意味がなくなった。あばよ。』
そういってアイツは勝負を切り上げた。……もう少しだったの……もう少しで、完成させることができたのに……。
「摩耶」
ふいに声をかけられた。顔を向けると西品治警備の社長、西品治明がたっていた。
摩耶「ああ、明さん。どしたの?」
西品治「……回りくどいのは苦手だ。単刀直入に伝える。」
摩耶「え?」
西品治「次の仕合、お前は使わない。西品治警備保障は、闘技者を交代する。」
煌々と光の柱を上げる炎の前で小鳥遊悠と小鳥遊兜馬が顔を見合わせていた。
兜馬「戻ったか悠。」
悠「……親父と話すのも久しぶりだな。アンタ、どこまで知ってんだ?」
少し離れたところで城厘と串田凛が顔を見合わせた後、松永久秀の方に顔を向けたが首を左右に振って自分も何の話かわからないと示した。
兜馬「……なんのことだ?」
悠「おいおい、この期に及んでとぼけるか?……まぁいいや、あと三つだ。優勝したら、全部話してもらうぜ。」
そういうと悠は兜馬に背を向けてどこかへ向かって歩きだした。
城「……」
串田「城さん?」
城「変わったと思いませんか?」
串田「え?」
城「悠さん、以前のギラギラした感じがすっかり消えて…まるで何かを悟ったみたいな…。」
魏恵利央と滅堂の会話に護衛者の鷹山ミノルが口を開いた。ちなみにバックリと切り裂かれた手のひらと切断された指を医者に縫いつけられている。
鷹山「お言葉ですが、恵利央様。東洋電力一派は壊滅同然です。」
「終わりました。何か違和感はありますか?」
縫い終わった掌を見つつ、指を軽く動かし、問題ないと答えた。
前滅堂の牙である王森正道が言った。
王森「ランカーと呼ばれる守護者は全滅、囮の侵入者も全て捕縛しました。」
絵利央「……「蟲」が出たそうじゃのう。速水が何故、捨て身と言えるクーデターを起こしたのか合点が言ったわ。奴は、「蟲」と通じておったんじゃな。」
滅堂「…知っておったか、確認できた「蟲」は二人。ひとり(蘭城)は捕縛したがもう一人は目下捜索中じゃ。守護者ランキング2位龍旼。ランキング1位の鬼頭よりずっと厄介な奴じゃわい。」
願流島内、死の森。
ザシュッと水気を孕んだ肉を切る音が二度響いた。護衛者が二人、一人は首が刎ねられ、もうひとりは肩から胸にかけて袈裟切りになり息を絶った……。
左手にもったトランシーバーを耳に当て、右手に持った青龍刀を振るって血を払い飛ばす。
龍旼「小鳥遊悠「捕縛」は蘭城がしくじった。速水は拘束。もはや闘技会の掌握は不可能だろう。問題ない、「次の駒」は手配済みだ。明後日て例の場所で待ってるぜ。」
ロンミンは夜に包まれた死の森の中へと消えていく……。
摩耶「……わからない。」
賑やかなパーティーの中で摩耶は壁に凭れつつひとりごちに呟いた。
目の前では世にも珍しい右京山寅がステージでカラオケで意外なほど澄んだ歌声を披露しており、周りにはアダムやサーパイン、紅に氷川、大久保と闘技者メンバーがタンバリンを振って賑やしている。
そんな様子を眺めつつ摩耶は、ロンミンのことを考えていた。
『闘う意味がなくなった。あばよ。』
そういってアイツは勝負を切り上げた。……もう少しだったの……もう少しで、完成させることができたのに……。
「摩耶」
ふいに声をかけられた。顔を向けると西品治警備の社長、西品治明がたっていた。
摩耶「ああ、明さん。どしたの?」
西品治「……回りくどいのは苦手だ。単刀直入に伝える。」
摩耶「え?」
西品治「次の仕合、お前は使わない。西品治警備保障は、闘技者を交代する。」
煌々と光の柱を上げる炎の前で小鳥遊悠と小鳥遊兜馬が顔を見合わせていた。
兜馬「戻ったか悠。」
悠「……親父と話すのも久しぶりだな。アンタ、どこまで知ってんだ?」
少し離れたところで城厘と串田凛が顔を見合わせた後、松永久秀の方に顔を向けたが首を左右に振って自分も何の話かわからないと示した。
兜馬「……なんのことだ?」
悠「おいおい、この期に及んでとぼけるか?……まぁいいや、あと三つだ。優勝したら、全部話してもらうぜ。」
そういうと悠は兜馬に背を向けてどこかへ向かって歩きだした。
城「……」
串田「城さん?」
城「変わったと思いませんか?」
串田「え?」
城「悠さん、以前のギラギラした感じがすっかり消えて…まるで何かを悟ったみたいな…。」